[ EP: 科学に佇む心と身体 ]

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催事情報、みなさんお知らせありがとうございます。

攻撃・暴力・殺人・虐待・犯罪

カテゴリ[科学に佇む2005年] 2005/11/21
なぜヒトは人間を攻撃するのか。
敵対、暴力、虐待、殺人、心中、犯罪…
「攻撃・暴力」でくくるとしても、いろんな視点いろんなアプローチがあって、ちょっと拾っただけでも各本各様という状態。

◆◆◆◆
表紙表紙

◆左サムネイル
 「平気で暴力をふるう脳」
 デブラ・ニーホフ著 草思社 2003/10
 原書:1999 THE BIOLOGY OF VIOLENCE
脳神経科学・生理学。(6年前当時の内容)
怒りのときの神経伝達物質はどうの、これこれの疾患は反社会的行動をとる率が高くなるだの、知識としてはいいかもしれないが、知恵:個々人の心の中や社会をどうするかについては不十分。
ロボトミー、動物行動、脳性差、ストレス反応、行動遺伝…
巷的には脳神経や生理学は絵空事の範疇だろうし、この本だけ読んでもアンバランス。現場に関わる他の諸分野を知った上で、生理学的な基礎知識も見ておこう、という向きにはおすすめ。

◆左サムネイル
 『なぜ攻撃してしまうのか 人間の攻撃性』
 Russell G.Geen著; ブレーン出版(2005/07)
 2001 原書:HUMAN AGGRESSION 2nd ed.
社会心理学。
集団の中で、社会条件の中で、環境条件で、文化の影響で、ヒトの攻撃行動はどう左右されるのか、みたいな。
個人の動機や病気、個々の事件のいきさつ解釈、みたいな物語とはかけはなれた分野。
映画、テレビ、ゲーム、スポーツの、攻撃行動への影響についても講釈あり。
体裁は教科書なので、要約や、より深く知るための関連書籍紹介もついていてそれなりに便利。

◆左サムネイル
 『攻撃と殺人の精神分析』
 片田珠美著; トランスビュー(2005/06)
精神分析。つまり「あとづけ解釈」。
性犯罪、近親相姦、連続殺人、子殺し、心中、親殺し、カルト…
個々の物語(事件)を第三者がどう解釈するか、どうその事象を物語として共有しうるのか。
現場施策上や当事者にとってはこれ何をどう生かせるものかいささか不如意。
当事者の葛藤や生い立ちなどが述べられていて、読み物としては(浅く広く共有しえそうな物語としては)、面白い。

◆左サムネイル
 『暴力・虐待・ハラスメント 人はなぜ暴力をふるうのか』
 荒賀文子, 東牧子, 角典哲, 藤本修編著
 ナカニシヤ出版 2005/07
お仕事のための基本方針みたいな。
臨床現場従事者や、保護・抑止施策の現場で働く人に適していそうな、援助方法や対策の解説を主にした本。
実状の正確さや細かさよりは、「お互いに手早く納得できる部分をツカミよく並べる」みたいなカタログ的記述。
暴力の要因、DV・家庭内・高齢者・各種虐待(兄弟間虐待を含む点が目を引く)、いじめ、校内暴力、セクハラ、パワハラ、施設内虐待…
日本の状況に即した内容、簡単ではあれど実例事例が多く挙げてあり、ネット 長谷川女史の殺人研究 などもひととおり押さえてあるし、初心者にも読みやすい筆致で、まずはオススメ。

...以下つづき...
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北京原人とホモ・エレクトゥスの石頭

カテゴリ[科学に佇む2005年] 2005/11/16
 邦訳書名は『北京原人物語』。
 タイトルで損をしているかなぁ。
 最初から最後まで北京原人(シナントロプス)の話ばかりですよ、みたいな印象を与えるけど、実際は北京原人はさわり程度で、あとは現在の「ホモ・エレクトゥス」研究について広く述べている佳品。

