[ EP: 科学に佇む心と身体 ]

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脳研究の倫理はどこへ行った?

カテゴリ[科学に佇む2007年] 2007/03/05
 一晩寝て。
 起きて。
 よくよく考えると。
  昨日のワークショップは「脳神経科学と倫理」だったよね。
●右画
 テーマは「赤ちゃんの脳、子どもの脳 科学と育ちと学びの倫理」。

 …「倫理」の話出たっけ???

 私が気を失っている間に交わされたんだろうか。ase
 聞き逃したのかな。ごめんなさい、かんじんな部分を聞き逃して。

 実際、わかっているような話の流れは… あったろうか?
 帰路あたり自分、すっかり「まあまあおちゃめな児童研究発表会/異分野顔合わせ会だったなぁ」気分になっていて、本来のテーマは「科学と育ちと学びの倫理」だったということをすっかり忘れていた。orz

 そこ頭から抜けていなかったら、遺伝子検査の件、海外状況の件、無理してもなんぼか話を出しておくべきだったか…。
 →2004/03 『脳みそコントローラー』

海外ではいろいろな論点話題が見つかるのだが、
日本側で見かけた記事はわずかに↓程度、ってのがかえってうすらおっかない。
 2004/01 読売新聞 「脳研究の倫理」 やっと検討

 数年前のかけ声っきりで、とくだん倫理面の進展は… ないということ?

 それと、これも倫理がらみのうちだと思うが、視点が「健常者側が正常デフォルト」前提のみで話されていた。
 「教育者側」あたりのポジションからでは、健常者側デフォルトで仕方がないのか。
 (こんなことは気にすべき点にあらずなのかもしれないが)

 数年前、行動遺伝屋さんにADHDの話をふったら「病気の異常例は対象外だ」めいた拒否をされた。
 そういう、健常者側以外は異常者であるというステレオタイプを元にした峻別感覚、異人扱い。それでいて倫理を世間に丸投げするという…。

 ワークショップでは、遺伝子検査スルー。
 薬物投与、スルー。
 …じゃあ、何が語られたんだっけ。
 いや、日本では何が論議されていないんだろう。

 出席者に、神経倫理学の専門家がいなかっただけ?
 神経倫理自体、日本にはまだない?


... 以下つづき...

〓〓〓 EP 〓〓〓

●●●小玉7●●●

 韓国ではリタリンが、「問題視されていない」。
2007/02 【日本語記事】朝鮮日報@韓国 小・中・高校生の間で「集中力高める薬」ブーム(上)
2007/02 【日本語記事】朝鮮日報@韓国 小・中・高校生の間で「集中力高める薬」ブーム(下)
 ADHD治療薬 リタリン/塩酸メチルフェニデート
 「副作用に注意」というノリで、成績のためにはこういう手段もアリ扱いなのか?
 やけに問題を軽く見ている論調で、韓国的成績至上主義の端緒なのかな、びっくり


●●●小玉7●●●

 欧米ではかねてより「知能向上薬」「プロザック」「脳ペースメーカー」「不眠不休兵士を作る薬」「脳スキャンによる読心」「 オキシトシン・スプレー」「神経経済学」さまざまな技術・研究と、それにともなう倫理問題をめぐって、思考実験や討論が交わされている。
 リタリン論争は数年前までかなりヒートアップしていたし。
 その一方で、論議に関わらず開発は進みまくる。
 日本では、「論議なしに進んでいる」?

脳研究が倫理的な境界を踏み越えるのはいつ?
2007/02  Psychiatr News Volume 42, Number 3, page 12 When Does Brain Research Cross Ethical Boundaries?

神経科学は自由意思を駆逐するのか
2005/10 Does Neuroscience Refute Free Will? -Mises Institute

神経科学は、倫理を論駁するか?
2005/08 Mises Institute Does Neuroscience Refute Ethics?

脳科学とバイオテクノロジーの未来
 スーザン・グリーンフィールド Susan A. Greenfield
2005/01 Trends in Biotechnology Volume 23, Issue 1, Pages 34-41  Biotechnology, the brain and the future

●右画
脳力操作薬物 それが幸せをもたらしてくれるという妄想
2005/03 New York Times The Difference Between Steroids and Ritalin Is . . .

精神科医はやがて心ではなく臓器を診るようになるか
2005/02 New York Times The Therapeutic Mind Scan

神経科学と社会への倫理的な挑戦
2004/12 ScienceDaily Your Brain And You: Penn Researcher Forecasts Ethical Challenges Ahead For Neuroscience And Society

脳科学と社会が直面するであろう倫理問題
2004/12 Medical News Today Your Brain and You: Ethical Challenges Ahead for Neuroscience and Society

スティーヴン・ローズ 科学倫理と民主主義@脳神経倫理会議
 専門家の輪に座る人間は2票、その他の席の人間は1票を投ぜよ
 概して利益より強調されるマイナス面
2004/07 Guardian Rings around the mindfield

脳力アップの倫理問題
2004/04 EurekAlert Ethics of boosting brainpower debated by researchers

脳研究の進展 VS プライバシー侵害の怖れ
2003/05 Boston Globe Some fear loss of privacy as science pries into brain

心の不調を治す目的の脳手術+倫理
2003/04 BBC - Radio 4 - Brain Surgery to Cure the Mind
 The science and the ethics of operating on the brain.

