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両生類レクイエム2:もうかえらないカエル+ツボカビ病

カテゴリ[科学に佇む2007年] 2007/01/13
 → 『両生類レクイエム1:もうかえらないカエル+ツボカビ病』 のつづき。

 両生類を皆殺しにしかねないツボカビ病。

 この病の広がりは、実際にはなかなか確認しづらい。
 ただでさえ、
  ・両生類の生息状況に関する調査は難しく、日本での生態調査も基礎的な研究の蓄積もまだぜんぜん。
   ●本ミニ 松井正文「カエル 水辺の隣人」 中公新書 2002年 p186大意
 オーストラリアの東クイーンズランドでは、最近一〇年ほどの間に七種ものカエルがいなくなった。こんなに多くの種が消えたのは、何か病気のせいに違いない。そう考えた学者は多かったが、熱帯の、しかも人里離れた場所で、死んだばかりのカエルを見つけ、原因を調べるのは不可能に近かった。しかし、オーストラリア政府は、そんな結果の出そうもない調査に資金を提供した。そしてオーストラリア人のチームに、イギリスやアメリカからの研究者も加わって調査が行なわれたのである。そして、結果が出たのだ。ついに見つかった原因は、新属新種のツボカビだった(ハリディ、1998)。
   ●本ミニ 松井正文「カエル 水辺の隣人」 中公新書 2002年 p181


 ●ネット chytridiomycosis:ツボカビ症の画像集  グロ注意
 ●ネット Batrachochytrium dendrobatidis:ツボカビの画像集

 この病はどこから来たのか。git
 実はこの病も、エイズのように、ほかならぬ人間が、世界に広げてしまった災厄である気配。achar2

かつて妊娠検査薬をこしらえるときに、研究材料としてアフリカのカエルをヨーロッパに持ち込んだ
 ツボカビ病はそこから世界に広がったんじゃないか!?
2005/09 BBC News Pregnancy test link to frog fall


 この記事にあるアフリカのカエルって、これですね
アフリカ産、ゲノム研究モデル動物:Xenopus tropicalis「ニシツメガエル/トロピカリス」
2002/08 EurekAlert!  Joint Genome Institute to sequence key African frog genome

 ●ネット アフリカ産のカエル Xenopus tropicalisの画像集


●●●小玉7●●●

●右画
アンカー【アジア上陸】

●そして。
 このたび日本にも、ツボカビ病が上陸したことが確認された。
 いや、日本どころではない、朝日新聞によれば、アジア初。
 もちろん、人間さまが、その侵入に荷担なされた。

 ツボカビ症は、関東中心のペット売買ルートを通じて、中南米からはるばる来日なされた。
 (中南米ではかねてよりカエルたちが大量死しまくり…)

 13日01AM,ぐぐると「ツボカビ の検索結果のうち 日本語のページ 約 495 件」。
 昨日はもっと少なかったと思う。
 今後どのくらい増えるかな。



追記:その後。増えまくり。w
1/14 ツボカビ の検索結果のうち 日本語のページ 約 16,100 件
1/16 ツボカビ の検索結果のうち 日本語のページ 約 156,000 件
1/18 ツボカビ の検索結果のうち 日本語のページ 約 255,000 件
1/21 ツボカビ の検索結果のうち 日本語のページ 約 326,000 件


 下記三大新聞ではいずれも「カエル・ツボカビ症」という呼称で取り扱っている。
 おおむね両生類にしか悪さをしない種類だしね。
2007/01 【日本語記事】asahi.com 両生類絶滅させるカエル・ツボカビ症、国内で初確認 ”アジアでは初の確認だ。”
2007/01 【日本語記事】読売 カエル殺すカビ日本上陸、流行すれば絶滅の危機も
2007/01 【日本語記事】毎日新聞 カエル・ツボカビ症:輸入カエルで国内初確認 両生類絶滅の危機も

