[ EP: 科学に佇む心と身体 ]

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科学者のための法律相談、承り本

カテゴリ[科学に佇む2007年] 2007/07/26
◆左表紙

 『科学者のための法律相談 知っておいて損はない25の解決法』
 京都第一法律事務所
 化学同人 (2007/4/2)

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 研究現場で、科学者として、教育職として、万が一何かがあったときに関わってくるこの世の法律はどんなものか、どんな罰が来て、どんな対処をするべきなのか。
 軽く、簡潔に、法的に考える上での要点が種々列挙されていて、「自分がやっていることはどんなことになってしまいうるのか」、ふと客観的におさらいをするのに、便利。

 流れは軽く、簡潔に、さらっと、なので、ケースワークや防ぎ方もさらっと。
 当事者個々の判断やモチベーションやリアクションなどをあばきたて、人間ドラマで事例を膨らませて読者を引き込むような面白エンタメ物語要素は、期待しないでください。

1章 論文で発表したデータが捏造であることが発覚した!
  研究人生を断たれる以上にどんな罪に問われる?
●右画2006/12 【日本語記事】中央日報@韓国 東京大、論文ねつ造容疑の教授を解雇

2006/11 朝日新聞 論文不正、研究費返還請求が可能に 8府省が指針改定

2006/03 読売新聞 研究のねつ造・改ざん防げ、東大が不正防止規定を作成

2006/01 読売新聞 理研、論文ねつ造など研究不正に防止策…懲戒解雇も

ウソ論文はめったにない、けど見破るのは至難
2006/01 Washington Post Deception by Researchers Relatively Rare

2章 科研費の不正流用が発覚した!
  不正みたいなことをせざるをえない制度だったこともある
2006/04 読売新聞 科研費「繰り越し」緩和、研究への柔軟配分認める

2005/11 【日本語記事】JAN JAN 突然の1億円〜研究現場における高額な機器購入に対する疑問

3章 教授が倫理規定に反した行動をした!
  そもどんな「倫理規定」があるのか把握できていたっけ?
2007/02 EurekAlert Scientists should adopt codes of ethics, scientist-bioethicist says
科学者は、倫理の規約を採用しなければならない 時は熟している

4章 研究員が無断でデータをもちだした!
  無断で持ち出してはいけないデータの範囲は周知できている?
2006/04 読売新聞 “遺伝子スパイ事件”で訴追手続き1年間保留

5章 無断でクローン胚をつくってしまった!
  できてしまったものはどこに届け出てどう処分すればいい?

... 以下つづき...

〓〓〓 EP 〓〓〓

6章 研究論文を他人に盗用され雑誌に掲載された!
  著作権法、自分は踏まえていても他人に侵害されたらどうします
お、この言い回しは使えるぞ!
え?このくだりは昔自分が書いたものではなかったか?
 語り口のうまい他人の論文のスタイルを盗む科学者たち 〜David Williams of the journal Biomaterials
2007/04 New Scientist Scientists steal turns of phrase from other papers
 そういう「盗人行為」をおこなうやつは、たいがい英語が第二言語である文化圏の人間なんだけどね
 特に中国がやりほうだいっぽい

7章 教授のアカデミック・ハラスメントが発覚した…
  上に立つ立場が下に及ぼす力を、罪に問われるような形でふるっていませんか
2006/09 毎日新聞 女性研究者:昇進で差別 博士号3割、教授15%
 全米科学アカデミーが改善勧告

8章 学内でセクシャル・ハラスメントが発覚した…
  さてこれは穏便にかばうべきか、オオゴトに広げるべきか
2006/04 読売新聞 北大教授のセクハラ、自主退職で処分できず

9章 インターンシップの学生が企業秘密を漏洩した…
  守秘義務、という基本中の基本をわかってもらえてない可能性にどう対処する
10章 大学と企業の共同研究に携わっていた学生が他企業へ就職してしまった!
  万が一に備えて、契約書はすべからくがっちり交わしていますか?
11章 学生の論文発表を禁止したら…
  どこまで意志疎通の気配りしておけばいいものやら
12章 特許権を侵害している事実が発覚した!
  もう弁護士に泣きつくしかないんでしょうか、手遅れでしょうか
13章 ファイル交換ソフトを開発したら…
  ああ、Winny事件ですねぇ… 恐ろしいですねぇ…
2006/09 読売新聞 理研遺伝子情報流出、NTTデータ社員のウィニー通じ

