[ EP: 科学に佇む心と身体 ]

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看護の禁句・看護の名句:実践者のバイブル

カテゴリ[科学に佇む2007年] 2007/05/27
 よくもこれだけたくさんのシチュエーション想定をそろえた。
 数多くの、現場の協力者あってこそ編まれた導きの言葉たち。

◆左表紙

 『知っているときっと役に立つ看護の禁句・看護の名句』
 増田樹郎  黎明書房 (2006/08)
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 全国の、看護の現場にたずさわる人々に声をかけ、これまでに彼らの心に刺さりわだかまったさまざまな人間模様の実例を、140件以上も聞かせてもらうことができた。
 それらの実例をもとに、それぞれの場合どうすれば良かったのか、「どんな声をかけてあげれば、看護側と患者さん双方の心が救われただろうか」実際の解決方法を示して、示して、示しまくったその数104例。
 難しいことではない、ほんの少しの配慮の工夫、気持ちをやわらげ心を引き出すその声のかけ方を、実例・現場に即して「このように言ってみてはどうでしょう」、と示してくれる。

 看護、介護、お見舞い…
 ああ、あのときは、こう言ってみれば良かったのか!
 ああ、こう声をかけてもらえれば、もしかしたら自分の気持ちは救われていたのか!

... 以下つづき...

〓〓〓 EP 〓〓〓

●右画

 104例の心の指南はこう展開する。

★こういうシチュエーションのとき、こんな受け答えをしてしまい、心に苦しいわだかまりを残してしまいました
★このように言ってみてはどうでしょう:提案
★状況のとらえ方、お互いの心の動き、心構えなどの解説
★看護上の留意点

 これが見開きで一項目。
 読みやすい。



例えば… アンカー【p.25】
●患者さんからいちいち気にさわる言葉が投げつけられる、耐えられない。
 「私がイヤならどうぞ看護師を変更してください」
そんな場合、このように言ってみてはどうでしょう:
 「私はEさんのお力になれるように最善を尽くしています。でも、Eさんの心ない言葉で私は傷ついています。よい関係をつくるために、Eさんの言葉づかいを変えてくださいませんか。」
*看護上の留意点
 「利用者本位」とは、すべてが対象者優位という意味ではありません。お互いの人間関係は対等であるというべースがあってこそ、「利用者本位」が活かされるのです。一人ひとりの相手と真剣に向かい合う姿勢こそプロの資質と言えるのでしょう。たとえば感情転移はいつでも陽性(好意)とは限らず、陰性(悪意)として表現されることもあるのです。転移に対して理解的態度で率直に向かい合うことも不可欠なのです。


例えば… アンカー【p.52】
●障害を持つ親御さんの苦労話に感激して
 「わが子が障害児で生まれてたいへんでしたね」と声をかけたら
母親は「ふつうの子育てとどこが違うのでしょうか」と泣き出してしまいました。そして「今まで誰にも頼らないでやってきました。これからもがんばってこの子を育てていきますよ」と言われました。

そんな場合、このような声かけであれば救われたのではないでしょうか:
 「今までよくがんぱってこられましたね。誰でも子育てには苦労がありますよね。お手伝いができるときはいつでも相談してくださいね。」
 若い保健師にとって、障害のある子どもの親の心情を理解することは容易ではありません。ましてやその支援などが簡単にできるはずもありません。保健師としてではなく、一人の人間として、母親としての生き方、わが子への愛情、家族の状況に触れて、感激したままで「素顔」の自分を表現しています。
 しかし、どんな場合でも、母親はわが子を「障害児」として育てたいわけではなく、「ふつうの子ども」として育てている(育てたいと思っている)のです。「障害児はたいへんだ」という先入観は、ややもすると親に対する「同情」となり、子育てに悩むふつうの母親への「共感」とはなりません。


例えば… アンカー【p.56】
●手術に恐怖を訴えしり込みする患者に
 「みんなのためにもがんばらないといけません。もう後戻りはできないのよ」と言葉を投げたら、返ってきた患者さんの言葉は「今までの罰が来たのか。生き返れたら心を入れ替えようか」。
そうではなく、このように言ってみてはどうでしょう:
 「どんな場合も手術の前は不安でいっぱいですよね。辛いとき、悲しいときは一人でがんばらないでくださいね。私たちがいつも一緒にいますので、どうか気持ちを楽にして臨んでください。」
 たとえば、病気のために患者が失意の底にあるとき、ベッドサイドに立つ看護師はどのようにして彼の希望を取り戻すことができるでしょうか。患者の傍らにわずか数分でも看護師が座り、(患者にとって)個人的な対話ができるならば、それは薬に依らない心理的効果という意味での「プラシーボ(偽薬)効果」と呼ぶことが許されるかもしれません。患者の内なる物語は、ときに空想や夢であっても、それを「語る」ことのできる対話者が得られるならば、それこそ治療を信頼し、希望をもつことにつながるからです。

 カウンセリングの知恵、心理学の知見、医療人類学の視点を踏まえた実践例が104件。
 よりそう、提案、いっしょに考えてみましょう。
 熟達者の知恵が、救いの手を差し伸べてくれる。
 解決の手がかりがあると、双方が救われる。

 すぐには完璧に”互いの心の動き”を把握習得できなくても、毎日一項目、順々に心に染ませていけば、看護のみならず、人間関係のさまざまな場面でたいへん配慮の行き届いた言動ができるようになりそうだ。
 指南の数々を、お経のように唱えていたい。
 救う力、これはバイブルかも。
 単語帳のように暗記していくと、より早く使えるようになるかな?

 患者さん側的には、この本を持って入院するのもいいかもしれない。自己防衛にも、現場の改善にもなる。goo

●●●小玉7●●●

ほか、医療と心のカウンセリングにからむお話
  → 『心の男女差、病の告知(物語のインポート)』
p52 )障害児の親御さんの気持ちについては
  → 『遺伝相談と心理臨床:DNAの病気と心のおとしまえ』
  → 『遺伝医療とこころのケア:先駆者の声』
p57 )プラシーボ効果については
  → 『物語というプラシーボと人生』

医療現場のメンタルヘルス・リテラシーを向上させようよというお話
  → 『入院患者の自殺とメンタルヘルスリテラシー』




メタル
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