[ EP: 科学に佇む心と身体 ]

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遺伝子組み換えと猫が小さくなった理由の科学

カテゴリ[科学に佇む2004年] 2004/01/28
cover
「猫が小さくなった理由(わけ)」

 スー・ハベル著
 東京書籍
 2003/03
原書:[ Shrinking the Cat ] 2001


右画
 人が変えてしまった生き物についてご紹介。
・人為淘汰でヤマネコが今の飼い猫の姿になった過程
・栽培トウモロコシが人の助けがないと発芽できないようになったいるわけ
・カイコガは自然では生き延びられない姿になったわけ
など、軽い読み物集、みたいなかんじ。
 蚕(かいこ)については昔々のシルクロードの話も登場する。

 主題は「人間が変えてしまった動物」の話であるわけで、その中、ごく浅く「遺伝子組み換え生物」についても述べてある。
 過去の品種改良と遺伝子組み換えはどこがどう違うのだと。遺伝子組み換えは、ヒトが昔からやってきた品種改良と大差ないではないかと。要するに、別のものを一緒くたにして問題の核心を軽んじさせようとする、よくある手法。
 (とゆーか、この程度の描写と理屈で遺伝子組み換えを正当化し遺伝子改造賛成を表明してていいのか? へりくつとしての諦観の一種? それともいわゆるプラグマティックアメリカンな科学楽天主義?)whoa

... 以下つづき...

〓〓〓 EP 〓〓〓

アンカー 2005/03 追記:
上掲書と似た感じに、「なんで遺伝子組み換えを気持ち悪がる人がいるのかよくわからない」という本はこちら。

左◆表紙
「遺伝子組み換え作物が世界を支配する」

 ビル・ランブレクト著
 日本教文社 2004/12



 この本は「自分はかねてより地元の新聞などに遺伝子組み換え作物に関する記事やスクープを提供してきたのだ」みたいな自称”科学ジャーナリスト”の著者の自負(自慢?)から始まるが、この著者、ジャーナリストと言っても、社会派硬派と言うよりは、どっちかというとかなりお調子というか、スキャンダル好きの軽薄&キワモノライター的雰囲気。ase右画

 冒頭のツカミはいきなりフグの遺伝子を入れたブタを飼っている牧場の話。
 普通に「遺伝子組み換えミルク」という筋の通らない呼称を用いるし(これは訳者側の文責?)、興味本位で自分ちの庭に遺伝子組み換えジャガイモを植えてネタにしてみるわ、遺伝子組み換え作物に反対する奥様方のパーティに出てみて「うちの遺伝子組み換えジャガイモのことは言えないなぁ」と感想をお述べになったり、なんとも
  データより印象。
  科学的真偽よりはカン。
  実物の検証よりは、誰が何したという人間関係、力関係ばかり追う。
  正確さよりは脚色で面白く。
 遺伝子組み換えジャガイモでえらい問題になったパズタイ事件について言及しても、何を掘り下げるでもなし、テキトーにはしょってホイだし。
 科学ではない、大衆向けゴシップ雑誌のブンヤの仕事みたいな。yan

 遺伝子組み換えに気持ち悪さを感じない、何が問題なのかよくわからない、でもけっこうイイモノじゃないか、という。
 アメリカには実際このノリが多い。

「遺伝子組み換え作物が世界を支配する」 p.7
 北アメリカでは日常的に遺伝子組み換え食品を摂取しているが、どの商品に遺伝子組み換え素材が含まれているかはわからない。というのもヨーロッパや日本、オーストラリアとはちがい、アメリカとカナダの両国政府は食品パッケージに遺伝子組み換えの有無に関する情報を記載したラベル表示を義務づけていないからだ。そういうわけで、北アメリカの人々は食卓にどれほどこの遺伝子組み換えテクノロジーが浸透しているか知らされていない。


 この無神経さ。achar2

 過敏なヨーロッパとの違いの大きさは、かねてよりよく沙汰されているけれど、これは文化内の意味体系の差なんだろうか。
 新大陸の合衆国は、多文化の交雑と伝統からの切り離しで、古来の「穢れ/忌避」感がヨソの国とは異なってしまっているのだろうか。
 プラグマティズムの国。

 なお、「遺伝子組み換え作物が世界を支配する」の原書は2001年のもの。
  2000〜2001年当時の昔々の社説を読み返しているような、いろいろ懐かしい気分にさせられる。
 分厚くて読みごたえはあるんだけどね。





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