敵対、暴力、虐待、殺人、心中、犯罪…
「攻撃・暴力」でくくるとしても、いろんな視点いろんなアプローチがあって、ちょっと拾っただけでも各本各様という状態。









「平気で暴力をふるう脳」
デブラ・ニーホフ著 草思社 2003/10
原書:1999 THE BIOLOGY OF VIOLENCE
脳神経科学・生理学。(6年前当時の内容)
怒りのときの神経伝達物質はどうの、これこれの疾患は反社会的行動をとる率が高くなるだの、知識としてはいいかもしれないが、知恵:個々人の心の中や社会をどうするかについては不十分。
ロボトミー、動物行動、脳性差、ストレス反応、行動遺伝…
巷的には脳神経や生理学は絵空事の範疇だろうし、この本だけ読んでもアンバランス。現場に関わる他の諸分野を知った上で、生理学的な基礎知識も見ておこう、という向きにはおすすめ。

『なぜ攻撃してしまうのか 人間の攻撃性』
Russell G.Geen著; ブレーン出版(2005/07)
2001 原書:HUMAN AGGRESSION 2nd ed.
社会心理学。
集団の中で、社会条件の中で、環境条件で、文化の影響で、ヒトの攻撃行動はどう左右されるのか、みたいな。
個人の動機や病気、個々の事件のいきさつ解釈、みたいな物語とはかけはなれた分野。
映画、テレビ、ゲーム、スポーツの、攻撃行動への影響についても講釈あり。
体裁は教科書なので、要約や、より深く知るための関連書籍紹介もついていてそれなりに便利。

『攻撃と殺人の精神分析』
片田珠美著; トランスビュー(2005/06)
精神分析。つまり「あとづけ解釈」。
性犯罪、近親相姦、連続殺人、子殺し、心中、親殺し、カルト…
個々の物語(事件)を第三者がどう解釈するか、どうその事象を物語として共有しうるのか。
現場施策上や当事者にとってはこれ何をどう生かせるものかいささか不如意。
当事者の葛藤や生い立ちなどが述べられていて、読み物としては(浅く広く共有しえそうな物語としては)、面白い。

『暴力・虐待・ハラスメント 人はなぜ暴力をふるうのか』
荒賀文子, 東牧子, 角典哲, 藤本修編著
ナカニシヤ出版 2005/07
お仕事のための基本方針みたいな。
臨床現場従事者や、保護・抑止施策の現場で働く人に適していそうな、援助方法や対策の解説を主にした本。
実状の正確さや細かさよりは、「お互いに手早く納得できる部分をツカミよく並べる」みたいなカタログ的記述。
暴力の要因、DV・家庭内・高齢者・各種虐待(兄弟間虐待を含む点が目を引く)、いじめ、校内暴力、セクハラ、パワハラ、施設内虐待…
日本の状況に即した内容、簡単ではあれど実例事例が多く挙げてあり、
長谷川女史の殺人研究 などもひととおり押さえてあるし、初心者にも読みやすい筆致で、まずはオススメ。...以下つづき...
![[ EP: 科学に佇む心と身体 ]](http://homepage1.nifty.com/NewSphere/transparent.gif)








追記など後半を見る


2005年1月 




●日本の遺跡では、炭化物以外の動植物質は分解されて消えてしまいめったに残らない。

人間と、物語。
某所で「人類学的にサイボーグ技術はどうよ」と話をふられて、「そんな絵空事を」と安直に却下しようとなさったお方がいらっしゃった。





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