左◆表紙
『北京原人物語』
 ノエル・T.ボアズ/ラッセル・L.ショホーン著
 青土社 2005/03
 [bk1]

 原書 2004: DRAGON BONE HILL: An Ice-Age Saga of Homo Erectus
  Noel T. Boaz, Russell L. Ciochon



 つけるとしたら、「竜骨山の旧人類:北京原人のふるさとから」かな。
 原書は2004年とごく最近の記述なので、比較的新しい知見がいろいろまとめてゲットできます。

 ◎ 語りも構成もうまくて読みやすい。 goo
 × 登場する中国人の名前、読み仮名つけてよ… komatta

 北京原人(シナントロプス)の骨、この実物は、第二次世界大戦の時に日本軍とのなにやかにやで行方不明になったきり。

 ネット 「北京原人 - Wikipedia」
 ●NEWS 2005年1月 北京原人 Web東奥/ニュース百科 :中国科学院は昨年10月、周口店遺跡周辺で北京原人の再調査を始めた。

 先日ほんの少し、骨の行方について新たな手がかりが報道されていたけれど、なににせよ残念至極な考古学史上のエピソード。
 > 行方知れずの北京原人、新たな手がかり…!?(元記事消滅)
 > 2005/09 Yahoo news Chinese researchers express new hope of finding missing Peking Man

追記:2006/01/02
消えた北京原人、やはり米軍施設に? 43年憲兵隊報告_( )
2006/01 【日本語記事】 asahi.com


●NEWS 北京原人の頭蓋骨捜索チームが政府主導で始動
2005/07 【日本語記事】  中国情報局
ネット時事用語ニュース 【北京原人】/Beijing Yuanren
2005/07 【日本語記事】  中国情報局
●NEWS北京:北京原人の頭骨を初公開、一部は日本に?
2004/10 【日本語記事】  中国情報局
●NEWS北京原人:頭骨化石、米軍撃沈の阿波丸にあるか−−中国、再び引き揚げ挑戦
2004/10 【日本語記事】  大分大学総合科学研究支援センター動物実験部門の記事庫

ネット世界遺産めぐり(23)  北京・周口店
 東アジア文明のあけぼの 人類の歴史ぬりか えた北京原人遺跡  写真・文 劉世昭
2004/01 【日本語記事】 人民中国

●おかしな頭蓋とその来歴

 北京原人をはじめとして、ホモ・エレクトゥスたちの頭蓋骨には、どうにもヘンテコな「厚み」が備わっている。
 これは何のためなのか。
 どんな淘汰圧が、彼ら旧人類を怒級のイシアタマに仕立て上げたのか。
 この「頭骨の厚み」談義、本書にはわりと新しい知見がとりそろっていて便利。
 …ていうか、去年まさにこの本の出版で「旧人のイシアタマは性淘汰から」説が世に問われて物議をかもしちゃっていた、ということだったらしい。ma

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みなさんを環境考古学にご招待

カテゴリ[科学に佇む2005年] 2005/11/15
これはイイ本おとくな本。
コンパクトな体裁に、エピソードも豊富に気軽に読める構成で。
買いやすい、読みやすい、すごいオモシロイし勉強にも考える種にもなる。
いい招待状。

左◆表紙
「環境考古学への招待 発掘からわかる食・トイレ・戦争」
 松井章著; 岩波書店; 740円
 2005/01 
 [bk1]


 この先生、楽しそうだ。
 お付き合いが広くフットワーク軽く、いろいろな場所に顔を出す上、いきなしなんだかんだと水族館や博物館と立ち寄り先各所で興味あるもの、魚介や骨など、ばしばしもらってかえって標本コレクションにしてる。ase