●対策ページもいろいろ    …だけど、泥縄っぽい?yan

 ●ネット カエルのツボカビ症の感染 - 麻布大学
 解説も、Q&Aも、PDFファイルしかない。
  『ツボカビに関するQ & A 一般のカエル飼育者の方々に』PDFファイル
17:検査は有料ですか?
 A.一般の飼育者や展示施設などからの検査は無料です。商業ベースで繁殖されている方は、
関係機関にご相談ください。
18:検査にどのくらいの時間がかかりますか?
 A. 検査機関が検体を受け取ってから、7日くらいかかります。

 なぜHTMLで置かないのか。当座の緊急処置か。

 ●ネット 社団法人 日本獣医学会
 ここも解説とQ&Aが、PDFファイルだけ状態。

 ●ネット カエルツボカビ症侵入緊急事態宣言 WWFジャパン
  いま現在、宣言を置いているのみで、具体的な対処法は上掲サイトにおまかせ状態?
  発症した個体を見つけた場合の連絡先は記載あり

 今回の報道に先立って、タイムリーにツボカビ病を取り上げていたメールマガジン。
Z o o E x p r e s s ■ ズー・エクスプレス ■ No.304 - 2007年01月05日
■葛西臨海水族園■====================================================

 ------------------------------------------------------
 ▼世界中の、そして日本のカエルが危ない!──ツボカビ症
 ------------------------------------------------------

  2006年11月24〜25日、神奈川県横浜市で第18回日本動物園水族館両生類爬
 虫類会議が開催されました。ホストは野毛山動物園です。日本動物園水族館
 協会が後援するこの会議は、上野動物園の両生爬虫類館(ビバリウム)が事
 務局をつとめ、運営しています。

  今回の発表は8演題。葛西臨海水族園は「人工の水辺環境における管理手
 法の試みについて」、井の頭自然文化園は「東京産イモリの域内・域外保全」
 について発表しました。

  会議の検討課題として、世界各地で蔓延し始めている「ツボカビ症」につ
 いて、天王寺動植物公園の高見一利さんや、先日ドイツで行われたCBSG(保
 全繁殖専門家グループ)の会議に出席された安佐動物公園の桑原一司さんか
 ら報告がありました。

  世界の両生類 5,743種のうち、2,469種(43%)は生息数が減少し、1,856
 種(32%)に絶滅の恐れがあり、120種が 1980年以降絶滅したと推測されて
 いるそうです。絶滅を加速させている原因の一つに、「ツボカビ症」があげ
 られています。

  ツボカビ症は致死率が高く(90%以上)、伝搬性が強いため、世界中で猛
 威をふるい、すでにオーストラリアや中米の両生類が壊滅的打撃を受けてい
 ます。このため、オーストラリア農水省では、輸出入に関して法律・検疫を
 強化するなど、国をあげて対策に取り組んでいます。

  ツボカビ症が確認されていないのは、これまでアジア地域のみとされてき
 ましたが、2005年にタイで確認され、日本への侵入も懸念されています。日
 本では十分な法的な対応もなく、水際で阻止するためのきびしい検疫や規制
 の整備も遅れています。

  日本のカエルは固有種の割合が高いため、絶滅したら回復はできません。
 後世になってもカエルの鳴き声が聞けるよう、「ツボカビ」の侵入を阻止し
 なければなりません。                                      

  ※英文ですが、くわしくは CBSG のサイト http://www.cbsg.org/ から、
   Amphitiban Decline(両生類の危機)をごらんください。

                 〔葛西臨海水族園飼育展示係 杉野隆〕


 ん?
 2005年にタイで確認されている?
 じゃ、アジア初じゃないじゃん。>朝日新聞

... 以下つづき...

