
最近たくさん日本でも売買されているのだが、さて、その正体は。
●【2002年当時のスタンダードはピンポンサイズ】
前のエントリでも言及した記事
「持ち主を翻弄する「夜明珠」の霊的な力」、記事掲載の年月は不明だが、掲載画像の作成日付は2002年4月。ゆえに2002年4月以前の状況を記述したものだと思われる。当時、台湾で出回っていた夜明珠は、ピンポン玉のサイズ。
今、日本に出回っている珠は、
・白い玉(ぎょく)、白瑪瑙(メノウ)タイプ
・緑のガラス質、蛍石(ほたるいし:フローライト)タイプ
に大別され、サイズは直径10cm〜13cm強と、けっこうなボリューム。
2002年当時の系統とは異なるものと思われる。
●【2003年に大きな鉱脈発見】
同じく前のエントリでも言及した別の記事
2006-07「陝西省、世界最大の「夜明珠」を展示」によれば、2005年の世界最大球は、2003年に発見された新鉱脈からとられたものだとのこと。紹介されている「2005年の世界最大球」の画像を見ると、色姿は日本の市場にある蛍石タイプに似て見える。
ひとつの推察として、最近の大ぶりな珠は、この新鉱山から大量に産出製造されているものではないか、という線が出てくる。
そうかあ、この新鉱山から来た珠なのかもしれないなぁ。 と想像していたところ、ゲットしたこの本には…

「夜明珠 謎の宝玉」
中村 博明 (著)
文芸社 (2006/05)
[ Amazon ]で「中身検索(立ち読み)」可能 [bk1]
●【「夜明珠」と称される蓄光鉱石は古来より実在する】〜
「夜明珠 謎の宝玉」 ふむふむ。
古来より伝わるさまざまな夜明珠が、カラー写真とともに紹介されています。
珠だけでなく、仏頭やセミ、龍など、みごとな彫刻を施された逸品の数々! すばらしい。
●【最近「夜明珠」のニセモノがたくさん出回っている】〜
「夜明珠 謎の宝玉」 …え!
ほうほう。
あんのじょう、私の手元にある
はニセモノでしたか!
... 以下つづき...

光を浴びると、そのぶん発光する力を蓄えて、しばらぁく発光し続ける。
暗闇で発光し続ける、その姿は(ニセモノだけど発光のさまは近い)前のエントリで紹介した。
●【モノホンはすごい:叩いても発光をする】
ホンモノは、衝撃を与えると光を発するのだそうだ。
うちのニセモノ球は叩いて光ることはない。暗闇でカツンカツンやってみたが、なんも光らんかった。
●【モノホンはすごい:暖めても発光をする】
ヘアドライヤーであっためるだけでも、光ってしまうんだそうだ。へぇ〜。
●【なぜ光るのか】
残念ながら、夜明珠を光らせる成分が何なのかは、まだ特定されていないらしい。
石の色や性質は、検出困難なほど微量な成分の具合で大きく左右されてしまう。
まして、長い年月を経て結晶し上がった岩石のこと、なかなか「それっぽい成分を組み合わせてこしらえ、光るかどうか調べてみる」というわけにはいかないし。
手元の珠をどっかの地学教室あたりに持ち込んで成分鑑定できないだろかと考えたりしたけれど、これがどう見てもあからさまに人工的に作られたニセモノ
であっては、成分鑑定以前の話だ。orz●【蛍石系は白く光る】
白以外の光り方をする蛍石系夜明珠もあるかもしれない。
でも、少なくとも
「夜明珠 謎の宝玉」 では、蛍石系においては、月光を思わせる光であると記載されている。
うちの玉は蛍石系と思われど、発光色は黄緑ですね〜。
思いきり、いわゆる「蓄光塗料」の光り方ですね〜。
●【2001〜2003に中国で夜明珠ブームがあった】
〜p.66-69「夜明珠 謎の宝玉」
2001年の夏、重量2.7キロという世界最大の夜明珠が紹介されて以来、まるで堰を切ったかのように中国各地で世界最大の夜明珠報道が新聞紙上を賑わせました。
特に2002年以降はその頻度が急激に増えますが、あまりにも短期間に次々と世界記録が塗り替えられてゆく状況には、歓迎すべきものと思いながらも、何か意図的な操作があるのではとつい首を傾げてしまいます。
[〜中略〜]
これら、次々と登場する世界一の夜明珠は全てが新たに採掘された蛍石系の夜明珠ですが、その産地が中国各地に広くまたがっており、まるで中国全土が夜明珠の鉱脈であるかのような印象さえ受けてしまいます。
確かに、中国は蛍石の宝庫とされ、世界の推定埋蔵量9.4億トンの三分の一を占めるといわれるほど豊富で、近年のパワーストーンブームのあおりもあり、ますます採掘が盛んになっているようですので、発光機能を持つ蛍石系夜明珠の原石が見つかる可能性は否定できませんが、高値で取引されるために、暴利を見込んだまがい物で溢れかえったといわれ、今でもトラブルが絶えないとされています。
大枚をはたいて手に入れた夜明珠も、偽物と気づいた時は後の祭りで業者は雲隠れ、泣き寝入りするケースが数え切れないほど多いといわれています。
[〜中略〜]
偽物騒動に辟易(へきえき)したのか、2004年に入ると夜明珠報道も一気にしぼんでしまい、夜明珠の「夜」の字すら新聞紙上で見かけなくなりましたが、それも当然の結果ではないでしょうか。
このブームの際に、ニセモノをこしらえる技術が飛躍的に伸びたらしい。