 ●従来の考古学は、土器や石器、建物跡ばっかりにかまけてて、
  土器の中の土、溝跡の泥に何が含まれているか、なんてことは捨て置いてきていた。
 ●遺跡にある土の成分、花粉、草の痕跡、ヒトのうんち、こまか〜い魚の骨なんかも、
  無視せずにじっくり調べればすごいヒントをもたらしてくれるんだよと。

 ●奈良時代に飼われていた犬、「イヌ肉を食べるためだった説」もあったけれど、
  当時の長屋王の邸宅跡から察するに、イヌは「鷹狩り用」に飼っていた。
  しかも肉の味を覚えないように、贅沢にもコメ中心の”ネコまんま”を猟犬に与えていたらしい。
  へぇ〜!arama
    ※→ 『犬を食べる・陰陽・古代中国・鬼・追儺』

 ●馬や牛の、家畜の頭蓋骨、割られて脳みそを抜かれたっぽいことが多いのはなぜなのか。
  昔の人は脳みそを食べていたのか?
  調べてみると、脳は昔の「皮なめし」になくてはならない大事な材料だったらしい!
  この推理過程も読めば読むほど面白く。

右画 ●日本の遺跡では、炭化物以外の動植物質は分解されて消えてしまいめったに残らない。
 ●人間の死体なんかも、きれいさっぱり骨まで分解されてみつからない遺跡もある。
  でも、あらためて土の成分を調べると、リンやカルシウムの量で
  「大昔、ここには死体があったんだ」と判別することもできるらしい。tamage
 ●欧米では近代史についても考古学の手法はさかんに援用されている。
  戦争の跡を調べて「実際には何が起きたのか」を科学的調査で明らかにしていく。
  (現場からの弾や薬莢の蒐集&調査、武器の調査、死体の状況…)
  カスター将軍の最期の真相や、 ドナー隊の悲劇
  クロアチアやルワンダの虐殺事件跡も、考古学チームの調査対象として取り上げられている。
  ひるがえっては、日本軍のかつての行状を明らかにする調査はどうなのか。
 ●日本の考古学は明治以降の遺物遺跡を調査範囲からすっぽり抜かしがちなのはなぜなのか。
  日本考古学の近代史嫌いと健忘症はそろそろ返上すべきではないのか。
  政治的妄想を払底するためにも、科学として、もういいかげんなにかなすべきではないか。みたいな。

...以下つづき...
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ニートと物語 ゲームと世界観

カテゴリ[科学に佇む2005年] 2005/11/12
 ニートについては、過去既出のさまざまな社会現象解釈ブーム同様に魑魅魍魎妄想含めてごちゃまんと各人各様諸説出しまくっているだろうので、いまさら耳目も集めないだろうし、ぬまたらぁうりたらぁな感じで少しだけ。

 うちは、エントリ分類カテゴリーの末尾に→ 「物語」 という一件を添えてある。
 これは「小説」やら「映画」作品やらがどうのというくくりではなくて、
   ヒト性質上,物事や現象・情報の関係性を構築したつながり、
   すなわち「物語(世界観・人生観)」が必須になっている

ということについての話を,まとめおくためのくくり。

右画 人間と、物語。

 物事や現象・情報の関係性を構築したつながりとしての,「物語」。
 壮大なものでなくてもいい,ごくささいなことどもでも、人間は、情報をつなげ、脚色し、意味づけして、解釈していく。
   **は〜〜すると##になる。
   **は〜〜しないと##できない。

   子どもは、勉強すると、いい点が取れる。
   牛乳は、口にふくんだまま笑うと,えらいことになる。
   先生は、おだてると、木に登る。
   トイレの花子さんには、ちゃんと呪文を唱えないと、たたられる。
   クレヨンを、チョークの代わりに置いておくと,しかられる。
   人間は、イイコになれば、幸せになれるはず。

 自分の将来について,人間は「物語」を描く。
 それが実際には正しいか否かにかかわらず、我々の内に物語は山積している。
 将来を思い描くこと自体が,すでに「物語」づくり。

