[ EP: 科学に佇む心と身体 ]

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うなぎ怪人珍道中:アフリカにょろり旅

カテゴリ[科学に佇む2007年] 2007/09/15
 なんだあいつらは!
 東洋最強の腕相撲?! 中国人か!?
 げげっ! 腐った魚をこづき回しているぞ!
 ウナギに大金払うだのとホラ吹いてまわってるべや・・・
 アフリカの黒人もびっくり。

◆アフリカにょろり旅

 『アフリカにょろり旅』
 青山潤
 講談社 (2007/2/10)

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 いかんですよ。
 この本『アフリカにょろり旅』、表紙や挿画に静的でのどか&素朴なイラストレーターを起用しているけれど(この趣味は講談社の社風?)、そんなおしゃまにこじんまりしたもんじゃないですよ、中身は。

 世界中のウナギのDNAデータをコンプリートすべく、最後に残った幻のアフリカン・ウナギを求めて、どこで入手できるやも定かにあらず、「基本的に金かけない」方針でアフリカン・エスニックな大陸をはいずりまわってまいりました。
 マラリアの死の恐怖、ヒヒの急襲、安宿深夜には強盗紙一重の侵入者、炎天下でも絶対飲めない水、地元民とのとんちんかんな丁々発止、食堂のメニューは普通にえたいの知れない異様な食肉・・・
 もう頭ン中、こんな↓ガッチャガチャなイメージが飛び交いまくりですよ。
 描画所要時間2時間 
これは『アフリカにょろり旅』収録の挿画ではなく、
EPの中の人が昨日こさえたイメージイラストです。

【画像が表示されない場合は】


 アフリカン弥次喜多道中というか、うなぎ版インディジョーンズもどきというか、えらいできすぎの、青年よ大志を抱いて体当たり、未知の異文化異世界を果敢に右往左往したその行程はなんと4000km! しまいには機能性胃腸不全(?)で精根尽き果て「学会」最中に里帰り。
 学会です。
 主人公はウナギの科学者さん。ウナギであるがゆえに、これ「にょろり」旅。

 『アフリカにょろり旅』は、著者の「行動派学者」青山潤さんが、7年前の若さブイブイの頃にアフリカで経験した冒険を・・・いや、「行動派の学者」というよりは、青山潤氏に関しては、学問がどうの以前にもともと冒険家の地がフツフツしているタイプの人であって、「行動派」の人がたまたま学者世界で仕事を始めてしまった、と考えるほうがスジが通るかも。学者になる前に、青山潤氏は南アメリカのボリビアで2年間、青年海外協力隊員すませてきていたりするし。

 さても天はこの「行動家」おじさんに「追求の才:学者」と「伝達の才:文才」、こう二物も三物も与えてしまっているらしい。
 文章うまいです。エッセイだけで食っていけそうです。文才で賞ももらってます。

... 以下つづき...

〓〓〓 EP 〓〓〓

 当該書『アフリカにょろり旅』は、第23回講談社エッセイ賞を受賞しています。
 作家としての水準を軽くクリアなさってしまっている。

 著者・青山潤氏、ご本人の風貌はこちら。映りはお行儀良さげ。
 リンク 2006/08 @nifty:デイリーポータルZ:うなぎを待ちながら
 海洋調査の写真もございます。

 こっちの青山潤氏ご近影は思いきり「マッド・サイエンティスト」風!ase
 リンク ウナギ抱えた拡大写真だ!
そうかぁ、こんな人だからこそアフリカで、と妙に納得してしまえたりする。
 リンク 2007年3月 本よみうり堂 幻のウナギ追う冒険

 で、「エッセイ」に分類されるこの旅日記『アフリカにょろり旅』、話はリアルタイム風に綴られているけれど、実際は著者・青山潤氏は_7年前_の冒険を回想して記述なさっているわけで。この大胆不敵に剛胆な著者さんが、当時ちまちま日記で現場の記録を残していたと想像するには妙に抵抗があったりするんで(実際、旅の最後の末期症状期あたりは「よく覚えていない」と記している)、おそらくマジに大半は「思い出して」書いたのではないかと思われ。(もしくは酒の席で繰り返し語っていた武勇伝が下敷きだとか?)
 つまり、書き下ろし用に再構成がほどこされているとみなしたい。うまいこと再構成がなされて、デフォルメされ整合性もはかられているからこそ、面白いし、抱腹絶倒だし、感動もできるこってりした作品に仕上がった。
 ホームメードの旅日記。

◆左表紙
 『講座世界の先住民族 10 失われる文化・失われるアイデンティティ』 ファースト・ピープルズの現在  綾部恒雄 (編さん)  明石書店 (2007/02)
桑山敬己「ネイティヴの人類学」p.373

ギアーツが民族誌を「ホームメード」と呼んだのは、異文化を書くという行為がフィールドではなく、ホームに戻ってから書斎で行なわれるからである。


◆アフリカにょろり旅
 当該書『アフリカにょろり旅』の装丁と挿画は、残念だと思います。
 絵のイメージが、本書の内容のダイナミックさを抑える方向に作用してないか。

 ビジュアルについては、『アフリカにょろり旅』には現地の写真が一枚も収録されていないことも、たいへん残念で。光景が欲しかった。日差しの強い、リアルな現地の風景が。


2006年店頭のウナギ


 この本『アフリカにょろり旅』は、マンガに起こすともっとヒットするかもしれませんね。
 青年誌向けに、若人サラリーマン向けのあおくさ旅日記みたいな主旨で。感触としては講談社系より、小学館系のほうが色が合っているような気がする。スピリッツ?
 三流紙によくあるような、サラリーマンマンガ系のあこぎな劇画タッチでも、それなりにイケるかもしれない。

 ウナギよろしく炭火にパタパタパタと団扇であおって仕上げれば、まだまだ味も香りも引き出せる『アフリカにょろり旅』ではないかと想像ふくらませ。

〓〓〓 EP 〓〓〓

アンカー【青山潤インタビュー】

追記:にょろり先生のしゃべりをポッドキャストで聞くことができます。
 まーよくしゃべる。
 【podcast 音声】科学なポッドキャスト
日本語ウナギに魅せられて 【MP3ファイル】
サイエンス・サイトーク 2007年10月01日


へぇボタン:へぇ〜 と押してみるもよし


当該書の感想があるサイト:
2007/09  出版と言っても編集だけではない日記
2007/09  一羊俳句道場
2007/09  青龍ぶんか村
2007/09  はっぴぃさんをみつける旅




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