ニセモノには、
・蓄光塗料を塗布しているもの
・蓄光塗料を染み込ませたもの
があるらしい。
石に染み込ませる? それがね、石に染み込むんですよ、実際。
瑪瑙(めのう)や玉(ぎょく)のたぐいは、大きな結晶ではなく、ものすごい細かい小さな結晶が寄り集まって固まっている物質。
細かい結晶の間にたくさんスキマがある。
そのスキマに、高圧をかけて染料を染み込ませることができるので、真っ赤な瑪瑙、ビビッドな緑の瑪瑙、など、自在に着色してしまえたりする。
画像:着色されたメノウのいろいろ 市場に出回っている「白い玉(ぎょく)系」の夜明珠は、実物は見たことがないので憶測だけれど、ニセモノである場合は、蓄光塗料「染み込ませ」型の人工品か、燐光蓄光物質を混ぜ込んだガラス製品だと思われ。
「蛍石系」の緑色夜明珠は、ニセモノである場合、「蓄光塗料塗布」タイプが多いと思われ。
うちの玉も、「蓄光塗料を塗りました」タイプ。
決め手は
1・塗りむらがある(そんなあからさまな orz)
2・表面に皮膜がある(劈開が表面に達していない)
3・発光が、ぽつぽつしている(蓄光物質が粒状に散在している)

↑ 塗りむらと皮膜の状態。
↓ 図解するとこんな感じ。液の垂れがまんま姿を残している上、
石の表面の上に、薄いけれど確実に厚みのある透明な層が、よく見ると確認できる。

塗料は不透明黄緑。それが透明な樹脂(?)に溶かされて塗られている。
発光色も黄緑。
どうりで、あるべきフローライト(蛍石)の緑よりもかなり黄緑色よりの透明さを欠いた姿をしている。

↑ わかるかな、発光が全面ではなく、
ぽつぽつと蓄光塗料の粉末が溶けきれずに細かいダマになって光っている感じ。
↓ 図解するとこんな感じ。
左は発光前、右は発光させた状態。 地の状態に関係なくポツポツ光り。

いやー、よくできてまんなぁ。
ごていねいに、骨董っぽい古色をつけた念入りな人工品もあるとのこと。
とりあえず、「玉系」「蛍石系」いずれも、硬度が低い物、爪で傷がつくような脆い品は、人工品だと思っていいらしい。