〓〓〓 EP 〓〓〓

両生類がマジヤバイ
2006/07 EurekAlert Major initiative proposed to address amphibian crisis
2006/07 BBC News Clarion call to save amphibians
2006/07 New Scientist Frogs, toads and automobiles - a fatal combination
2006/07 National Geographic Photo Gallery: Frog Survival Linked to Eco-Health

 【podcast 音声】科学なポッドキャスト
【英語】「両生類保護に動け」 MP3ファイル 17分
Amphibian Alliance サイエンス・フライデイ Science Friday 2006/07/07
 Teaming up to help endangered frogs.
 みなで力を合わせていかないと手遅れになりまくるぞ


2006/12 【日本語サイト】環境省 鳥類、爬虫類、両生類及びその他無脊椎動物のレッドリストの見直しについて

両生類レッドリスト見直しで明らかになった点

[1] 絶滅のおそれのある種の総数は、前回見直しを行った平成9年に14種だったものが、今回21種となり、絶滅のおそれのある種が増加した。
 両生類の評価対象種数は62種であり、今回、その34%に絶滅のおそれがあることが明らかとなった(前回は23%)。
 今回ランクが上がった種の多くは、小規模な開発または外来生物による影響が示唆されたが、一部の種ではペット用の捕獲による影響が示唆された。
[2] 南西諸島に生息するカエルのうち、前回ランク外だったヤエヤマハラブチガエルが新たに絶滅危惧II類となった他、ホルストガエル、オットンガエル、ナミエガエルなどのランクが上がった。
 結果として、両生類の絶滅のおそれのある種、21種のうち、8種が南西諸島に生息するカエル類となった。
[3] サンショウウオ類(小型サンショウウオ類及びオオサンショウウオ)もランクが上がった種が多く、その要因としては生息環境の悪化が考えられる。
 サンショウウオ類は国内に19種生息するが、そのうち11種に絶滅のおそれがあることが分かった。

  ↑このレッドリスト見直しは、ツボカビ日本来襲が発覚する前の、数値。
   これら日本固有種のサンショウウオが、絶滅しまくることがありえる。

〓ガラス棒〓

 さても。
 去年の夏頃から、まとめようと思いつつ放置していたこのエントリは、そも「ツボカビ病」メインではなく「両生類が危ない」というくくりの作文。
 すでに環境汚染や紫外線、いろいろ逆境にはあった両生類に、いまトドメのアンゴルモワ大王が降臨なされたわけで。

アンカー 【種の保全と世の中の小倉さん】

 今回のツボカビ病日本上陸の報を受けて、12日朝のフジテレビ「とくダネ!」小倉さん曰く、「カエル苦手だから、いない方がうれしいんですけどね」。

 いやこっちのセリフを思い出す。
 ●本ミニ 松井正文「カエル 水辺の隣人」 中公新書 2002年
p.3

 蛇足ながら、ゴチャ混ぜ学 −− 爬虫両生類学の発端は、かの有名な分類学者リンネにあるように思う。彼は爬虫類や両生類が大嫌いで、よく見もせず嫌なものを一緒くたにした節があるのだ。

 「よく見もせず嫌なものを一緒くた」。
 人間、嫌いなもののことはろくに知ろうともしないもんね。

 爬虫類と両生類もいっしょくた。
 ヤモリとイモリもいっしょくた。
 これなんかいい例。名称からして、いっしょくた扱い。
   ●ネット 両生類爬虫類研究会

 嫌いなものは、目の前にはいないでくれ。
 嫌いなものは、ないにこしたことはない。
 あまり知りたくない。
 カエルやイモリがなんだってのさ。

 そんな小倉さん感覚の人が、世の中大半かな。

 いや、カエルの肉を食うのが好きな人には大問題かもしれないけれど、そりゃ日本では極少数派。ase

 ・フランスはかつて毎年カエル6000万匹をアジアから輸入して食いつくし。
 ・アメリカは食用ガエルの輸出でひところ年商30億。
   ●本ミニ 「カエル 水辺の隣人」 松井正文 中公新書 中央公論社 2002 p177大意

 カエルたち両生類が死に絶えると何が問題なのか。

 一般人にはわかりづらい状況なんだろう。

 例えば。
 あなたのiPodの中に入れることができる曲が、世界から、この世から、日々刻々どんどん減っていっている、失われていっている。
 将来、人間が耳にすることができる音楽は、わずかに「ねこふんじゃった」と「君が代」くらいになるかもしれない。
 そう考えると、イマドキ的にはけっこうぞっとできる?

