![]() 「脳が殺す 連続殺人犯:前頭葉の“秘密”」 ジョナサン・H.ピンカス著 光文社 2002年 原書:2001/[ Base Instincts: What Makes Killers Kill? ] |
邦訳の邦題は間違い。

中身は「脳が殺す」でも「前頭葉の秘密」でもない。
人が常軌を逸した凶悪犯罪を起こす原因は脳だけではなく、
●脳・神経学的損傷
●生育歴上の被虐待経験
●偏執的思考を伴う精神疾患
の3つの要因が絡み合って初めて起きるのだ、と説いている本。脳原因だけでも生育歴原因だけでもないとする。
だのになんだよこの和書タイトル。
(原題は「本能:何が殺人犯に人殺しをさせるのか」)... 以下つづき...

中身にはADHD例や児童虐待、児童への性的虐待などが頻繁に登場する。
かといって、こんなタイトルの本をADHDや児童虐待関係のページで「関連書籍」として紹介するにはかぁなり抵抗があるぞ………。
脳にハンデがあっても、適切に養育されていれば人間は問題なく成長できる。が、脳にハンデがある子は往々にして親もハンデを持っていたりするし、親が低学歴層で「厳しいしつけ(過剰な体罰)は良いしつけ」と思い込んでいたりする。虐待(過剰しつけ)をされるとそれが行動モデルとして刷り込まれる。ハンデのある脳は刷り込まれた悪行の顕現を抑えることができない、で、残念なから悪循環をひきずる例が少なくないと。
原書は2001年。
2002/08に流れた記事でこういうのがあった。
キレの遺伝要因MAOA 特定の遺伝子タイプの男の子、処遇を誤ると反社会的に育つぞ
[ Ananova ] 'Gene clue' to violent behaviour
[ BBC News ] Bad behaviour linked to gene
[ New Scientist ] Criminality linked to early abuse and gene
[ Washington Post ] Study Links a Gene to Impact of Child Abuse
[ BioMedNet News ] Bringing neuroscience to the people
生まれながらの犯罪者ってあり?
[ BBC News ] Can you be born a criminal?

処遇さえ間違わなければ犯罪者にはならない…?
じゃ、犯罪者を育てた人間・親が犯罪者よばわりされるのか?
親にもそのような処遇をせざるをえないようなハンデがあったのではないか?
遺伝要因。ニワトリと卵。
…加えて、罰すれば気がすむ、罰さないと気がすまない、罰に効果がある、という一般人心理(怨念)や思い込みもアレなんですが。

情報庫: 犯罪 家庭内 心の健康

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