[ EP: 科学に佇む心と身体 ]

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どれもこれも世界最小の魚

カテゴリ[科学に佇む2006年] 2006/11/05
 旧聞に属しますが、お魚シリーズやってますのでついでに「世界最小の魚」でひとしきり。

●右画

その1:「パエドキプリス・プロゲネティカ/Paedocypris progenetica」
 2006年にインドネシアのスマトラ島で見つかったコイ科の淡水魚。
 成熟したオスの体長が7.9mm(メス)〜10.3mm(オス)。
 体重はわずか1mg。
世界一ちっこいお魚発見 いや、世界一ちっこい脊椎動物?
Paedocypris progenetica
2006/01 Ananova Scientists find world's smallest fish
2006/01 Discovery Tiniest Fish Found in Asia
2006/01 New Scientist World's smallest vertebrate has a big secret


 ほうほう。
 今年見つかったこの魚が「世界最小」なんですか。
  ●ネット Paedocypris progenetica 画像集

その2:
 その1を発見したチームがボルネオで見つけた、それと近縁の「P. micromegethes」が、世界で2番目に小さい魚&脊椎動物だ。
 〜Tiniest Fish Found in Asia@Discovery
  ●ネット Paedocypris micromegethes 画像集
 …いや、そも、この「Paedocypris属」に該当する生物は「その1」と「その2」しかいないんだそうだ。
 これらを発見したチームが、「その1」と「その2」を、世界最小と世界2番目小なのだと主張なさった。
  ●ネット Paedocypris - Wikipedia
  Both species were discovered and identified by ichthyologists Maurice Kottelat and Tan Heok Hui of the National University of Singapore and their osteology was studied by Ralf Britz at London's Natural History Museum.

 …あれ?

 でも、それまでに「世界最小だ」と言われていたほかの魚のデータを見ると…

その3:
 2004年7月に発表された新種ハゼは、6.5mmで成熟する。
 (捕獲されたのは1979年、新種として発表されたのが2004年)
 オーストラリアのグレートバリアリーフにいる、シラスウオ属の「Schindleria brevipinguis」。
 6.5mmの雄の標本は体重0.2mg。
  ●ネット Schindleria brevipinguis 画像集

その4:
 その3が登場するまでは、
 最小の脊椎動物は西太平洋の熱帯ハゼの仲間「Trimmatom nanus」だった。
 これは約8mmで成熟。
  ●ネット Trimmatom nanus 画像集

 ん?
 2006年のが、体長7.9〜10.3mm、体重1mg。
 2004年のが、体長6.5mm、体重0.2mg。

 2004年の勝ちじゃん。mmm

... 以下つづき...

〓〓〓 EP 〓〓〓

●右画
 ●ネット 世界最小の魚

 その3の「Schindleria brevipinguis」についてはBBCが言及している。
いやいやもっとちっこいのはいるぞ 最小の魚の座は誰に!?
2006/01 BBC News Smallest fish compete for honours
 When is the smallest really the smallest? When it comes to fish, the answer is just not clear-cut.

 もひとつちっこい種類、フィリピンで見つかった、オスで 6.2mmの「Photocorynus spiniceps」というのもいるらしい。(メスの身体に融合・寄生して生きるオス)
 ということでこれ その5 にしておこう。
  ●ネット Photocorynus spiniceps 画像集
   はい、雌に雄がぶら下がってます。癒着っ!hyaaa

 こんなトンデモな生き方をしているせいで、実際小さいのに、あまし「これが世界最小だ」とは言ってもらえてないらしい。ase

●●●小玉250●●●

 で、雑学をさらり紹介して済ませたレベルの本『図解雑学 魚の不思議』(2006年)は、「その1」だけを世界最小の魚として紹介。

 2005年の『魚の形を考える』は、その1が発表される前の出版ゆえ、「その3」と「その4」だけを紹介している。

 オンラインの●ネット Paedocypris - Wikipedia では、世界最小お魚について、「その1&その2」と寄生オスの「その5」にだけ言及していて「その3」は影なし。
 どうした、「その3」!

 あ、出た。
 ●ネット Schindleria brevipinguis - Wikipedia
 「その3」は、英語ウィキペディアでは「世界2番目に小さい魚&脊椎動物」として登録されている。
 成長して7〜8mmだそうだ。「6.5mmで成熟する」と記していたのは『魚の形を考える』。微妙。

 じゃ、そうすると、今度は「その1」のチームが、世界2番目に最小と発表した「その2」は、いまのところ世界で2番目に小さいわけではございませんということになるのか。

 …ていうか、まあ、魚類の分類にたずさわっている方々は、
  「どれが世界最小の魚なんだ!?」
というようなギネス的イロモノ視点を目指して研究なさってはいないだろうわけで、「え〜と、ほかにもっと小さい魚っていたっけか、いない?」とかについては、あまりきっちり情報網ができてなかったりするんでしょうか。
 こんな感じの「ちょっとぉ ちゃうんちゃう???」とツッコミが来るような発表もありだったりするわけなのかな。

挿画

●●●小玉250●●●

 地球上最大のお魚については
   → 『史上最大のお魚「リードシクティス」がちょっと手抜き』




メタル


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