14章 職務発明の見返りが少なすぎる!
  ああ、青色発光ダイオード裁判とかの件ですね…
15章 パソコンソフトの不正コピーが発覚…
  こういう超基本点までいまさらに改めて確認せねばならないとは…
16章 学生が危険物質を無断で合成してしまった!
  上に立つ立場であると、いろんなオイタの尻拭いをせねばなりません
17章 学生が薬品を不正に販売したら…
  いろんなご家庭のお子さんたちが、何をしでかしてくれるか気を抜けません
18章 学生実験中に事故が起きた…
  もちろん悪気がなくても、不測の事態が発生してしまいます
19章 学生が学内施設を不法占拠した!
  いまどきこんなことやる? ものすごくノスタルジックな響き
20章 大学の敷地内に有害廃棄物を不法投棄された!
  犯人がわからない場合、誰が諸経費を負担することになるのやら
21章 動物愛護団体から動物虐待で訴えられた!
  虐待せずとも、管理がずさんだったり実験動物が逃げる事故とかも発生したり…
●右画2007/05 朝日新聞 申請せず遺伝子組み換え生物使用 広島大などに厳重注意
 千葉県がんセンター、シゲタ動物薬品工業の3機関

同性愛擁護者だの動物愛護団体だの市民運動家だのが寄ってたかってもうわやだ
2007/01 New York Times Of Gay Sheep, Modern Science and the Perils of Bad Publicity
同性愛の羊、現代の科学と悪い広告の危険
 Charles Roselliは「8%の羊がゲイになるのはなぜか」を解明しはじめた
 そこにニュースメディアやブロガーたちが飛びついて炎上

2006/09 読売新聞 遺伝子組み換えマウスへの不適切対応、文科省が注意
 適切表示せずマウス飼育、逃亡防止設備も設置せず@産業技術総合研究所
 遺伝子組み換えエイズウイルスをテキトーに作成@琉球大学
2006/09 【日本語サイト】産業技術総合研究所 遺伝子組み換え生物等の使用等についての文部科学省からの厳重注意について

22章 労働安全衛生法に適合しない設備で実験をした…
  従事する側、従事させる側、この法律の内容はご存じでしたか?
23章 化学反応による異臭で住民が避難…
  やっちゃいましたね〜 こりゃどう始末すればいいんでしょうね
24章 研究室から危険なウイルスが外部に漏れた!
  どこに通報して責任は誰が取って賠償はどこからされて…
25章 大学の内部データ漏洩が発覚…
  それと、個人情報保護法の中身は把握してましたっけ?

2007/07 【日本語記事】ワイアードビジョン バイオ研究施設で続く、深刻な事故

●右画科学と法律 その考察特集
2007/07 EurekAlert Isis -- open-access focus section about Science and Law

2007/05 朝日新聞 「失敗恐れないで」ハイリスク研究に補助金 文科省検討

2006/08 読売新聞  研究者の不正行為、全国55大学で…学術会議が調査
 大学の場合、1996年以降不正発覚は49件、うち最多は研究費の不正使用、次点に論文盗用
 学会の場合、論文の多重投稿が最多で、盗用がそれに続く

2006/04 共同通信 科学者は自律的行動を 不正防止で学術会議が規範

研究上の熾烈な競争が科学の不祥事を引き起こす
2006/04 EurekAlert Americans love competition, but is it pushing our scientists too far?

2006/01 読売新聞 科学上の不正防止、OECDが国際ルール提言へ

科学の進展スピードと脅威 幹細胞スキャンダル、顔面移植…
2005/12 International Herald Tribune News Analysis: How rapid should the march of science be?
幹細胞スキャンダルと顔面臓器移植  科学者のフライング問題
 「救いたいから」という動機はわからないでもないが、業績に名声と金が伴う限り、タテマエ以上のものかどうかは測りがたい。
2005/1224 New York Times Under a Microscope: High-Profile Cases Bring New Scrutiny to Science's Superstars

なんでこんな不正が科学の名のもとに行われうるのか
 何が科学者にズルをさせるのか
2005/12 The Christian Science Monitor Laboratory ethics: What makes some scientists cheat?
 Questionable stem-cell research in a South Korea case may be the latest in a series of ethical lapses in 2005.

  (ほか、科学ヲチの過去記事は→ 『 科学と社会のニュース集 』 に溜めてあります)

 当該書、巻末には
  ・知っておきたい法律用語
  ・研究関係法律の原文
なども親切に収録。いまどきの不穏な気配にとまどいを感じている教授・研究職さんには、手軽で良い処世術入門マニュアルになるかと。
 研究室や事務所の片隅に、「お守り」として飾っておくと吉。haai


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◆科学の社会化シンドローム◆完璧!と言われる科学論文◆左表うまい!と言われる科学論文紙
●本ミニ 『科学の社会化シンドローム』  石黒 武彦 岩波書店 (2007/05)
●本ミニ 『完璧!と言われる科学論文の書き方  筋道の通ったよみやすい文章作成のコツ』 John Kirkman 丸善 (2007/4/26)
●本ミニ 『うまい!と言われる科学論文の書き方 ジャーナルに受理される論文作成のコツ』 Bj¨orn Gustavii  丸善 (2005/03)

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