 どんな「物語(世界観)」を、自分の将来として抱いているのか。
 抱いた将来像(おぼろな欲望でもいい、自分が行けたらなれたら気持ちいいだろうと描く夢)は、それは現実を反映して成り立ったものなのか。
 現実から乖離した「物語(世界観)」を抱えている場合、どこにも行く道を見いだせずに立ち止まってしまわないか。

 カギはこれ。
スーパーマンのファンは人を助けなくなる
 超人と比べてしまうとおのれが役立たずに思えてくる効果
2004/11  New Scientist Superman too super a role model
 人間は自分の中に物語(世界観)をこしらえるとき,周囲から、影響力の強い役割モデル(ロールモデル)を物語に取り込んでいく。
 それが、現実的な路線に近しいモデルなら、さほど問題は生まない、つーか、しごく望ましいわけで。
   家を継ぐ。
   家業を継ぐ。
   師匠に従う。
   公務員に憧れる。
   出世の手順を踏む。
 現実ではなく、誰かが描いた夢を元に他人がこしらえたゲームを元にどっかの作家がこしらえた物語の中の世界観、という,ヒトの欲望には親和的だが現実からは乖離した情報をもとに、自分の中の物事の見通しが形成されていたらどうなるのか。
   特別な才能が備わっているはず
   リセットが効くはず
   ジャストフィットな役割があるはず
   インスタントに行けるはず
   自分自身が前に出ずともアバターで行けるはず
 そういう世界観を抱えたら、上掲のスーパーマンファンと同様に,「なすべきことを見いだせずに現状で立ち止まってしまう」のではないかと。

...以下つづき...
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サイボーグと脳みそコントローラー

カテゴリ[科学に佇む2005年] 2005/11/07
右画 某所で「人類学的にサイボーグ技術はどうよ」と話をふられて、「そんな絵空事を」と安直に却下しようとなさったお方がいらっしゃった。
 今回のNHKスペシャルはご覧になっていただけたのかな?

前のエントリから一年半。
 →2004/03 『脳みそコントローラー』

 先日ネット NHKスペシャル「サイボーグ技術が人類を変える」が放送され、その補遺サイトもできているとのこと。(立花隆セミナー)

 ということで、 『脳みそコントローラー』で紹介した以外の、サイボーグ技術関係の、いわゆる BMI(Brain-Machine Interface) 手元記事を並べてみようかなと。

電極キャップをかぶってヴァーチャルストリートを散策しましょうma
2005/09 news@nature.com Computer users move themselves with the mind

脳スキャンで思考を読めます
2005/08 BBC News 'Thoughts read' via brain scans

まじワイアドが現実に!? 脳内をナノワイヤで配線
2005/07 FuturePundit: Nanowires Could Be Run Up All Brain Capillaries For Neural Interface

ゴキブリが操作するロボット登場arama
2005/06 Discovery Cockroach Driver Controls Robot

「右曲がるあるよ」「前進むあるよ」 中国人、ネズミを有線でリモートコントロールする
2005/06 Ananova Robot scientists control live mouse
 脳に直接配線:グロい画像がダメな人はご注意yan

サイバー・おサル ロボット・アームを我がもののように操るサルの脳
2005/05 EurekAlert Monkeys adapt robot arm as their own

追記:2005/11/08
こんな催しもありますね
12月22日【東京】さきがけライブ2005
 ・ロボットを制御する“生きている”神経回路網


...以下、機械につながる生物、てんこもりなつづき...
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マーシャル諸島から世界の被曝者へ

カテゴリ[科学に佇む2005年] 2005/11/06
放射線はヒトに呪いを浴びせるのだろうか。
文化を越えてヒバクを語るときには、呪いの援用は有効なのだろうか。

◆マーシャル諸島◆マーシャル諸島
 本ミニ『マーシャル諸島 核の世紀 1914-2004 上』 [bk1]
 本ミニ『マーシャル諸島 核の世紀 1914-2004 下』 [bk1]
 豊崎博光著 日本図書センター 2005年6月

