
世の中には「魚なんか恐ろしくて食べられない!」という文化に暮らす人々もいる。
●魚肉がタブーの民族(かなりおおざっぱですが)

タスマニア
アメリカのナヴァホ、アパッチ族、ズーニー族、ホピ族
古代エジプト、アフリカ各地
中央アジアとインドの一部、チベット
あらら。チベットでもタブーでしたか。

山内昶(ひさし) 『タブーの謎を解く:食と性の文化学』 筑摩書房 1996 p.34-35●タスマニア先住民の場合

鱗のある魚はまったく食べなかった。
魚がたくさんとれそうな海岸に住んでいても、食べるのはザリガニ、甲殻類や海獣類ばかり。
昔からそうだというわけではなく、3800〜3500年前まではタスマニアの民は魚を食べていたことが、過去の発掘調査から確認されている。
その後、なぜ魚を食べなくなったのか、はナゾのまま。

【タスマニア先住民】
タスマニア先住民についてよくご存じない人が多いようですので蛇足ながら追記しておきます。
彼らは絶滅しています。
白人が狩り殺しました。
スティーブン・ピンカー著 『人間の本性を考える 心は「空白の石版」か 上』 p.141一九世紀にヨーロッパ人によってほぼ絶滅させられた
ダニエル・ネトル、スザンヌ・ロメイン著 『消えゆく言語たち:失われることば、失われる世界』 p.77タスマニアのオーストラリア先住民(約3000〜4000人)は、
75年間のヨーロッパ人との接触のあいだに、皆殺しにされた。
タスマニア先住民とは 1830年までに純血のタスマニア先住民は壊滅... 以下つづき...


北アメリカの南西部にいた魚食タブーの民族たち。
ズーニー族やホピ族の世界観的には、水=聖(もしくは異界)。
聖なる水に棲む生物は、浄らかすぎて(異界すぎて)食する対象にはできなかった。
北アメリカの南西部の先住民には、アタパスカ語に属する言語を話すグループがいくつか存在したが、魚食タブーの部族では、同じアタパスカ語属でも魚を表す単語が存在しなかったりする。
フレデリック J.シムーンズ著 『肉食タブーの世界史』 法政大学出版局 2001/12 p.366●古代エジプトの場合

神さまのオシリスのアソコが魚に食べられてしまった!
そんな神話がありまして。
その関係で、もう淡水魚=同性愛嫌悪状態。
「ヒエログリフで魚の記号は嫌悪という意味」だったり、いまでもソマリアでは悪口の言い回しに魚が登場したり。
スチュワート・アレン著 『愛の林檎と燻製の猿と禁じられた食べものたち』 集英社 2003/09 p.56-57
ウナギがゲテモノの国、タコが悪魔呼ばわりされる国、虫を食べたがらない文化、ウシブタが食えない宗教、異文化かまわず訃報に対して「冥福を祈る」と言ってしまえる無神経…。
かくのごとく、我々はすべからくおのれの「許容範囲」と「価値観」を文化環境によってインプリントされているのであり、育ちが違えば好き嫌いも信条も大きく異なっていたであろうし。

さあ、自分はどんな好き嫌いをインストールされて育ったのかな?
![[ EP: 科学に佇む心と身体 ]](http://homepage1.nifty.com/NewSphere/transparent.gif)







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