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日本自然災害学会:札幌フォーラム残り

カテゴリ[科学に佇む2007年] 2007/10/06
『日本自然災害学会:札幌オープンフォーラム』
●〜北海道2007年9月24日 「災害の教訓は活かされているか 北海道南西沖地震、有珠山2000年噴火後の減災システムを考える」

 → 2007/10 岡田弘氏の語りと有珠山ジオパーク構想
 → 2007/09 奥尻島の今と、安心ゆえの危険
 → 2007/10 札幌オープンフォーラムの前半

 以下は札幌オープンフォーラムの残り、後半。

〓雪〓

●Ю片田敏孝氏のお話、というか、北海道の津波鈍感さに対するダメ出し

 どさんこはなにをやっているんですか。
 津波警報が出ても全然避難できていないじゃありませんか。
 警報が出ても津波なんか来ないよと、住人がすっかり警報をナメている。

北海道の津波避難はダメダメです

 「警報が出ても津波なんか来やしない」。危機感なし。「オオカミ少年効果」がひどくなっている。

 去年2006年に北海道に出された津波警報に対する避難率は、なさけないことにわずか13.2%!
・オホーツクは27%
  津波警報慣れしていなくてうぶだった、少し避難率が多め。
  予想された津波の高さは2m
  防災システムなしの地域であり、ハザードマップもまだ。
  住民的には「どこへ逃げればいいのやら」状態。
・太平洋側 ひどいね、避難したのはたったの7%
  津波の予想は1mだった。
  防災のシステムはあるのだが、警報慣れしてしまっているこの状態では無意味になってしまうかも。

 で、2006年は結局たいした津波が来なかったので、次、2007年1月の津波警報では・・・
  全体の避難率は 13.2→6.6% ドンゾコ!
  オホーツク 27.1→10.1 すごい落ち込み!
  太平洋側 7.7→4.7 この上ない低さ!
 ますます言うことを聞かなくなってきている。

 現実的に北海道が津波において最も危険な地域。だのに全然逃げないこの現状はなんなのですか!

... 以下つづき...

〓〓〓 EP 〓〓〓

 この片田先生についてはウィキに独立項目がありますね。
 フォーラムでは「災害心理学の人」として紹介されていた。
日本の防災研究者
 リンク 片田敏孝 〜ウィキ

片田教授と桑沢研究員が「津波総合シナリオシミュレータを用いた津波防災の理解増進」で、平成19年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞を受賞。
 リンク 群馬大学工学部 社会環境デザイン工学科災害社会工学研究室 (都市工学研究室)


 片田氏は、こううまいこと持っていく。

毎回毎回津波が来なかった。「ああ、逃げなくて良かった」
そんなことを繰り返していたら、いつか最後の一回「逃げときゃ良かった」と後悔しながら死を迎えることになるんだぞ。
「逃げときゃ良かった」にならないためには、ふだんのリアクションを
  ×「逃げなくて良かった」  ではなく
  ○「津波が来なくて良かった」に変えないと!

 北海道には冬の問題もある。
 積雪時、凍結時、吹雪の最中、車でなんか逃げられない。移動先のパーキングの確保も難しい。おまけに津波に乗って「流氷が襲ってくる」!achar2
 まして、オホーツク側は防災体制がまだまだ整っていない状態だ。こんなお寒い現状で、「逃げない癖」がついてしまってどうするか。
自分を中心に考えると、震災の直後、自分を守るのは、自助の力
です。 自分ひとりでは対応できない状況になったとき、頼ることができるのは、共助です。
それは同時に、自分が可能ならば共助に参加する意識が前提となります。
 リンク 自助・共助・公助/渋谷区

 リンク 公助 共助 自助 こうじょ、きょうじょ、じじょ

 「災害過保護」に陥るな。
  「行政に裏切られた」
  「なぜ〜〜してくれなかった」
 それではダメなのだ。
 行動せねばならないのは住民自身。

 以上、片田氏による北海道叱咤(しった)でした。

追記:おりよくこのような記事が

2007/10 【日本語ブログ】NHK解説委員室ブログ
  スタジオパーク「正常化の偏見」がはばむ住民の避難
 危険かもしれないときにも、自分は大丈夫だ、危険ではないと思いたい心理的な働きがあるのです。これを、災害心理学などの専門家は「正常化の偏見」と 呼んでいます。
(1)一つは、専門用語や数字をなるべく使わないようにして、わかりやすい情報を出す必要があるということです。
(2)二つ目は、いざという時の情報は、複数の伝達手段で伝える必要があるということです。


〓雪〓

●Юプログラムの次は、国土交通省の人のお話( 石橋氏)。 ねむい!

〓雪〓

●Ю「シナリオに縛られる逆説」

 パネルディスカッションや質疑応答でだったかな、「シナリオに縛られる逆説」についての指摘もなされていた。
 災害を予想して、防災のシナリオを描くのはいいとして、そのシナリオに依存しすぎると、実際の災害をかわしきれない可能性が出てきてしまうことがある。
 予想に過ぎない「シナリオ」を過信してしまったら大丈夫ではなくなってしまう。自然を見つめて応用問題を解く力を養うべきだ。そういう強調。

 自然を見つめて応用が利く人間になる。
 となると、こちらの話も思い出すね。
 → 2007/09 『人間の自然認知特性とコモンズの悲劇〜進化心理学から環境教育』

〓〓〓 EP 〓〓〓

フォーラムに先立って、こんな報も流れていたらしい。

●NEWS2007/09/13 読売新聞  「地震と噴火、予知の研究計画一本化…文科省方針」

 質疑応答で、岡ちゃん火山先生が東海地震の予知に関して見解を述べていらっしゃったのが「ん?」だったけれど、「一本化」の流れが大きく来ている部分があったと考えればいいんだね。

〓〓〓 EP 〓〓〓

 火山災害といえば、ちょうど今月、火山の大災害を描いたベストセラー小説『死都日本』石黒耀著 の廉価版が出版されている。空前の規模、被災、噴火に伴う怪奇現象などなど、たいへんリアルに迫力な内容なので、有珠山や雲仙普賢岳の姿と合わせて、後学のためにも拝読お勧め。
 → 『 死都日本:破滅と古事記、猥雑なポンペイ 』

◆新刊◆新刊
 『死都日本』(講談社ノベルス 新書) 石黒 耀 (著)  講談社 (2007/10)
 『死都日本』 石黒 耀 (著) 講談社 (2002/09)

〓雪〓

以上、後半でした。

 → 2007/10 『日本自然災害学会:札幌オープンフォーラムの前半』
 → 2007/10 『岡田弘氏の語りと有珠山ジオパーク構想』
 → 2007/09 『奥尻島の今と、安心ゆえの危険』
 → 2007/10 『 有珠山2000年 西山火山の噴火 』


●・・・しかし、この有珠山・西山噴火がらみで検索している中、防災・地質・地学関係のサイトはやけに「Web1.0」というか、しょぼい前世紀風デザインが多いような印象を受けたのだけれど(2000年当時の水準?)、・・・もしかして発信意欲のある次世代が育っていないようなきらいがある?



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