 核実験で、血脈も伝統も暮らしもズタズタにされた、太平洋マーシャル諸島の人々。
 マーシャル諸島の歴史は、まずほかならぬ日本に翻弄されたくだりから記述されていく。
 p.101に挙がる「ズーセオリー(動物園政策)」には背筋が寒くなる。
 政治が、大国が、弱者を、マイノリティを、保護区と称する荒れ地に幽閉し飼い殺しにして放置する、みたいな。
 ※しいたげられるマイノリティ→ 『環境正義をめぐる闘争 米国先住民族と核廃棄物 』

 放射能の害(放射線障害)、それは事故であることもあるが、善意や悪意でもたらされることもある。
 核実験海域の島民、核実験地区の地元民、ウラン採掘従事のマイノリティ、モルモット扱いされた軍の兵隊、原発事故、さらにはわざと放射能を注射するという無断の人体実験まで…!

『マーシャル諸島 核の世紀』前書き v
 本書では次のような表記の方法をとった。
1 アメリカの原爆投下による広島、長崎の被害者は従来使われている「被爆者」と記した。それ以外の被害者は、主に放射能と放射線にむしばまれていることから「被曝者」と記した。


 日本の被爆者には厚い意味の層、それもローカルな<呪>がごったりまぶさって居るような気がする。
 ローカルな<呪>は、昭和の国内ではすごく強く動作していたような気がする。
 でも、今夏各テレビ局が放映していた核関連の番組を見ていて、あれ?と思うところがあった。

 ロンゲラップ島(マーシャル諸島)が取り上げられた。
 アメリカ国内の被曝者にも言及された。
 中東の劣化ウラン弾被害もレポートされた。
 <呪>が変わってきたのかな、世代と言っていいのか、「日本の」という呪が緩解して、言説が交替しはじめたのかな、と感じた。
 ローカルな<呪>ではなく、日本が・被爆者が・云々という枠ではなく、もっと大きな”放射線障害を被った弱者(マイノリティの声)と国際的な力関係”のようなくくりが風通しよく見えてきた。

...以下つづき...
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環境考古学は大丈夫ですか?

カテゴリ[科学に佇む2005年] 2005/11/02
 環境考古学の名が付く新刊をゲットしに行ったつもりだったのに、手がすべって別のこんなトンデモ本を持ち帰ってしまいました。
 (トンデモ=本人の意図とは違った面で味わい楽しめる珍品)

左◆表紙
 「環境考古学のすすめ」
 安田喜憲
 丸善ライブラリー 丸善 2001年 [bk1]

 環境・気候変動が昔の文化や民族の趨勢を大きく左右したという環境研究からの見解が、ようやく受け入れられはじめて嬉しいな、というのが主題。
 それを覆い隠すようにでしゃばっている伴奏は、考古学者たちが自分の説を異端視してけんもほろろだった怨恨はいまだ忘れがたいゾと愚痴グチにじむ著者積年の恨み節。abon
 この人、イロモノ扱いされたと言って他人の無理解を非難しているけど、もとより本人イロモノの香りをぷんぷんさせていて、「そりゃ無理ないわな」と思わされること度々。(自覚してないらしいところがまた…whoa

 堆積層の縞を指して「ジェオゲノム」と名付けるわ(ゲノムの呼称をそんなもんにつけたらそりゃあかんでしょ)、自分の分野外の常識を知らなさすぎるというか、お行儀悪く言えば、専門バカが無神経に異分野のことを見下して知ったかぶりまくりみたいな。
 どんなに良い研究をものしていても、説得力が礼儀がダメダメだったらイロモノ扱いされますよ。仕方ない。
 説得力も研究もダメダメな人ってのは掃いて捨てるほどいて、特に考古学あたりはさんざダメダメな素人横槍に悩まされている分野だから、ダメダメなアプローチをしたら簡単に混同されますよ、水準以下のゴミと。
 自分の感覚のズレ方にさっぱり気づかないまま、自説が受け入れてもらえないのは「旧弊な因習に囚われている異分野の無理解のせい」にしているのも、実にトンデモというかイロモノっぽくてよろしいのですけれど。(因習の害が全くないとは言わないけどさ)

