[ EP: 科学に佇む心と身体 ]

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女の反社会的行動と生理「月経と犯罪」言説

カテゴリ[科学に佇む2007年] 2007/07/04
◆左表紙

 『月経と犯罪  女性犯罪論の真偽を問う』
 田中ひかる(著)  批評社 (March 2006)

 [ Amazon ] [bk1]



 [ Amazon ]「BOOK」データベース 1974年に起きた甲山事件 ― 警察は、事件関係者の女性全員に月経日を申告させ、無実の女性を逮捕する根拠とした。それから30年。今も犯罪学のテキストには、月経と殺人、放火、万引きとのかかわりが説かれている。月経は本当に犯罪の引き金となるのだろうか? 神近市子によるアナーキスト大杉栄刺傷事件、女優松井須磨子の自殺など大正時代の事例から、ロンブローゾ以来の“女性犯罪論”、最新の“医学的根拠”までを徹底検証し、“犯罪における月経要因説”の信憑性に迫る。

 よく過去の事例・資料を集めてある。
 個々の事件はともかく、月経主題としては何か助けになるような先達による先行研究があったのかな?
 (この主題に関して日本の過去各種事例を束ねた論考を見たことがなかったもので、不備や恣意性があろうとも、とりあえず感心)
 フェミ系の人には面白く読んでいただけるかと。

 残念なのは、肝心の、この「月経-女性犯罪言説」の_現在_はどうなのかが、見えない。
 今のフィールドワークがない。
 今も普通に、女が取り乱すと、女が捕まると「メンスなのか」と開口一番やられてるというのに。
 現場ではそれは「やっちゃいけないことだけれども、そう持っていくと簡単なのでつい」なのか、「まず月経を尋ねるのがお約束」で通っているのか、分野(警察、警備、学校、自衛隊…)や地方(例えば九州と北海道では大差があるし)の違いも含めて、事例を拾い集めて並べ直すと面白い絵が描けると思ったりする。

 古今の日本における「動機の解釈」変遷といえば、この本も思い出すところ。
 併読おすすめ。
 ●本ミニ 『児童虐待と動物虐待』 三島亜紀子著 青弓社 (2005/06)
 昔の児童虐待観、虐待という意味のスライド、そして動物虐待といつの間にかクロスする犯罪の意味。

●●●小玉250●●●

●右画
 犯行をおかしたものは、共有し得ない不条理を抱えていたからこそ、その不条理を明確に言葉にしきれないからこそ、そこにいる、であったりするわけで、不条理を語れるならそもそも苦労はしないよ、めいた部分があったりする。
 犯人を捕らえた側は「なぜ」を当然求めてくるわけなのだけれども、その「なぜ」に応えるには、実際問題本当のことを無理馬鹿正直に語るよりは、「なぜ」と問うた側が「解釈しやすい」物語に迎合し、便乗するほうがはるかに心的に楽だったりする。
 「生理だったからむしゃくしゃしたんだろ」「はい」
 不利とかなんとかじゃない、不利でもいい、相手の話に乗るほうがラクなんだから、みたいな。
 → 『 人間いちど逮捕されてみるといい:自閉症裁判 』
 男でやられがちな「溜まっていたんだろ」を、もっと隠微に偏向圧力にしたかんじ?

 そういう、取り調べ側の物語に合わせがちになってしまう部分を、「まいっか」ではなく「まっこう攻めます、逃げません、しんどいけれど不条理話が真実です」と逆らい立つのが、先日挙げた
 → 『「山口母子殺害事件」の物語変換プロジェクト』
の弁護団側の理屈だったのかな、などと思いつつ。

 以下、「月経-女性犯罪言説」に関係する海外の過去記事を。

... 以下つづき...

〓〓〓 EP 〓〓〓

●月経前症候群(PMS)って何。

 ●ネット あなたもPMS?PMSチェックしてみましょう  頭痛生理痛・ノーシンピュア
 ●ネット 月経の悩みを解決!PMS(月経前症候群) 花王 ロリエ

cover
The Pmdd Phenomenon: Breakthrough Treatments for Premenstrual Dysphoric Disorder (Pmdd) and Extreme Premenstrual Syndrome (Pms)

●Pmdd現象
 Premenstrual Dysphoric Disorder(Pmdd)と極端な月経前症候群の進展治療
 Diana Dell (著), Carol Svec (著)
 (2002/10) ペーパーバック McGraw-Hill
書籍情報と書評:アマゾン     .