恐怖も後悔もしない 最強の兵士を作る科学
2003/02 The Village Voice  New Science Raises the Specter of a World Without Regret The Guilt-Free Soldier
2003/02 Telegraph  The 'devil pill' that could take away life's terrors

科学は知能向上や記憶力アップの方法を開発している
あなたは自分自身の心を改造してしまうことを、どこまで許容できるか
2003/01 Reason.com The Battle for Your Brain

アーサー・カプラン 脳科学と倫理について語る
 脳検査で峻別されていく犯罪傾向、性向、適格性…
2002/10 The ScientistVolume 16 Issue 21  The Brain Revolution and Ethics

あなたの心が解析されるとき 実はヒトクローン並みにヤバイ脳神経研究
2002/08 MSNBC Decoding the secrets of your brain


◆左表紙
●神経倫理学:理論、実践及び方針における問題の定義
Neuroethics: Defining the Issues in Theory, Practice And Policy
 Judy Illes (編集)
 ハードカバー: Oxford University Press ; (2005/10/20)
書籍情報と書評:アマゾン    
ペーパーバック: Oxford University Press ; (2005/10/20)
書籍情報と書評:アマゾン    

神経倫理とその増大する需要 〜Judy Illes
2006/02 EurekAlert Stanford Q&A: Neuroethicist on growing demand for ethical oversight
2006/02 EurekAlert Penn bioethics researcher gives talk on the neuroscience of ethics at AAAS Meeting

●●●小玉7●●●

そしてリフレイン。

 日本では何が論議されていないのだろう。
 なぜあそこどまりだったのだろう。

 出席者に、神経倫理学の専門家がいなかっただけ?
 神経倫理は、日本にはまだない?
 倫理問題のベースライン自体、研究者間で共有されていない?

●●●小玉7●●●

 今回カフェとワークショップに顔出して。
 ヤフーブログサーチで、その「カフェ」や「ワークショップ」に言及している参加者/ブロガーが誰もいない(自分以外は 主催者側だけ)という現実に、けっこう愕然。
 世の中、そんなもんなのですか?pachikri

 2007/03 ・『脳神経科学と倫理ワークショップ:赤ちゃんの脳、子どもの脳』
 2007/03 ・『教育や治療に使うテレビゲーム』
 2007/03 ・『ゲーム脳サイエンスカフェ』

 本稿表題の『脳研究の倫理はどこへ行った?』、なんとなく気分はPPMの「Where have all the flowers gone?」なのでした。tang





メタル


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* * *

→ 上掲のお話についてのコメント

0951 #lMBqkpAs コメントアンカー ヨシダヒロコ さんのコメント 【2007/03/12】

以前プライベートのハンドルでお邪魔したのですが、仕事モードで出させていただきます。へぇボタン押しておきました。

健常者がデフォルトというのは、健常者ではない人にとっては「ああ、またか」ですけど。実際には治療者だけどうちに帰ると患者さん、健常者だけど家族が患者さん、などいろいろグレーゾーンがあって、特に発達障害の子供たちの話になると、ご自分は健常者だけど鋭く反応される親御さんがいらっしゃいます。

ADHDもそうですが、アスペルガーの倫理的な扱いも難しいですね…

そのセミナー、さすがに札幌は遠いとうらやましく見ていたのでした。

1022 #MJWiGxv6 コメントアンカー 雨崎良未 さんのコメント 【2007/03/12】

お手間ありがとうございます。
催事の大半は本州ですので、内地の人にうらやましく思われるのは少しくすぐったかったりします。
「サイエンスカフェ」どまりではない一般聴講可能の学会クラスのイベントは、札幌ではたいへん貴重です。

「健常者デフォルト」の件は、ツッコムとまたいろいろ泥沼にややこしいので軽くお茶をにごしたいところですが、ではなぜ敢えて泥沼の入口を記してしまったかというと、「数年前」のご本人(隣のエントリ)がパネリストにいらしたので当時の記憶が蒸し返されて…。(^_^;

※ そちらのWeb拍手、残念ながら私のしょぼいブラウザでは無反応でした…

1858 #lMBqkpAs コメントアンカー ヨシダヒロコ さんのコメント 【2007/03/12】

学会やこういうワークショップはうちの県でも少ないです。新しい国際会議場が出来てから増えたようです。今年は月末に日本薬学会が来ますが、一般人はホイホイとは入れてくれないようで。

Web拍手、無反応でしたか。いやかたじけない。へぇボタンがまだ存在したことに驚いています。

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