
『99%は遺伝子でわかる! 人生はどこまでプログラム済みか』
ティム・スペクター (著)
大和書房 (2007/08)
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<英ロンドン大学セント・トーマス病院双子児研究所の所長が、1万組の双子研究から解き明かす遺伝と環境のナゾ>
7月の山元著『行動はどこまで遺伝するか 遺伝子・脳・生命の探求』は、ヒトに関してはたいへんしょぼしょぼな内容で(山元氏はヒトではなくショウジョウバエの行動遺伝研究)倫理問題不在、萎えてしまったのだけれど、こちらのスペクター本はまぎれもなく対象が人間だよね。
初心者にも読みやすい軽い一品になっているとのこと。
ただし内容は4年前。最新の数年間の情報・動向は望めない。

原書はこれだ
『Your Genes Unzipped: A Guide to How Your Genetic Inheritance Can Shape Your Life』
●あなたの遺伝子ご開帳:受け継いだ遺伝形質が人生をどう左右するのかガイド
Tim Spector ティム・スペクター
Robson Books Ltd (2003/11/3)
邦題「99%は遺伝子でわかる!」とはだいぶ違うやん。
フカシた邦訳タイトルは出版者側の一存なのか、なんなのか。どこから99%という表現が許容範囲に入ってきたのか。
... 以下つづき...

地元イギリスではおおむね好評。
ティム・スペクター ご本人のサイト、ご近影あり
ティム・スペクター 英ロンドン大学キングズ・カレッジ遺伝疫学教授
著者ティム・スペクターが参加しているイギリスの双子研究拠点
ポッドキャストで著者のしゃべりを聞くことができる

ティム・スペクターによる研究は、日本でも過去報道されている。
2006/10 【日本語記事】日経 薬指の長い女性は運動能力が高い
http://health.nikkei.co.jp/hsn/hl.cfm?i=20061005hk001hk
2006/09 EurekAlert Finger length ratio may predict women's sporting prowess
指長さ比率は、女性のスポーツの才能を予測するかもしれない
指比率との関連は、ランニング、サッカーとテニスで最も高かった。
あらゆるスポーツでの最高成績は、第二第4の低指比率に強く関係があった。
ランニング能力は、特に低比率(男性パターン)と結びつけられた。
〜ティム・スペクター
双子研究の責任者ティム・スペクターは、環境条件が人の遺伝子を変えるのではないかと推測している。
2006/05 同じDNAなのに、違うアレルギーを持つ一卵性双生児 ナショナル・ジオグラフィック
経営者の適正を担う遺伝タイプがありそうだ
2006/06 BBC News Genes key to entrepreneurs' drive
よそからの研究報告に対して、ティム・スペクターからのコメントあり
2005年08月 不感症、冷感症の原因の半分は遺伝 〜ティム・スペクター
肥満は老化を加速さす? 〜ティム・スペクター
2005/06 New Scientist Obesity may accelerate the ageing process
2005/06 BBC News Smoking and obesity 'age people'
2005/06 JAPAN JOURNALS LTD. 「肥満」と「喫煙」は10年老化を早める
2005/06 news@nature.com Cigarettes age your DNA
Smoking and obesity are linked to age-related chromosome damage
浮気をするのも遺伝子のせい 行動遺伝・双生児調査
〜ティム・スペクター
2004/06 BBC News Genes may be to blame for infidelity
2004/06 JAPAN JOURNALS LTD. 英国人女性の4分の1は「不誠実」 浮気の原因は遺伝子!?
2001/03 【日本語記事】Science日本版 ヒトのリズム感(音楽的ピッチ認識能)の遺伝的相関 Genetic Correlates of Musical Pitch Recognition in Humans
双生児比較の結果、音楽的ピッチ認識の差(音痴の度合い)は主に遺伝的差による
〜Dennis Drayna, Ani Manichaikul, Marlies de Lange, Harold Snieder, and Tim Spector

【遺伝子監視社会】
これにしろ、 サトシ・カナザワにしろ、英米を比較した場合、どちらかというと信仰原理主義がひどいアメリカよりは、遺伝子解析バンザイのイギリスのほうが、ヒト行動遺伝の研究はやりやすいんだろうな。
イギリスは国民すべてのDNA情報を蓄積しようという方向に進んでいるし、こんな記事が流れることさえ許されるような論調だし。
なぜ遺伝子診断の結果を隠すのか
2007/06 BBC News Expert backs gene test disclosure
遺伝子診断の結果は、保険企業が利用できなければならない
すでに開示されている他の医療のデータと、重い病気の遺伝子テストの結果は、どこが違うというのか
観光客も何もかも、すべての人間を、イギリスの遺伝子データベースに登録せよ
2007/09 BBC News All UK 'must be on DNA database'
The whole population and every UK visitor should be added to the national DNA database
テロに対するおびえを利用して、どんどん「登録・監視」が当然だとする流れが強まってきている気配。

監視社会と言えばまずこのカリカチュア。
『1984年』
ジョージ・オーウェル (著) 早川文庫
昔に比べたら、これを読んだことがある人はずいぶん少なくなっているんだろうな。
でも、「ビッグ・ブラザーは見ている」の絵を見せられてそれが何かをわかる日本人は少ないだろうけれど、イギリス人はビッグブラザーの絵はけっこう見慣れているはず。ビッグブラザーの世界とはどのようなものかを踏まえたその上で、敢えて監視社会に安全を求めているような。

デビッド・ボウイのこれが頭の中でループ
♪ナインティーン・エイティフォー♪

後日、ティム・スペクターのこの本を読んだ感想を書きました。
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![[ EP: 科学に佇む心と身体 ]](http://homepage1.nifty.com/NewSphere/transparent.gif)







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