 以下、 カエルたち両生類が死に絶えると何が問題なのか、「ここでは2点挙げておく」 :そんな感じでまとめようと去年の夏からずるずると、ついに上陸の報が入るまで、さぼりっぱだった… orz

●●●小玉7●●●

アンカー 【まずは生態系】

 生態系のゆがみの中でまっさきにやられるのが、両生類。
 彼らの消滅は、大崩壊の予兆。
 彼らが死ねば、そこの生態系全体は、なだれて崩壊していく。

2004/10 asahi.com 世界の両生類の3割、絶滅の危機 自然保護連合が調査
2004/10 UK Today(JAPAN JOURNALS LTD.) 地球の温暖化による環境の変化と汚染の拡大で、多くの両生類が絶滅の危機に
2004/10 毎日新聞 世界の両生類:3割強が絶滅の危機 ほ乳類や鳥類より深刻
2004/10 産経新聞 両生類、3分の1「絶滅危機」 薄い皮膚、水質・大気汚染影響 世界調査
2004/10 BBC News Global amphibians in deep trouble
 Scientists believe the world's amphibians are facing an unprecedented onslaught of environmental threats.

生態系のゆがみが両生類の激減に現れて
2004/02 EurekAlert Out-of-balance ecosystems play role in demise of amphibian populations

猿とヒキガエルは、緻密な地理的なスケールの上で保全のための優先順位領域を明確にする
2003/07 EurekAlert
 Columbia researchers divide world according to evolutionary genetics
 Monkeys and toads define priority areas for conservation on a fine geographic scale

生態系の分断が両棲類を死滅させていく
2002/09 EurekAlert!
 Fragmentation may be linked to local amphibian extinctions


 生態系が崩壊すると何が大変なの?
 まずは、あなたの命がヤバイと思いなさい。
 農業がめちゃくちゃになって、大飢饉になりかねない。(と、わかりやすそうに書いてみる)
 餓死連発の、きたちょ○せん状態になってしまう可能性。

 両生類あってこそ成り立っている生態系。
 カエルが死に絶えれば、それこそサイレント・スプリング。
 えもいわれぬ妙味で知られる夏の風物詩、あのカジカの声も、いつしか死に絶えるのか。

    ●ネット サイレントスプリング『沈黙の春』



挿画


 導火線の火は、その後に起きることを想像しかねるほど、小さくてかぼそい。
 その火は、まもなく爆弾本体が大爆発することを予告しながら、そしらぬ顔で燃え進む。

挿画


 で、この「生態系を守りましょう」系のアプローチは、共感大好き依存投影常習系な「将来の人類」好きな人にはよく効くかもしれないけれど、「先の他人のことなど」という非共感系にはさほど効かなかったりすることがある。
 そういうお方がたには、以下のようなアピールはどうなんだろうと試論ぶち。

アンカー 【なにより、人間自身を救う手がかりを、人間は殺していっている】

 将来の誰かさんのことではなくて、ほかならぬあなたが抱える難病を救ってくれるはずの両生類かもしれないのに!
 あなたの命が、両生類の存在にかかっている可能性があるのに!

 医療・治療の研究に、医薬品の開発に、難病克服に、再生医療に、両生類の存在は、で・か・い。(とぶちあげる)

人間の再生治療や幹細胞の研究に、カエルは参考になるぞ
2006/05 EurekAlert Study shows frogs can play key role in stem cell research

人間の聴覚障害、カエルを調べると治療法が見つかるかも
2006/03 EurekAlert Frog痴 ear canal may provide insights for understanding human hearing loss

ヒト細胞を幹細胞に戻す薬、両生類から
2003/07 Nature Science
Update
 Frog eggs rejuvenate human cells
 Amphibian extract may take adult DNA back to stem-cell state.

