[ EP: 科学に佇む心と身体 ]

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タイムトラベル雄冬

カテゴリ[土木見て歩記] 2007/05/05
 発熱に見舞われダウン3日目。
 なんか毎月、なんだかんだ発熱しているような気がする。
 今回の発熱は、雄冬岬展望台の「墓場」から何かついてきなさったからかな?

 ということで、雄冬の展望台。
 以下、かつてウェブに置いていた『北海道見て歩記』シリーズからの復刻+α。

●Ю ●Ю ●Ю


 10年前。
 「展望台建設中」の、大規模環境破壊のようなありさまにびびりつつ、まぁできあがったら登ってみたいかなと見上げていたあの雄冬(おふゆ)の工事現場。


アンカー【雄冬岬展望台 建設中のころ 1】

 '97年、北海道日本海側オロロンラインの雄冬(おふゆ)の町では、なにやら大規模な展望台建設の工事が行われていました。

雄冬岬展望台

 山半分削ってます。
 芝植えてます。
 立派な道路ができそうです。
 立派な展望台ができそうです。
 日本海沿いにへばりつくように細長くたたずむ寒村の雄冬、その風情に比べ、異様に場違いなほど大規模な工事で、見た目「なんでまた」状態。【1997年9月記】


●Ю ●Ю ●Ю


 その後、「雄冬展望台」再訪の機会に恵まれず、10年経って今回のゴールデンウィークでようやく訪れることができた。
 しかし、現地を訪れて、えらいびびった。

 なんだよ、展望台は墓場を壊して建てていたのかよ!!!

 急峻な陵のはるか上を目指して、車でつづれ折りを登る。

 まず駐車場(公衆便所完備)があって、そこから階段を徒歩で展望台まで歩くのだが、
雄冬展望台


  駐 車 場 が 墓 場 だ。 gakbul

雄冬岬展望台・墓地


... 以下つづき...

〓〓〓 EP 〓〓〓

 墓場と直結している。
 ていうか、どう見ても、墓場を半分つぶして駐車場にしている。
 墓場と駐車場を仕切るのは、やっつけでこさえたような単管の枠だけ。
 しかも、駐車場に直面している墓はやたら真新しい。これ、駐車場の敷地に墓地をつぶされたぶん、移転費用をもらって駐車場わきに新しく墓をこさえた感がありあり。
 林の奥には、たんまり古色を帯びた年代物のお墓がポツポツと散在している。
 集落は、高台に墓地を置いていた、そこが展望台の施設に使われた。

 えー、自分が熱だして寝込んでいるのは雄冬の墓地からのおみやげなのであれば、供養記しますのでなんとかかんべんして。wink

●Ю ●Ю ●Ю


オロロンライン(国道231号)
アンカー【かつての雄冬】

 話によれば、昔、雄冬(おふゆ)は北海道の「陸の孤島」として名をはせていた。
 断崖急峻な海岸線が続く中、交通手段は「船のみ」。
 もとより人口は少なかった。
 そこに、「道路すべてに万札を敷き詰めた」と言われるほどの、大金とたいへんな工事を重ねて、りっぱなオロロンライン(国道231号)の道路が開通したのは、そんなに古いことではない。
 えーと、昭和53年(1978年)と言うから、「陸の孤島」ではなくなってからまだわずか30年だ。(展望台工事の当時は道路開通20年目くらいだったわけね)

 ●ネット 「陸の孤島の郵便局」  〜中山友希


●雄冬パーキングにあった恥ずかしいゴミ箱

 海岸にペタリへばりついたような小さな雄冬の町。
 道路が開通し、海岸に面してささやかなパーキングも開設された。
 山の上に展望台ができる前は、この海岸際にあるささやかな公園(パーキング)に人が集まって、夕日の絶景に感動していた。
 右にあるのは、10年前パーキングで見かけた、恥ずかしくも失礼なデザインのゴミ箱。


 パーキングの北側には、小さなNTTの施設がある。
 そこは「北海道で最後に自動交換器が設置された、北海道電話交換完全自動化の記念碑」みたいなことになっている。ほとんど知られていないが、気になる人は要注目。
NTT雄冬 1997撮影

 雄冬は最後まで「電話回線の自動化」ができず、電話交換手が手動で電話をつないでがんばっていた秘境の町だった。そんな歴史を語る記念碑なのでお見逃しなく。
 ●ネット 雄冬地区・電話の自動化完了まで  〜タイムトラベル増毛

雄冬地図
うろおぼえです。どうも位置関係覚えるのが苦手で。tang


アンカー【雄冬展望台 まだ建設中のころ 2】

雄冬展望台

 まだ工事は続いている雄冬展望台。
 写真は工事現場の右側に鎮座する、巨大な規模の柱状節理の崖。
 奥の山の方も同様な節理が露頭(ろとう:植物に覆われずに表に出ている地)しているスペクタクルな地形のよう。 【1998年7月記】

 雄冬は日本海側に面した「西向き」の漁村。
 大きな断崖の露頭は北西に向いているため、夕刻以外は逆光になってしまう。(雄冬のみならず、オロロンラインの各地は概して午前は逆光気味)
雄冬岬展望台・断崖
朝行っても逆光だよ


 オロロンラインの雄冬が、その精彩を放つのは夕刻。
 午後の光、夕焼けの赤みが、荒涼さをたたえて屹立する自然の地形を美しく照らし出す。
 夕日に赤く染まる巨大な断崖は、陰影深くたいへん美しい。

