留守録を元旦に見る。
参照:
[ NIKKEI NET BizPlus ] NHK「地球市場:富の攻防」に見るナレッジネットワークが持つ意味とは?:新保 豊
唖然とした。
何に唖然としたかというと、「この番組は何を言いたいのかわからない」と、バイオ側従事者が某ブログに書いていたことに唖然とした。(しかもツッコミゼロ)


1●高額投資で開発されることによる医薬費の高騰について
事例:
すごくよく効くリウマチの新薬が、保険に入っていてさえ月に自己負担3.5万円もかかる
白血病のゲノム創薬系新特効薬が一錠30万円(!?)
これについて、[ バイオ側先方 ]は市場の需要を市民の声に読み替えている、というか、混同・同一視してしまっている。
”金に糸目を付けないと言っておきながらいざ薬ができると値切り出すのはいかがなものか”との旨述べ、つまり「善意の開発側を悪者扱いするのは不当だ」という読み方をしている。
え〜、医薬費高騰の問題は、需要側と供給側の意図の齟齬
薬を高くするなんてひどいvs作ってやったのになんて言いぐさだ
ではなくて、
「貧富の差が寿命や健康幸福度の差に直結するのはいかがなものか」
という話だと思うんですが。
... 以下つづき...

体の不調は本人のせいではないことが大半。
運の悪いヤツは運の悪いままでいろ消えろ、のごとき悪しき優生学みたいな話をしているつもりではないのであれば、そりゃなんぼか高騰を抑えて「機会平等」を目指すような福祉の観点を入れざるをえない。
そこから考えると行政が負担してくれるのが一番かな…。カナダの例は、支払うべき行政が支払をバックレるという…行政がねずみ小僧次郎吉を気取っているみたいな変な図?
※ カナダ vs 米国特許の例
遺伝子特許は医療をはばむ
患者のことを考えれば米国企業の特許は無視すべきとするカナダ行政
2003/02 The Christian Science Monitor
Ownership of genes at stake in potential lawsuit
※ 英国 vs 米国特許の例
遺伝子特許のせいで血液検査ができません
2002/02 Guardian Doctors hindered by company's gene patent
13日(火) 22:00〜BS1 BSプライムタイム
「HIV感染症治療薬」 コピー薬普及への闘い
「2003年8月、途上国がエイズなどの治療薬を安く輸入することを認めたWTO=世界貿易機関の合意が成立した。エイズなど国家存亡にかかわる特定の感染症に関しては、先進国の製薬会社に特許料を支払わずに済むと定めた」

2●新薬の開発源を搾取される市民
事例:
伝統民間療法に用いる中南米の植物の効能を無断でアメリカの製薬企業が特許をとった
私の特殊な遺伝子について製薬企業が無断で特許をとった
これについて、[ バイオ側先方 ]は、宝を持ち腐れにしていただけの人々だろう、その宝を世界に紹介してやった側が儲けて当然だ、という観点をさらす。
なんかみごとに困ったリアクションの典型のようでどうしましょう。decency というのかな、相手の心情洞察や政治的配慮とかが欠落しているような。
広報担当ではない技術者側ならではのセリフみたいな。
フィールドワークでたまに耳にする「世界の人類のためになる調査なのにどうして原住民の採血検査恐怖に配慮しなければならないのか」のごときレベルの低いお行儀感覚でやってたらダメ。

いまどきは行儀の良い企業は近視眼な搾取めいた対処はせず「将来やマーケットを見越して」現地民や検体提供者の”納得”を得るようにしている(インフォームドコンセント?)。
直接利潤を得る側からだけの安直な視点論理で動いていたら、買いつもった反感がのちのち大きな世論反動としてしっぺ返りひどいダメージに至りかねない。
京ニンジンの特許をアメリカにとられたら、桜島ダイコンの特許をアメリカにとられたら、やっぱいやだよ
というのはうちの家族の感想。名誉、伝統、異国(所属外の集団)…。[ 人間、搾取には敏感になるように進化してきている ]んだから、エリートさんは”衆生の逆鱗をうまくなだめるコース”くらいちょっと考えればちゃんと選択できるでしょうに。
※ 配慮があれば現地民は納得する
サン族(ブッシュマン)、条件付きで伝統医薬を製薬会社と取り引きする契約を締結
2003/03 BBC News S African bushmen hail drug deal

1●にしろ2●にしろ、先方のバイオ側従事者は非従事者の感覚を読み違えている、もしくはバイオ開発者側の感覚(市井はこうだ先入観)にどっぷりで市井の気持ちを敵対視&勘違いしている。ゆえに「番組が何を言いたいのかわからない」状態だったのでは。
なお、本来この番組は「地球市場 富の攻防」なのであって、”企業-患者間の確執”をメインに編まれたものではなさそうであることを付け加えておく。よそのサイトではたいがい消費者問題の次元ではなく開発競争やら特許市場やらのビジネス展望の脈絡で評しているらしい。
この記事は

![[ EP: 科学に佇む心と身体 ]](http://homepage1.nifty.com/NewSphere/transparent.gif)







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