いや、人工的にこしらえられた夜明珠であっても「蓄光する玉は面白いな」と購入なさるのは自由です。
実際、夜明珠うんぬんをよっこしても、石が光っているというのはけっこう面白いし、心惹かれる。
日本には蓄光素材の石材や建築資材を製造販売している会社がいくつかある。
ガーデニング用に「蓄光性のある砕石(さいせき)」を販売しているサイトもあった。
蓄光素材でこしらえられた人工石をお庭のペーブメントに敷き詰めると、夜闇に足元が光ってステキですよと。実際、サイトに使用例の写真が掲示してあったけれど、光る小道はけっこう美しくて欲しくなった。
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さて。
最近たくさん日本に出回っている夜明珠。
ヤフーオークションの過去記録をチェックしてみた。
去年一年間の「夜明珠」出品動向を調べてみると、2006年前半は出品ゼロ。
2006年6月から、突然出品が始まっている。
当初は今の倍以上の相場だったのかな。
6月からヤフオクに参入した愛知県在住の出品者一人は、かなり大量に出品し続けている。
その後2006年9月に愛知県一人、10月に埼玉一人、11月に愛知県一人と増えてきて、今現在は、特定の4〜5人くらいが競って出品している状態なのかな。
愛知県に少なくとも3人。
同一の出品説明文を使っている女性アバター出品者と男性アバター出品者が愛知県にいる。
愛知県の出品者と広島の出品者の出品説明文がよく似ている。
(ただし「出品説明文」は常習的によその出品からパクられているため、実際につながりがあるとは断言できない)
いずれの出品者も、いまひとつ日本語が不如意のようで、中国もしくは台湾出身者である可能性あり。
…埼玉以外は同じルートなのかな。
彼らが用いる説明内容より一部。
・台湾に伝わる、中国大陸由来の「夜明珠」
・材質は不明
・光に当てれば、闇で数時間光り続ける
・5万トンの蛍石鉱から夜明珠になれるものはわずか50g
・古語では「隨珠」、「懸珠」、「垂珠」
・専門用語では「蛍光石」
・財運を呼ぶので店に飾るとよい
台湾での夜明珠ブームは、2004年には終息した。
人工的に夜明珠を作る技術はブームの時に円熟した。

なぜ「珠」ばかりで、夜明珠の「原石」が出品されないのか。
その点については
「夜明珠 謎の宝玉」 の解説がナイス。p.81-82
中国には古くから原石のままではその石の持つ潜在的価値が引き出せないという考え方がありますので、その価値を極限まで高めるために加工を施すということになるわけです。
ほうほう。 異文化の価値観。
…人工品の「原石」をこしらえるのは、かえって難しいだろうし。


ヤフオクでは、10cm球が3000〜5000円あたりの価格帯で落札されている。
購入者はたいがい「パワーストーン」など「石のご利益」を好む層に属する人々。
まあ、実際、この大きな石が闇に光って浮き上がるさまは、神秘的です。
見ていて気持ちよい。(人によっては気持ち悪いかも)
個人が見出す美に、値段は関係ないだろうしね。
購入なされた方々に幸運が訪れることをお祈りしておきます。
追記:
2007/09 世界最大!闇夜に輝く神秘の宝石「夜明珠」―陝西省西安市
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070930-00000009-rcdc-cn
〜Record China
2007年9月29日、直径1.6m、重さ6.2tもある世界最大の「夜明珠(イエミンジュウ)」が西安市の曲江国際展覧センターにお目見えした。

●「夜明珠」の詳しい性質や、ホンモノの数々は、
「夜明珠 謎の宝玉」でご覧下さい。●「夜明珠」についての記事は先日のエントリにてご紹介しました。

この本もイイね
『光る石ガイドブック 蛍光鉱物の不思議な世界』
ROCK&GEMコレクション
山川 倫央著 誠文堂新光社 (2008/08)
![[ EP: 科学に佇む心と身体 ]](http://homepage1.nifty.com/NewSphere/transparent.gif)







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