2002/11 毎日新聞 カエルの胚であごの骨を 東大大学院・浅島誠教授のグループ

サンショウウオに学ぶ再生医療
2002/09 New York Times Missing Limb? Salamander May Have Answer

カエルの神経系形成に必要なタンパク質は、ヒト成長の重要な手がかりを提供する
2002/06 AScribe
 Protein Required to Form Nervous Systems in Frogs Could Provide Important Clue to Human Development

2002/05 asahi.com 試験管でつくったカエルの目、移植に成功 東大
2002/01 読売 体外で育てた眼球を移植…カエルで実験成功 アニマルキャップ
2002/01 Yahoo! News Japan Scientists Grow Artificial Eyeball -Kyodo
2002/01 BBC News Scientists 'create artificial eyeball'

電気的刺激で神経幹細胞の成長が促進される カエルの脳で実験
2001/03 NATURE SCIENCE UPDATE  Shock tactics for new neurons  Electric currents could help rewire injured brains.

2000/06 毎日新聞 カエルのすい臓、胚細胞で形成 人の臓器再生に道開く 東大、内分泌器官は初めて

2000/01 毎日新聞 カエルの胚を使い、目と耳の細胞を生成 東大研究者ら、世界初の成功


 こういう研究が、できなくなる。 可能性が絶たれる。
 ●本ミニ 松井正文「カエル 水辺の隣人」 中公新書 2002年
p.158

私の専門は系統分類学である。したがって、この分野で標本はなくてはならないものである。そのためにはカエルを殺さねばならない。そうした一方で、私が保護を語るのはおかしいと思われるかも知れないが、私たちは最小限の材料で大きな情報をつかむように努めているし、また、生きた状態のカエルを観察しなければ正しい同定眼など養えるはずもない。ところが、世界中でカエルの数が減ってしまって、研究に必要な材料の入手さえ困難な状況が各地で起きつつあるのだ。


     gakbul

2005/10 共同通信 絶滅危機の両生類守れ 国際自然保護連合(IUCN)が行動計画案
2005/09 BBC News Global plan to rescue amphibians
 The price of saving the world's frogs, toads and salamanders from oblivion will top $400m (」220m) over five years.
2005/09 EurekAlert Experts develop global action plan to save amphibians facing extinction

オーストラリア唯一のカエル用病院、資金難で閉鎖へ
2005/03 BBC News Australia frog hospital to close

生態学:倫理と両生類 
2004/09 Nature 431, 403 Ecology: Ethics and amphibians

金の切れ目が命の切れ目
2003/09 BBC News Threatened species 'need far more cash'
2003/09 EurekAlert
 More than 700 threatened species remain completely unprotected, new study shows
 Analysis of 11,000 mammal, amphibian and bird species shows major gaps in global
coverage
2003/09 Nature Science
Update
 Hundreds of threatened species falling through conservation gaps


 金がないなら、金なしで動く人材を! 有志を!

 ●本ミニ 松井正文「カエル 水辺の隣人」 中公新書 2002年
p187

 一般の皆さんには、いったい何ができるのだろうか。何度も述べてきたように、カエルの個体数や生息環境の動向を、長期的に追跡してみることは重要な課題であり、過去のデータがないのだから、なおさらのこと、いますぐにでもデータの蓄積を開始せねばならない。先に紹介した緑の国勢調査のようなイベントに積極的に参加し、質の高い情報を提供することが、まず可能な一歩だろう。また、カエルだけに限らず、身近な生物の動きに関心をもった仲間が、余暇を見つけてたがいに研究し、情報を交換しあっていくことは非常に大切である。


●●●小玉7●●●

アンカー【生態研究の人手不足】

 とにかく、環境保全では、人手不足。
 巷の小倉さんたちに人気のない生き物は、なんでこんなにほったらかされてしまっているのか。

  水草の保護 も、人手不足。
  寄生虫研究 も、人手不足。
  粘菌の探索も、人手不足。

 環境破壊の進行は深刻。生態系の崩壊も急進行。
 先だって記した 海の生態系崩壊 の場合は、陸上の素人連中にできる対策は、ものすごいしょぼしょぼどまりだった。
 今回のカエルやイモリやサンショウウオは、陸にいる。
 しかも、人手不足。放置状態。
 市井の人間ががんばれる余地がある。

 研究者は素人さんたちにアドバイスできるか?
 いま必要なことは何なのか、防疫以上に調査研究にたずさわれるよう、どんなアドバイスができる?