 そいでもって本文中、
...以下つづき...
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海のカメ、河の鼈、陸の亀、亀卜

カテゴリ[科学に佇む2005年] 2005/10/29
右画
日本の民俗に於いて、「カメ」は何種類の区切りで扱われているんだろう。
「ウミガメの墓」って見たことあります?
 クジラの墓は話に聞いたことはあったけど「ウミガメの墓」は…


左◆表紙
 『海の民俗文化 漁撈習俗の伝播に関する実証的研究』
 小島孝夫編; 明石書店 2005/05 [bk1]
第五章 「漁撈習俗伝播の諸相 − 資源分布と文化受容」小島孝夫

1● 銚子市に残るウミガメの墓・ウミガメを埋葬する慣習と、明治の時代に起きた難破事故との関係を、調査と推理で解き明かす面白さ。
2● 江戸のツチクジラ漁の実態と、現代のツチクジラの漁・解体・流通・消費形態・習俗(千葉県安房地方)についてのレポートも紙数多く興味深い。捕鯨関係でウンチクしたい人にはこのくだりぜひオススメ。

挿画

左◆表紙
 「水と祭祀の考古学」
 奈良県立橿原考古学研究所附属博物館編; 学生社 2005/01 [bk1]

3● 「常世・女・井:神話の土壌」 辰巳和弘
 古墳時代の思考に大きな影響を与えた神仙思想、そしてその顕現を今に伝える水遺構。

4● 終章「飛鳥京の水まつり」 河上邦彦
 飛鳥の有名な「亀形石造物」は、「河のカメ=鼈(べつ・すっぽん)」であろうとの示唆。
 古来、カメは「何かを背負う」姿で表されるのが通例であり、それとは異なって鼈には「背負う」造形はみられないという指摘。


...以下つづき...
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男脳、女脳、自閉症:共感脳システム脳とバロン=コーエン

カテゴリ[科学に佇む2005年] 2005/10/24

2008/04 追記:
このエントリは「共感脳」「システム脳」の話です。

●「共感脳」は、他者の気持ちを(一方的に)想定して思い入れをする傾向が強い、感情的な反応が強い脳です。さらには他者の感情的反応に自分の思考が左右されやすく、相手が喜ぶと自分の感情もそれを反映して喜びにふれてしまう(悪く言えば流される)人たちです。

●「システム脳」は、論理的な展開に強く反応する脳です。喜びであれ怒りであれ、感情的な展開は、論理的な思考を導く妨げになるのでうざく感じたりします。相手のご機嫌を読んで共感を求めるよりは、推理して解決、分類整理して決着、筋道が通るような、すっきりした展開の気持ちよさを尊びます。(悪く言えばガンコとか、依怙地とか)

「■」


左◆表紙
『共感する女脳、システム化する男脳』

 サイモン・バロン=コーエン著 日本放送出版協会 2005/05
 原書とその書評:2003; The Essential Difference
 [bk1]

 原題は「本質的な違い 脳の性差についての真実」
 The Essential Difference: The Truth about the Male and Female Brain

 最近、妙に男脳女脳流行りがにわか再燃していたみたいだけれど、どこから盛り上がっていたのやら。 →脳の男女差、心の男女差
 そのにわか再燃の影響かどうか定かではないけれど、
暮らしWORLD・からだ百科:男脳と女脳
2005/10 【日本語記事】 毎日新聞
も流れていたり。

