来週出る新刊についてですが。
『発見!恐竜のミイラ 』
フィリップ・マニング著 フィリップ・ラーズ・マニング (著)
日経BP社 (2007/12/13)
[ Amazon ] [bk1]
米国ダコタで16歳の少年が見つけたものは…世にも珍しい、恐竜のミイラだった!
タイラー少年の呼びかけに、恐竜学者フィル・マニングが応えて開始された、世紀の大発掘プロジェクト。貴重な恐竜のミイラの発見と発掘、研究の一部始終を、イラストと写真をふんだんに駆使してお伝えする、臨場感あふれる科学ドキュメンタリー・ビジュアルブックです。
Dinomummy: The Life, Death, and Discovery of Dakota, a Dinosaur from Hell Creek
原書●ミイラサウルス:一生、死、ダコタの発見 ヘル・クリークの恐竜
Phillip Lars Manning (著)
Kingfisher Books; Ill版 (2007/12/15)
対象: 9 - 12歳
書籍情報と書評:アマゾン 日 米 英.
この本は、bk1(オンライン書店ビーケーワン)では、最初「世紀の大発見 恐竜のミイラ」というタイトルで登録されていた。
それがなにやらバタバタとタイトルが変更され、・・・どうも急遽出版を早めたような気配が。
しかも日米同時発売だ。
過日、下記のような報道が流れたことは、ご存じの向きも多いかと思う。
2007/12 【日本語記事】読売新聞 「縞模様」の草食恐竜、米ノースダコタ州で化石発見
皮膚や腱(けん)などの軟組織の状態までわかる、極めて保存状態のよい草食恐竜の化石
約6700万年前のハドロサウルスの仲間
筋肉の量を計算したところ、従来の推定より25%も多かった
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20071204i206.htm
2007/12 【日本語記事】時事通信 ミイラ化した草食恐竜ハドロサウルスを公表=英大学チーム
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/life/jiji-AFP015408.html
2007/12 【日本語記事】共同通信 草食恐竜のミイラ発見 うろこ状皮膚がくっきり
http://news.goo.ne.jp/article/kyodo/life/CO2007120401000218.html
2007/12 【日本語記事】朝日新聞 ティラノサウルスより速く走る草食恐竜 化石から判明
http://www.asahi.com/science/update/1204/TKY200712040445.html
2007/12 BBC News Amazing find of dinosaur 'mummy'
2007/12 National Geographic Dinosaur Mummy Found; Has Intact Skin, Tissue
2007/12 National Geographic Photo Gallery: Mummified Dinosaur Unveiled
世界一でかいボーイング社製のCTスキャンを使ったんだそうな。
日本でも、マンモスのCTスキャンするとき、間に合うマシンはなかなか調達しづらかったらしいよね。
で、この恐竜ミイラ、実際は「今回発見された」わけじゃない。
発見されたのは1999年だ。当時から話題だった。
それが、8年も前に発見されていた化石が、なぜ今「発見」呼ばわりされるのか。騒がれるのか。
どうもこれ、ナショナル・ジオグラフィックの商売が大きく関わっているらしい。
... 以下つづき...

●12月9日に、アメリカの National Geographicチャンネルで 「A NIGHT OF DINOSAUR DISCOVERIES」(Dino Autops)放送予定。
●日本で「発見!恐竜のミイラ」(DVD)発売予定。
●日本で書籍「発見!恐竜のミイラ」、アメリカで「Dinomummy」発売予定。
●来月アメリカで、今回の論文の著者による恐竜ミイラについての新刊が、ナショナル・ジオグラフィックから出る。

Grave Secrets of Dinosaurs: Soft Tissues and Hard Science
●恐竜の重苦しい秘密:ソフトな組織、ハードなサイエンス
Phil Manning (著)
National Geographic Society (2008/1/22)
書籍情報と書評:アマゾン 日 米 英.
盛り上げる手はずが完全に整っている?
ナショナル・ジオグラフィックのサイト上の記事にも、しっかり宣伝は入っている。
2007年12月4日 「体の多くの部分に皮膚や筋肉などの軟組織
恐竜のミイラ化石「ダコタ」の詳細が明らかに」
http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/news/20071204/index.shtml(日経は無断リンクすると怒るんだ)
日経ナショナル ジオグラフィック社では、この恐竜のミイラの発見から研究までの一部始終を伝える書籍『発見! 恐竜のミイラ』を2007年12月17日に発売します。また、同タイトルのDVDも2008年1月に発売を予定しています。
日本版ナショナルジオグラフィックの最新号(2007/12)は「特集:奇妙な恐竜たち」だし。
http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/magazine/0712/feature01/index.shtml

【ナショナル・ジオグラフィックの販促活動】
考古学や古生物学(化石研究)で、とうの昔に見つかっていたのに、突然「論文発表とナショナル・ジオグラフィックの販促活動」の組み合わせで異様な盛り上がりを見せた事例はこれまでにもいろいろあったと思う。

ほかにも探せばこんな事例はごまんと出てくると思う。
ナショナル・ジオグラフィックが、商売になりそうなめぼしい研究につばをつけておいて。どんな演出をすれば最高のパフォーマンスになるか、どの論点・どんな表現が一番ドラマチックになるかを計算して(そうなると科学的に正しい表現上のバランスは二の次になるよね)。論文発表と同時にメディア攻勢とDVD販促ができるように、周到に手はずを整えておく。
この、一種「科学に寄生した商売」というか、なんというか。
下手をするとあらぬ方向に科学研究と世論が突っ走っていってしまう/もしくは哀れな状態に陥らせてしまう。
で、このたびも、ナショナル・ジオグラフィックでは「恐竜のミイラ」というコンセプトで企画の絞り込みをかけたんだろう。おそらく研究者側も、その路線に沿うように論文を加減した部分があるのではないか。示し合わせて、時期が来るまで公開するな、と箝口令をしかれていたのか。ナショナル・ジオグラフィックから、どのくらい取材費が出ていたのか。
ああ。・・・そんなうがち妄想を広げていったら、なんか、フロレス人も、ナショナル・ジオグラフィックによる偏向ベクトルがそうとうでかかったのかなぁ、まともに検証されない方向に突っ走って行ってしまったのかなぁ、などと悲しい想像に陥ってしまう。

お子さま向け絵本:恐竜のミイラ
『Dinosaur Mummies: Beyond Bare-Bone Fossils』 (Carolrhoda Photo Books)
Kelly Milner Halls (著), Rick Spears (イラスト)
Darby Creek Pub; Library Binding版 (2003/05)

![[ EP: 科学に佇む心と身体 ]](http://homepage1.nifty.com/NewSphere/transparent.gif)







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