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寄生虫が国民性を左右する!?トキソプラズマ

カテゴリ[科学に佇む2007年] 2007/11/22
以前に「人間の性格を変える寄生虫」について少し書いたことがある。
 ●→ 2004/05 『 フィールドの寄生虫学と死者の数 』
 ●→ 2007/11 『子どもの性格を変えるばい菌』

 これはその道ではもうけっこう有名な話なんだけれど、「まだ知らない」人にとっては、かなりギョッとする話。
 以下、トキソプラズマに関する過去記事を並べておきます。

●右画
ネコの寄生虫にご用心
  ネコの一割に寄生し、精神分裂病、躁鬱病、流産、死産を引き起こすトキソプラズマ
2001/02  Yahoo! News  Researchers Link Mental Illness To Cat Parasite Some Doctors Question Validity Of Research

ネコからもたらされる狂気、という図
 自殺行為とトキソプラズマと統合失調症
2006/01 New Scientist 'Suicidal' rats may offer schizophrenia insights
2006/01 EurekAlert Scientists find stronger evidence for link between cat faeces and schizophrenia

母体のトキソプラズマ感染と統合失調症
2005/05 EurekAlert Study finds maternal exposure to parasitic infection may increase risk of schizophrenia in offspring

あぶにゃぁい!
 あなたの性格はネコのせいで変化しているかも
 飼い主の半数以上が感染する人畜共通寄生虫トキソプラズマ
 脳に寄生して男は粗暴に女はわがままに
2005/06 Times Dangerrrr: cats could alter your personality


... 以下つづき...

〓〓〓 EP 〓〓〓

 トキソプラズマ。正確には、一般に言う寄生虫よりはかなり小さい、寄生性の原生生物の一種。
 リンク トキソプラズマのお写真
 リンク トキソプラズマの感染経路

 うちは生まれる前から猫飼いだったので、すでに思いきりトキソプラズマられていると思う。reeling
 たぶんQ熱(トキソプラズマとはまた別のペット経由感染症)もやっている。新しい猫が来たあと数年えらい具合が悪かったことがあるんだ。
 でも、感染しても生活は普通に送ることができる。
 あー、そうでもないかなぁ。統合失調症やうつ病が縁者にいるもんなぁ。

 すごく昔から人類はトキソプラズマがいる環境で暮らしてきているわけで、すでにだいぶトキソプラズマと共進化(きょうしんか:相互の進化に影響し合うこと)してきている部分があると思われ。
トキソプラズマ、1万年前からヒト寄生
2003/01 New Scientist Genetic jackpot win explains parasite's success
2003/01 EurekAlert! Researchers decipher cause of parasite's worldwide spread

 感染しても普通に生きていける以上に、統合失調症やうつ病は人類に「創造性」を加味したやまいである、という説もあるんで、まあ、進化医学的にトキソプラズマへの感染は、ヒトにとってなんらかのプラスがあった可能性は否めない。

 だいたい地球上の人類の3割以上がふつうに感染して暮らしているってな、めちゃめちゃポピュラーな寄生虫ですから。
 これはネコの感染率(1割)より高いんでないかい。
 リンク トキソプラズマ症 ウィキ
「トキソプラズマ症とは、トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)による原虫感染症である。 世界中で見られる感染症で、世界人口の3分の1が感染していると推測されているが、有病率には地域で大きな差がある。」

 詳しくは↑のウィキ記述を参照下さい。

寄生虫が国民性を左右する!
2006/08 EurekAlert Cat parasite may affect cultural traits in human populations
トキソプラズマふたたび 〜カール・ジンマー
2006/08 The Loom : A Nation of Neurotics? Blame the Puppet Masters?
 トキソプラズマ感染率の差、韓国は4%、ブラジル67%!
 感染すると不安が増し、男は保守的に、女は大胆になる

宿主を操る寄生虫、→【日本語ブログ】パラサイト・レックス 再び
2006/01 The Loom(カール・ジンマー) The Return of the Puppet Masters.

●書籍 『迷惑な進化 病気の遺伝子はどこから来たのか』 シャロン・モアレム (著), ジョナサン・プリンス (著) 日本放送出版協会 (2007/08)
p.137-138
 プラハのカレル大学のヤロスラフ・フレーグル教授は、トキソプラズマに感染した女性はそうでない女性に比べて衣服にお金をかけ、つねに魅力的に見せようとする傾向があることを見出した。フレーグルはこう述べている。
「感染した女性はそうでない女性より、おおらかにふるまい、情が厚く、友人が多く、見た目を気にする。しかし、信用できないところがあり、また男性との関係を多くもつ傾向が認められた。」
 一方、フレーグルは感染した男性を、身なりに気を使わず、独りぼっちでいることが多く、喧嘩好きだと観察している。さらに、疑い深く、嫉妬深く、ルールに従うのを嫌うそうだ。

 これこそ、新奇探求傾向の行動遺伝どころではないですね。遺伝に関係なく、環境要因というか、感染で行動が変わる。しかも人類に大規模に感染している。ase

 トキソプラズマは、例えばネズミからネコに移動してきます。
 その際にも、きっちりネズミの脳を操作している。

 感染したネズミは、なんと、本来恐がって避けるべき「ネコの小便の匂い」を好きになってしまうんだそうな!
 で、のこのこネコに食われに行ってしまうと。
●右画
2007/04 New Scientist Parasite hijacks brains with surgical precision
寄生生物は、外科的な精度で脳を乗っ取る
 トキソプラズマ Toxoplasma gondii は、ネズミの脳におけるネコ嫌い回路を制御する
2007/04 National Geographic Parasite "Brainwashes" Rats Into Craving Cat Urine, Study Finds

●書籍 『パラサイト・レックス:生命進化のカギは寄生生物が握っていた』  カール・ジンマー著 光文社 2001年(原書2000年)
p.150
「ラットを、ネズミ版カミカゼとすることによって、おそらくトキソプラズマはラットがネコの口に入る機会を増しているのだろう。」


 人間も「みだらでテキトーな性格になる」ことで、トキソプラズマをふりまきやすくなってしまうのではないか、と沙汰されていたりする。
 いや、性格だけじゃない。
感染すると女の子が産まれにくくなる性病 トキソプラズマ
2006/10 EurekAlert Bad blood between boys and girls
 Women infected with toxoplasmosis are more likely to have boys

 平均して100人の新生児中51人が男の子なのだが、トキソプラズマに感染したことがある女性は100人中72人(!)もの男の子出生率を記録したと。

 普通なら、母体に支障があったり寄生虫にやられたりすると、産まれにくくなるのは男の子のほう。
 → 『 男が欲しけりゃ女を大事に:男女産みわけ性淘汰』
 それが、男のほうが産まれやすくなるということは、トキソプラズマの何かが、繁殖効率が高いオスだけを選択的に産ませている可能性。

 人の性格だけでなく、人の子孫まで変えようとしてくれる寄生生物。

 変わっているのか?
トキソプラズマに寄生されている人、交通事故を起こしやすい?  集中力を減退させる
2002/08 BBC News Dirt bug link to car crashes

 はい、自分は一年間に16回ぶつけました。もう運転してません。
 いや、感染してなくて、このていたらくなのだとしたら、自分そうとうヤバイっしょや。hyaaa


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◆左表紙

 『日本におけるトキソプラズマ症』
 青才 文江、野呂瀬 一美、 矢野 明彦・編
 九州大学出版会 (2007/07)




メタル
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