 当該書の著者バロン=コーエンは「男女差を書き立てて商売」している流行りライターのたぐいではなく、自閉症をメインに追っている心理学・精神医学の教授。
    →自閉症、アスペルガー
左サムネイル
「自閉症とマインドブラインドネス」

 バロン=コーエン著
 青土社 2002年 [bk1]
(原書:1995年 Mindblindness)
 自閉症者は対人関係構築能力(他人の心の推察:心の理論)に障害があるようだ、という点を中心に


●このバロン=コーエンさん、なんやいつのまにかうち左のようなおっさんかと思い込んでいたけど、実物は全然違って右みたいな やさいあんちゃんでした。
Simon Baron-Cohen

●当該書(2003年)の前年あたりから、自閉症と脳性差の関係について、バロン=コーエンは自分の路線を打ち出しはじめている。
地図が読めない女 自閉症が多い男 バロン=コーエンの超男性化脳仮説
2002/12  The Spectator.co.uk Why women can't read maps The high incidence of male autism reveals basic mental differences between the sexes
テストステロンレベルと自閉症 バロン=コーエン
2002/05  Guardian Testosterone levels may cause autism
2002/06  Trends in Cognitive Sciences Vol. 6, No. 6 The extreme male brain theory of autism

 それ以前の前世紀末などは、→心の理論をもっぱら中心にして自閉症を論じていたと思う。

去年あたりはこんな盛り上がりにもなっている。
バロン=コーエンの「自閉症は男脳の極端バージョン」説をめぐる論争
 盲目の自閉症や自閉症知能の高低でも性比は異なる、脳性差のみに帰するのは無理では
2004/04 Newsday.com Autism Theory on Brains Sparks Debate
2004/02 Psychology Today Autism: What's Sex Got to do With It
胎児の段階で自閉症かどうかの確認が可能に?
 妊娠中絶を助長するとの懸念の声も
 自閉症は男性ホルモンの過剰分泌、遺伝の可能性も 〜バロン=コーエン
2004/04 ▲日本語記事 JAPAN JOURNALS LTD.
2004/04 BBC News Autism link to male sex hormones


...以下つづき...
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マザー・ネイチャー:母性とフェミニズム

カテゴリ[科学に佇む2005年] 2005/10/23
左◆表紙◆表紙
 『マザー・ネイチャー 「母親」はいかにヒトを進化させたか 上』 [bk1]
 『マザー・ネイチャー 「母親」はいかにヒトを進化させたか 下』 [bk1]
 サラ・ブラファー・ハーディー著; 早川書房 2005/05
 原書:1999 Mother Nature

 巻頭カラー口絵に採用されている近世日本の”妊娠図絵”。
 キャプションでは説明されていないが、並ぶ妊婦と胎児の図絵のうち、初期胎児の姿はリアル図ではなく独鈷杵(とっこしょ)などの仏具に仮託して表されている。
 つまり妊婦の腹の中には最初、人間の形をした胎児ではなく仏具が鎮座ましましている。(もとより生後いくばくかに達するまでは赤子には人性を定めなかった民俗文化)
 江戸時代の胎児観を調べまとめた 故・米津江里氏の「近世書物に見える胎児観」が脳裏に浮かぶ。
   → 『怪異学の技法』

 さても。
 この本は好きじゃない。
 西欧フェミまんせーなお方とかフェミ言説全然知らないおぼこさんには良い本かもしれないが。
 とにかく読んでいてめんどくさい。
 著者の意図が。
 フェミニズムな言説しょっちゅう混ぜ込んで、遺恨がどうの、誤解がどうの、反発がどうの。
 それも「西欧人どうしでのお話」だし。
 知ったこっちゃない、うざい。もっとさらっと書けや。
 抑えた筆致ならまだしも、悪ふざけだかブラフだか、血の気の多い挑発もちらほらしているし、あんた冒頭で自分で語っているように「他の世代にはうざい」よ慥かに、あんたの話は。

 大きなお世話な指摘をするならば、

...以下つづき...
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