[ EP: 科学に佇む心と身体 ]

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科学の演芸化、科学の品格

カテゴリ[科学に佇む2007年] 2007/10/11
 このところ、ぼんやりひっかかっていることがある。
 なんかさ、科学に「ショー」としての面白さを期待するのがアタリマエになっているような、そんな。
あまり面白い内容ではありませんでした。
岡田弘教授が堅い内容を真面目に話されたのですが、もう少し話を脱線させても良かったんじゃないかなと思いましたよ。
 リンク 「日本地質学会」の講演会に出向いた人の感想

 そのジオパークの講演会は、各演者かなりおもしろかったし、ほかのいろいろな科学がらみ講演のたぐいと比べても企図と内容からイイ線を行っている部類ではないかと見ていた。それが、岡ちゃん先生のしゃべりにまで「脱線」させる必要性を指摘されるとは思ってもいなかったので(脱線!?)、いったいこれは・・・なんだろうと。

 頭をよぎるのは、日テレ系の 「世界一受けたい授業」
 これのせいか?
 実は、自分は「世界一受けたい授業」は全然見ていない。ものすごく気持ち悪いからだ。

... 以下つづき...

〓〓〓 EP 〓〓〓

 科学や学問の面白さをああいう形に曲げていいのか? という違和感が強くてかなわないからだ。(なお、放送開始当初はしばらく見ていた)
 科学や学問の面白さは、「ショーとしての面白さ」ではないよね? 違うはずだよね??? 科学の醍醐味は、あんな演芸的はったりにあるものなのだと勘違いされたくは、ないよね?

アンカー【「ショー化」に伴う単純化】


 「ショー化」に伴う単純化も、気持ち悪さの一因。
 細かい異論や意味のニュアンス、配慮や諸条件をなかったかのごときにばっさりはしょって「これが答だ」とやってしまう単純化誘導。
 → 『99%遺伝子でわかる!はひどい本だよね?』 みたいなアレだ。番組の制作側が「話をこの論点のみでまとめてくれ」とあらかじめ各出演講師に依頼しコントロールしているんだろうけれど。
 番組でおもしろ楽しく「わかりやすく」をモットーにすると、ややこしい点を無視して「簡単にわかりやすく」表現することになってしまう。やってもいいが、「実際はもっと奥が深い」ということを察することができるような翳(かげ)りさえも完全に吹き飛ばし消去してしまうような、強引なスポットライトのしぼり方はやりすぎではないかと。
 見ていて「ちゃうやんそこの奥にはもっと・・・なんでそこはしょるねん・・・!!」 畳みかけるような歯がゆさ攻撃が、大変気持ち悪かった。

※ 翳り、いわゆる デプス の感覚に近いかも。「見えざる奥は存在し、しかも深いのだ」という感覚 (デプス) を抹殺し、「世界は浅くわかりやすいものにすぎない」と受け手の感度を固めてしまう方向に、科学や学問を提示するその作法。

アンカー【科学を見せまショー】


 加えて、「世界一受けたい授業」にハマっている人には、科学や学問の面白さ=「ばっちり見せまショー!!」みたいなプレゼンの面白さだ、と思い込んでしまっている人がいる気配。

 それとは質の異なる面白さ、知の醍醐味、センスオブワンダーに突き動かされて科学をやっている人たちがいるんだよという、こう、なんというか、いや、ひとそれぞれに「面白さのツボ」は違っていていいんだよ、個人の資質はそれぞれだからね。数学の好き嫌い、英語の好き嫌い、歴史の好き嫌い、それぞれあるよね。でも、自分の側の面白さだけではない、「異文化における面白さの察知や尊重」ができる感覚が、乏しい場合はもったいないと思うんだが。

 客寄せにショーっぽくやってもいいとは思う。 コスプレも、やりたければ止めはしない。でも、「科学の醍醐味」を勘違いさせる方向に作用するだけに終わるようなことがあるんなら、これはちょっとまずいんではないかなと。
 ・・・いや、科学や学問を紹介する側がすでに、科学の醍醐味を感得できないまま「ショー化」に走っているのなら、ここでぼやいてみても、もうせんないことなのかもしれないけれど。

 「つまらない授業」をやれと言っているわけじゃないのです。「ショー化」しなくても「おもしろい授業」はある。それを「ショー化していない=つまらない」と感じる場合があったとしたら、その感性はやばいかもよと、そういうひっかかりが、ここしばらくたごまっているのでした。

追記:
 このエントリは、敏腕教師の面白い講義までをも「脱線もなくてつまらない」と評する感覚にギョッとして記したものです。(脱線、つまりまっとうな面白さではない面白さがないからだめだと判断された)
 「ショー化するな」ではありません。
 「ショー化によってショー化部分だけが学問との交流のエエトコだとみなされる」ケースに懸念を示しているわけで、誰もつまらない授業はつまらないままでいいとは言うとらんがな。
 実際、講演会では眠くてかなわん話者もいた。しかし眠気が吹き飛ぶ話者の話まで「つまらない」と言われてしまっては「その感覚はどうなのよ、どこ由来よ」。



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 『世界一受けたい授業〈vol.1〉』 日本テレビ放送網 (2004/12)
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→ショー化する科学コミュニケーション?  〜5号館のつぶやき【2007/10/15】
 いつも勉強させてもらっている[EP:end-point 科学に佇む心と身体 Pt.2]に気になる記事がありました。 科学の演芸化、科学の品格 このところ、ぼんやりひっかかっていることがある。 なんかさ、科学に「ショー」としての面白さを期待するのがアタリマエになっているよう

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