●月経のサイクルによって女性の気分が左右されるというのは、否定できない。
 性ホルモンの増減が、脳の各部位の活動に作用してしまう。

月経周期と女性の脳
2007/02 EurekAlert The influence of the menstrual cycle on the female brain

女、毎月特定の期間に怪我しやすくなる
2007/02 BBC News Menstrual cycle injury risk link

脳の報酬回路活動は、女性ホルモン周期で増減する
2007/02 EurekAlert Brain's reward circuit activity ebbs and flows with a woman's hormonal cycle

月経前症候群の脳
2005/09 ScienCentral PMS Brain


●でも「メンスのときに危ない性格になる」というのはガセ。
 どっちかというと、排卵のときのほうが(貞操が)危ないっぽいのだった。

彼女の危険日はいつ?
 基礎体温なんかより、「着飾り具合」やおしゃれにかける時間の長さでわかります
2006/10 EurekAlert Forget basal body temperature -- check out her clothes

排卵期に男をめぐっていがみ合いを起こしやすくなる女たち
2004/02 Nature Science Update: Caustic comments get girls a date
2004/02 New Scientist Fertile women rate other women as uglier
2004/02 【日本語記事】中央日報@韓国 「排卵期の女性は攻撃的」


●月経前症候群、個人差がたいへん大きいけれど、こんな意味合いの差もあるのだそうな。

月経前症候群に悩まされない女性、感情コントロール機能が長けている
2005/10 New Scientist Brain‘buffer’ may control premenstrual moods


●月経前症候群対策あれこれ

 ●ネット PMSケア 食生活 [eSampo]health care
 ●ネット 頭痛生理痛・ノーシンピュア・PMSらくらくのりきりセルフケア

●右画
ひかえめに抗鬱薬を呑んでおくと月経前症候群対策になるかも
2006/10 EurekAlert Low doses of anti-depressant may help some women suffering from moderate-to-severe PMS

月経前症候群をコントロールする
2006/02 ScienCentral  PMS Control

月経前症候群、カルシウムを充分摂れば軽くなるかも
 ビタミンDもお忘れなく
2005/06 New Scientist Calcium-rich diets may prevent PMS
2005/06 EurekAlert Diets rich in calcium and vitamin D may decrease risk of PMS
2005/06 BBC News Right diet 'could help stop PMS'

月経前症候群を経口避妊薬でコントロールする
2005/08 EurekAlert Oral contraceptive effective in controlling premenstrual disorder
避妊用ピルで月経前症候群を制御する
2003/02 EurekAlert! Birth control pill may provide relief for PMS
 Newly published data adds to growing evidence

月経前症候群を軽減する飲料
2002/06 BBC News Carbohydrate drink 'cure' for PMS
2002/06 Psychiatric Times
June 2002 Vol. XIX Issue 6  Premenstrual Dysphoric Disorder

月経前症候群用に鼻孔にスプレーするお薬がいいかも
2001/07 BBC News Nasal spray for PMS
2001/07 New Scientist Pheromones can banish premenstrual syndrome

月経前症候群を和らげてくれる成分 果物から抽出
2001/01  BBC NEWS Fruit extract helps beat period blues


 う〜ん、「月経-女性犯罪言説」に関係する海外の過去記事を挙げるつもりが、自分の2000年以降の守備範囲では、月経と犯罪を直結させるような研究や論文は見あたらない。
 もう科学的には全然「月経-女性犯罪」なんて視点はございません、否定をするしない以前の話です、か。

 ●ネット 女性のメンタルヘルス(2) 長楽鉄乃祐
 かってはこの時期に万引きなどを犯しやすいといわれていましたが、実際はそんなに多いものではありません。


 巷説(科学的正確さをよっこした世間の考え)が「月経-女性犯罪」をどう扱っているかは、また別の話。

 月経に関するほかの過去記事 → 情報庫 月経・更年期+ホルモン療法

追記:
2007/07 【日本語記事】毎日新聞 PMS:毎月の頭痛、不安感…月経前症候群では?
 女性が生涯に経験する月経の回数は石器時代が50回、米国の開拓時代には150回程度だったと推定されているが、現代は450回以上。
 初潮の低年齢化や少産化などで大幅に増えている。

premenstrual dysphoric disorder, or PMDD 月経前症候群
2007/07 EurekAlert Study finds hereditary link to premenstrual depression
月経前の気分の落ち込みも遺伝子しだい
 特定の遺伝学的なバリエーションでは、月経前にひどいうつになるリスクが高めっぽい


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