 過日「新種の発見をしたい」とおっしゃる御仁に、昔「南方熊楠マイブーム」のときに仕入れたトリビアから
  「夏、台風直後で猛暑の山奥など、ちょっと変わった気象条件のときに探索に行けば
   特殊な条件下でしか発生しないような珍しいキノコのたぐいに出会える率が高い。」
と記したら納得された。しかし、ほかにアドバイスなし。

 …日本でフィールドワークに詳しい学徒は …もしかして大変乏しい状態?
 私のような素人を超えてくれるような的確なアドバイスが出てこない状態というのは、 …大変さびしかった。

〓暗BG〓

参照書籍:

◆左表紙

 「カエル 水辺の隣人」
 松井正文
 中公新書
 中央公論社 2002年
  [ Amazon ] [bk1]

 進化的起源から生態、各種紹介までカエル学入門。
 次の本の編者でもある。 オススメ。


◆左表紙

 『これからの両棲類学』
 松井正文編
 裳華房(2005/08)
  [ Amazon ] [bk1]
特に
 第IV編 両棲類の保全と飼育
   15章 両棲類の保全[大河内勇]
   16章 両棲類と環境汚染[坂雅宏]
   17章 オオサンショウウオの保全[栃本武良]
   18章 有尾類の飼育[池田純]
   19章 カエル類の飼育[沼澤マヤ]
 第V編 両棲類学の未来
   20章 両棲類学の将来に向けて[松井正文]
松井正文氏の音頭の元、日本の専門家が発する見知と警鐘が並ぶ。


 ほかに良い参考書をご存じの方、ご教示いただけると幸甚に存じます。

●●●小玉7●●●

追記:日本の情報
2007/06 【日本語記事】読売新聞 ツボカビ菌、国内の野生カエルでも確認

●ネット 2007年06月22日NHK スタジオパーク 「カエルツボカビ 日本侵入」 NHK解説委員室ブログ

 ↑なんと、ウシガエルはツボカビに強い関係で、ツボカビをまき散らす主になりかねないんだそうな。
 下手すると、日本のカエルは将来「ウシガエルだけ」なんてことに?
    「ヴォーーッ! ヴォーーッ! ヴォーーッ!」
 雨の前の合唱、夏の夜の風情が、「ウシガエルの声だらけ」になる???

追記:海外の情報
両生類がマジヤバイ
2006/07 EurekAlert Major initiative proposed to address amphibian crisis
2006/07 BBC News Clarion call to save amphibians
2006/07 New Scientist Frogs, toads and automobiles - a fatal combination

わずか1つの種の喪失が、淡水の生態系には大きなダメージ
2006/08 EurekAlert Loss of just one species makes big difference in freshwater ecosystem, study finds

すでに170種類以上ものカエルたちがこの世から消え失せてしまっている!
 静まりかえった池… 続々と繰り広げられる絶滅は、まるで恐竜の大絶滅を再現するかのよう
 お願いだから、ツボカビ病が終息するまで、各地の動物園、植物園、水族館で、カエルたちを保護してやってくれないか!?
 1900種類もの両生類がもうやばいんだ!
2007/02 Discovery 'Amphibian Arc' Aims to Save Frogs

2007/03 【日本語記事】JanJan  中南米:静かに消え行くカエル
 世界中の両生類4割で個体数が減少し、過去20年で170種がこの世から消え失せた
 ラテンアメリカの状況はとりわけ深刻
 ドミニカ共和国、キューバ、ジャマイカで8割、ハイチで9割が絶滅の危機!

カエル消滅の背後に『落葉量の激減』! 爬虫類も減っている
2007/04 BBC News 'Fewer leaves' behind frog demise
気候変化がツボカビの蔓延を促進
2007/04 New Scientist Reptiles join amphibians in mysterious decline
2007/04 National Geographic Frog, Lizard Extinctions Caused by Climate, Not Fungus, Study Suggests

2007/10 BBC News Frog killer fungus 'breakthrough'
カエル・ツボカビ病に『進展』
 ヒトの眼軟膏に用いられているクロラムフェニコールが、両生類の救命具であるかもしれない
2007/10 【日本語記事】ワイアードビジョン カエル絶滅の脅威『ツボカビ症』に画期的治療法?