 10年前、日帰りで留萌〜札幌を往復する際、雄冬〜増毛の間はケータイが通じないので、雄冬のパーキングにいったん停車し、トイレを済ませ、ケータイで確認連絡を取ってから出立するのが習いだった。
 パーキングの脇にはひなびた売店があって、おばちゃんがお菓子や雄冬のおみやげを売っていた。

 その後。

 標高135mの雄冬岬展望台は、大規模な土木工事を経て平成10年に完成した。
 展望台には観光バスが乗りつけるなど、たいへんにぎわっている。
 が、展望台の下の世界である雄冬の町は、ただいやましに閑散と寂れていた。
 観光客は直接、車で山の上の駐車場まであがってしまう。
 展望を済ませたら、下界の地元には目もくれずにさっさと次の観光地へと走り去ってしまう。

 海岸際のパーキングも人影がなく。
 ゴールデンウィークなのに、パーキング脇の売店が閉まっていたのは… たまたま店のばあちゃんがゴールデンウィークで休みなのか、それとも観光客が立ち寄らなくなったので店をたたんでしまったのか。
 かつてパーキングにあった、「北海道開発局」という白ハチマキを締めた恥ずかしいアイヌゴミ箱が撤去されてしまっていたのは、単に「ゴミ持ち帰ろう」運動の一端なのか、それとも「利用者激減の用済み」なのか。

 展望台の建設に墓場まで提供したのに、以前より実質下界の雄冬の町に立ち寄ってくれる観光客は減ってしまったのではないだろうか。
 りっぱな道路が開通したために、見捨てられ状態になった送毛(おくりげ)の町、それと似たような、便利さゆえの見捨てられ経緯を、雄冬もたどってしまうんだろうか。

 最初、雄冬に立ち寄ったときは大変感動したんだ。
 荒涼としたオロロンラインの中の、ほっとするオアシスのような、たたずまい。
 坂に食い入るように山肌にある小学校とそのグラウンド(花壇が舟)にも痛く感じ入った。スゴイ町だと思った。

 変わるのか、変わって消えていくのか。
 雄冬の町を記録し続けているサイトはないのかな。

 ささやかな、記録としてここに雄冬の姿をとどめさせておきたくなった。
 もっと町を撮影しておけばよかった。orz

雄冬岬展望台・海 展望台から海を望む


雄冬岬展望台・岩石
 展望台周辺は巨石が積み重なっている奇景が楽しめる。
どこから崩れてきたわけでもないのに、
これだけでかい岩がゴロゴロしているというのは、
なんだ? 摂理しやすい火成岩が急に海から隆起してできた地形だとか?


雄冬岬展望台・墓地の林
あらためて夕方の光で鑑賞してみたい、
展望台駐車場から山奥を望んだ午前中逆光の林


 地元の人は、展望台についてどのような思いを抱いているんだろう。

●Ю ●Ю ●Ю


追記:2007/05/06
 検索しても、展望台の墓についての記載はほぼ皆無。
 ●ネット レストハウス雄冬
 ・雄冬は45世帯90人程が暮らす小さな集落です
 ・酒屋さん、たばこ屋さんが無いので、増毛か浜益のコンビニであらかじめ買っておくと良いでしょう。
 ・昨年の9月19日から雄冬郵便局は「無集配局」となり、窓口業務のみの営業となりました。

 90人かい!
 おそらく2005年時点の記載と思われる。ほかのサイトでは70人という数字も見られる。
 雄冬から次の町までは、増毛(北)も浜益(南)も車で20分くらいかかる。そこまで行かないと、酒もタバコも手に入らないのか。10年前はたしかパーキングわきの商店には自販機があったような気が。今回はなかったし、商店は閉まっていた、ということは、店廃業?

展望台ができる前の、1990年の雄冬の姿。
 ●ネット 雄冬(おふゆ) 〜おふゆ・ましけ点描1990

2004年時点の、道路脇パーキングにある湧き水の苫屋。
エキノコックス(寄生虫)などの関係で、生水はお飲みにならないようどうぞ。
 ●ネット 【のーすもーる★北海道の森 北海道名水紀行】[増毛町]雄冬冷清水
10年前、この軒下でりっぱな蛾を撮影した覚えがある。

ん? 「増毛町唯一の無形民俗文化財」が、この雄冬にある…!?
 ●ネット 雄冬神楽/北海道文化資源DB  雄冬神社祭(1月2日)

そういえば、「北の誉酒造 (北海道小樽)」の製品に、『純米吟醸 雄冬』という銘柄があります。
小樽の酒蔵が、雄冬の土地の名をいただいただけで、雄冬地元とは特につながりはないのかな。
とりあえず、お酒としてはとてもコストパフォーマンスのよい逸品です(値段が手頃で味が良い!)naha、機会があれば一度お試しを。


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メタル
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1514 #- コメントアンカー fumihana さんのコメント 【2007/06/09】 URL [編集]

もっと雄冬のことを教えてください.

2047 #MJWiGxv6 コメントアンカー 雨崎良未 さんのコメント 【2007/06/09】 URL [編集]

 今は雄冬に行く機会もほとんどないので、なかなか不如意です。雄冬を詳しく追っているサイトがどこかにあれば嬉しいのですけれど、ネットワーカーは若年層が中心で40歳以上は僅少ですので難しいですね。
 雄冬に今住まっている人は高齢者がほとんどでしょうし、かつて住んでいて昔の雄冬を知る人ももうお年を召しているでしょうし、雄冬通でネットにアクセスしている人は…いるとしてもかなりレア?
 地元の人に直にコンタクトをとるとしたら、上にリンクを置いた「レストハウス雄冬  http://resthouse-ofuyu.ftw.jp/」あたりが脈でしょうか。

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