お相手はプリンストンの生物学者リー・シルバー(またはシルヴァー、邦訳書がたくさんあります 著書リスト )。お題は幹細胞の生物学と政治。
主な章立て:
The stem-cells-from-skin-cells breakthrough (06:12)
皮膚細胞から幹細胞という新展開
Ctrl-alt-delete at the cellular level (08:15)
細胞レベルでの制御
Embryos enshrined; skin cells sloughed off (09:44)
胎児は祀られ、皮膚細胞は捨て置かれ
How to sidestep a moral problem (03:30)
道徳の問題を回避するには
How iPS cells could cure diseases (07:41)
iPS細胞は、どのように病気を治してくれるのか
Unintended consequences and playing God (07:18)
思わぬ影響、「神を演じる」呼ばわり
Doing ethics by risk-benefit analysis (04:30)
危険度対収益分析によって倫理を行使すること
Entire diavlog (49:22)
動画全体の尺は49分です

リー・シルバーの著書のうち、今年邦訳書が出た

『人類最後のタブー バイオテクノロジーが直面する生命倫理とは』
リー・M.シルヴァー (著)
日本放送出版協会 (2007/03) [ Amazon ] [bk1]
こりゃいったい何を考えとるんじゃと言いたくなるようなエゲツない表紙。
日本放送出版協会の趣味は、これに限らずいろいろとすごいなぁ。ハードルが低いというか。

この本に目を通したのは今年の8月のことだったのだけれど、ほかに時間を食われて感想書けずじまいだった。
当時記していた感想メモには、
●ややイロモノな本を出すのがお好きな日本放送出版協会。
原書の表紙はおとなしいのに、邦訳はトンデモポップに異様な表紙で飾ってくれた。さすがなセンスだ。orz
●ドーキンスの弟子?
●開発・技術側のカラー強い
●デリカシーない。
モヒカン臭あり。
モヒカンがモヒカン向けに書いている状態では相手は転向しやしない。
仲間相手にしか響かない理屈に終始。
この書きようで中道の取り込みを狙っているのだとしたら、中道をなめすぎ。
科学信奉者が往々にして醸す荒っぽい独善さが
... 以下つづき...

p104 ケラー吊し上げ( エヴリン・フォックス・ケラー )
●1〜2部 欧米の宗教事情はめんどくせ〜
●p50 雑誌名『懐疑的尋問者』は訳しすぎ。ふつうに「Skeptical Inquirer」で通っているのに。
●p313 例示としてエフェドラ(全米初の販売禁止となってしまったサプリ)を挙げる
コントロバーシャル(いろいろ意見が対立して一概に言うのは困難)な論点を、かなり一面的に書き飛ばす:葉酸とか
断定的に記している ブラフ、ツッコミの余地があるハッタリ状態
●ホメオパシーについての書き殴りよう
●p340 おかしい偏向
●p443 数値大きめ?(使っている先天性障害児の出生率の数値が 聞き及んでいる数値の2倍だ )
●p425の数値はどうなのか。(「世界の現人口の九十五パーセントが蒸発してしまっても、なお残っている人々の数と遺伝子プールはキリスト誕生時よりも大きく、かつて存在していたどの大型哺乳動物種のものより大きいだろう。p.425)
基本的に議論は粗雑だ。
●p451 頭が悪くてよろしい
p.451
世界的規模の単一人間社会が、バイオテクノロジーや他の技術が提供しうる恩恵を利用して −− 現在豊かな国に住んでいる人々だけでなく −− すべての人々に自由で健康に暮らしていける方法を提供してくれるのなら、それはすばらしいことではないだろうか。
●宗教の進化心理学は。
ケガレ論を見ろ。
進化心理学を見ながら進化心理学を使えていないというバカの典型じゃないか。


えーと、まあ、要するに。
リー・シルヴァーの
物知り顔の小型ドーキンス?
そういえばこの本の前にドーキンスの「神は妄想である」に目を通していたンだっけ。
”正しい事実を伝え教育さえすれば、ヒトは正しい道に進んで、幸福になるはずだ”。
この手の、ヒト性質や幸福の在処を見誤ったまま、他分野の科学的な成果を踏まえないまま、自分野中心&自文化中心主義的に語る状況錯誤な無神経さは、経済学が長く”合理的経済人モデル”というありえない存在を想定してごちゃごちゃ千鳥足でやってきていた、ソレに近いドンキホーテぶりがあるんでないかい。
そんな簡単に世の中転向するもんじゃない。
理屈だけでヒトがどうこうできるんなら、ヒトはとうに絶滅しているだろう。w
この手の自称科学先導者は、まずはヒトの心理を把握してくれないと。説得手法を、文化間の調停方法に熟達してくれないと。でないとどうにも野蛮(モヒカン)に見えてかなんがな。
教育手法を。
見ろとか知れとか蒙を開けよとか押し付けるんじゃなく。
隠微に フィールグッド路線を。それとなく術中に陥るように図っておくれよ。
自分は、科学的啓蒙行動をデフォルトで是とする者ではない。
あっち側でもこっち側でもない。単に、やるならもっとスマートにやれと言いたいだけだ。なりふり構わぬ下卑たフカシや喧伝はたくさんだ。

【人類最後のタブーという楽天主義】
人類のこの先に対する、楽天的な展望というか、刷り込まれた錯誤。
そして、行ったら行きっぱなしのアメリカンな幸福観、未来観も加わって。
さらにヒト性質を読み誤って急所をはずした狙いのまま、平気で邁進なさろうとする楽天的なエリート意識。
まあ、いいや。
それより今は

【リー・シルヴァーの著作】
リー・シルヴァーの著作には以下のようなものがあります。
下記以外にも、けっこう邦訳が出ています。



『複製されるヒト』 リー・M. シルヴァー (著) 翔泳社 (1998/05)
『遺伝子の世紀―21世紀"最大の科学"の予感』 リー・シルヴァー (著) 学研 (1999/10)
『人類最後のタブー バイオテクノロジーが直面する生命倫理とは』 リー・M.シルヴァー (著) 日本放送出版協会 (2007/03)

Challenging Nature: The Clash Between Biotechnology and Spirituality(Ecco)
●バイオテクノロジーとスピリチュアリティの衝突
Lee M. Silver (著)
Perennial; 1版 (2007/8/7)
書籍情報と書評:アマゾン 日 米 英.

Challenging Nature: The Clash of Science and Spirituality at the New Frontiers of Life
●生命の新しいフロンティアにおける科学とスピリチュアリティの衝突
Lee M. Silver (著) リー・シルヴァー著
Ecco Pr (2006/06)
書籍情報と書評:アマゾン 日 米 英.
![[ EP: 科学に佇む心と身体 ]](http://homepage1.nifty.com/NewSphere/transparent.gif)







次の記事 