2007/10 EurekAlert  Underestimation of frog numbers causes concern
カエルは、前例がない速度によって全世界の生態系から消えている。
 1980年以降だけで100以上の種が滅びたと考えられる。

2008/09 BBC News Bleak outlook for Europe's toads
ヨーロッパのヒキガエルに厳しい未来
 半数以上のヨーロッパの両生類は、2050年までに絶滅する可能性


追加情報込みのコメントはこちら → コメント欄

環境汚染やツボカビ病の前半はこちら → 『両生類レクイエム1:もうかえらないカエル+ツボカビ病』

メタル


[カテゴリ 科学に佇む2007年] : 2007年01月13日 
* * *

→ 上掲のお話についてのコメント

0102 #- コメントアンカー toucan さんのコメント 【2007/01/13】

ツボカビ症の説明、Q&AのHTML版はWWFのページ内に設置されています。
http://www.wwf.or.jp/activity/wildlife/biodiv/alien/chyt2007/index.htm
また、
日本獣医病理学会/日本獣医病理学専門家協会
http://www.vm.a.u-tokyo.ac.jp/byouri/JSVPJCVP/index.html
にも同様の情報がありますが、こちらはWordファイルですね。
 両生類保全に関しては、「カエルが消える」というも翻訳書もあります。未翻訳ではAmphibian Conservation
という本もあります。
 小倉さんのコメント、番組は見ていないですが正直がっかりですね。

1048 #MJWiGxv6 コメントアンカー 雨崎良未 さんのコメント 【2007/01/13】

 ご教示ありがとうございます。
 「とくダネ!」では、カエルがひっくり返ったクリップアートを伴った資料が表示されていて、出典はどこだろうか、ウェブ画像ではなさそうだし、PDFか既存書籍から取ってきたのかな、と、気になりまして。ひとあたり上掲PDFなど覗いてみてもそのような挿画はなかったので…
 あんな感じの挿画入り「子どもでもわかるバージョン」がウェブにあったらいいのになと、至極残念でした。今後作成されて増えていくのかな。

「カエルが消える」 http://www.amazon.co.jp/dp/4272440276?tag=hbjp-22
 これは邦訳1998年、原書は1994年。
 ということは、その頃はようやく紫外線の害が指摘されはじめたばかり、ツボカビ病は全く気づかれていない時点の著作ですね。


1230 #fmF0g6yU コメントアンカー toucan さんのコメント 【2007/01/13】

「カエルが消える」はたしかに内容が古くなってますね。その後に見つかったツボカビやウイルス性の感染症や環境要因などに触れた日本語の書籍はまだ出ていないはずです。
図解資料は朝日新聞のものが分かりやすく感じましたが、「とくダネ!」のものはまた違っていたのでしょうか? 下記のホームページなどでも今後、カエルの様子の解説が出てくるかもしれません。
「カエル探偵団」http://web.hc.keio.ac.jp/~fukuyama/frogs/froggroup/
「カエルが消える」の参考文献リストも置かれています。
更新いつも楽しみにしています。
 

2209 #MJWiGxv6 コメントアンカー 雨崎良未 さんのコメント 【2007/01/13】

ああ、そうか。
番組では「今朝の新聞などで紹介されていましたが」みたいな枕で話を始めていたので、私が目にした図解は朝日新聞のものだったのかもしれませんね。(紙面は見ていない)
しかし、どうも世間はカエルねただからかリアクションが薄いみたいで。

カエル探偵団さん、活動おもしろそうだけど、シンポジウムが前世紀以来開かれてない…(^_^;;;
mixiのカエルコミュでは報道を受けて玄関にツボカビ症に関するアナウンスを出していますね。

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  突進したのに相手は古い日付の記述だった、みたいな食い違いがたまに発生しています。

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