ここに見える階段(単管たんかん:金属パイプで仮設されている)は、下から続いているのではなく、崖の上から中腹までの、降りる形で設置されています。
仮設階段や足場は、登山素人の仮設作業員さんが、すっぴんの崖に命がけで取り付けてくれたもの。発破は発破屋さんの担当、仮設足場は仮設担当の業者さんがこしらえます。
ぽつぽつ見える赤い人影が、真っ赤なツナギを着た発破作業員。
登り口は、はるか山の反対側。(おそらく
作業をするには、毎朝はるばる山をひとつ登り越え、この崖の中腹まで降りて(降りてと言ってもまだ下から40m以上もの高さがある場所)、ダイナマイトを仕掛ける穴をダダダダダと掘り、ダイナマイトを結線(けっせん:導火線をつなぐ)して、山の上に退避して、爆破する。
命がけ。職人の現場です。
素人入山禁止の聖域ここにあり。
上は、かつてウェブに置いていた『北海道見て歩記』シリーズからの復刻+α。
写真に見える赤いつなぎの発破作業チームは、
「1996年2月10日、犠牲者20名を出した
豊浜トンネル岩盤崩落事故(積丹半島・国道229号線)」
の際に、命を賭して巨大岩盤の爆破作業に当たったあの会社の作業員。(のはず)
豊浜トンネルの、とほうもなく大きな崩落岩盤に、けしつぶのようにとりついて、独り発破を仕込む穴を開けていた、あの前代未聞の全国生中継映像は、いまだに畏怖と恐怖を伴って目の奥に突き刺さっている。
... 以下つづき...

豊浜トンネル岩盤崩落事故 「崩落した岩盤の大きさは、高さ約70m、幅約50m、総体積約11000立方メートル、重さ2万7000トン」
崩落岩盤の立体画像があります。
北海道における最近の二つの岩盤崩落について 〜山岸宏光左右画像を、右目と左目の視線をクロスさせて目を凝らすと、巨大な岩盤が手前にぐぐいと立ち上がって見えてきます。地質関係ではこの手の立体写真はたいへん重宝。
空中写真を立体視することは地質学者にとって必須の技術です それはそれとして、この豊浜トンネル岩盤崩落事故後の数年間、北海道の日本海側は、崩落対策工事がものすごい数量規模発注されてお祭り騒ぎになった。北海道じゅうから、本州からも、関係技術者や業者が大挙かり集められて、崩落対策だらけの工事銀座のようになってしまっていた。
豊浜トンネル事故での作業は、発破で岩盤を「一回で落とせるパターンが組めなかった」(〜
北砕工業 定久典英氏)からか、各地の現場で「北砕は失敗した」と評されていたのだけれど、自分的にはどこが失敗なのかありえないほどのスゴイ作業だったし、いまだに「どこが失敗だとみなされたのだろうか」と理解しきれないままにいたりする。北砕さんのサイン欲しいくらい。
豊浜トンネル崩落事故発破作業現場からの報告
雄冬とタンパケの話に戻ります。
冒頭の「美しい発破現場の写真」は、
「タンパケ」の覆道〜トンネルの「上」は、ものすごいスペクタクルな断崖がそびえ立っていて、工事前からなんとか一度侵入して拝んでみたいと狙っていた。
ついに、コネを使ってタンパケの聖地に侵入できたのが、冒頭の写真の日。
曇天・霧雨。 発破の仕込み作業最中。
全景は雲に隠れて見渡せず。
雲のグラデーションをまとった、たいへんドラマチックな絵を撮ることができました。
その後、タンパケ奥地のとんでもなくかっこいい断崖絶壁の風景は、爆破で起伏を削られ、「崩落対策」のロックネット(金網)や防護壁に覆いつくされて、見るも無惨な鎮められかたをされていた。

うろおぼえです。どうも位置関係覚えるのが苦手で。

2007年ゴールデンウィーク撮影の「白銀の滝」と「タンパケ」の写真を置いておきます。(

観光客向けの角度はこんな感じ。
「白銀の滝」は海に面しています。
オロロンラインの道路一つはさんだ海側、かっこいい岩礁の上には北海道の海鳥がたむろ。
たまに「白銀の滝」見物がてらの観光釣り船も寄ってきます。

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