[ EP: 科学に佇む心と身体 ]

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北海道で探そう ビルの化石

カテゴリ[科学に佇む2006年] 2006/09/23
 これ一冊で、街ん中で化石探しができちゃいます!

◆左表紙
「北海道 探そう ビルの化石」

 木村方一・高久宏一
 北海道新聞社 2006年 [bk1]


 建物の床・壁・カウンターなどに使われている石材をよぉく見てみると、古代生物の化石の断面が発見できる!
 アンモナイトやウミユリ、貝の化石がふつーにデパートの床にごろごろしてたりするんです。

 この本は北海道各地の、どこのビルのどこにどんな化石が発見できるか、写真あり地図あり解説ありの、大変親切な冒険ガイドブック。

 駅降りてすぐ、街の中で化石見物。
 化石を探しに川をさかのぼったり山を登ったりする必要がないなんて! kampai

挿画
アンモナイトです。
札幌大通・地下街オーロラスクエア、沖縄物産「わした」さんの正面柱にある数センチの断面。

挿画
イタリアからいらした厚歯二枚貝さん。
札幌大通西8丁目の後楽園ホテル、一階エレベーターホールです。

 これら古代化石たちは断面になってしまっているので元の形はわかりづらい。
 生きていた頃はどんな形をしていたのか、それはどんな時代だったのか、そのあたりも「北海道 探そう ビルの化石」に詳しく図解付きで解説があります。
 いたれりつくせりのガイドブック。


●●●小玉7●●●

 で、さすがに現場はヨソ様のビルの中だったりしてまして、それを見物に行くには粗相があってはいけない。
 自由に出入りできる通路や、お客が出入りできるお店・デパートならいいんですが、中にはきっちり土日は休みますよ、みたいな会社のビルもあったりする。
 日程を確認して見に行かないと、
挿画

な感じで、

「あそこに見えそうなのに入れない〜」

と、玄関の外で指をくわえることになっちゃいます。

  oyaoya


挿画
 こちらはみごとなウミユリの断面。
 これは札幌三越の上のほうの階で、エスカレーターの手すり脇にある赤い石材です。

... 以下つづき...

〓〓〓 EP 〓〓〓

 まあ、このへんはまだわかりやすいからいいんですが、中には
   「これ…化石…??」
みたいなうすーいナニカ、ちいさーなナニカ、が化石だったりして、ほぼ心霊写真状態な物件もあります。ase2

 三越では階段でも壁材に↓たくさん化石の姿を見ることができます。
挿画
 …見えます?

●●●小玉7●●●

 一部、ビルの「関係者以外立入禁止」区域にあるすてきな化石が紹介されていたりします。
 ビルの関係者によれば「けっこう見に来られるお客さんはいらっしゃいますよ」だそうで、かねてより世間に存在は知られているらしく。
 とりあえず「関係者以外立入禁止」の場合は、関係者さんにひとこと「いいですか」とおうかがいしてから見学いたしましょう。

●●●小玉7●●●

 タモリ倶楽部nandakanaで小耳にはさんだところでは、建材の業界では、石材に化石が入っていると価値が下がってしまうことが多いとのこと。
 石材として期待された模様ではない部分があると、商品としてイマイチだったりするんでしょう。

 化石が含まれている石材は、大理石や石灰岩などの堆積岩。
 主な産地はヨーロッパなんだそうです。(「北海道 探そう ビルの化石」p.206-)
 で、函館から札幌から釧路から旭川から、たくさん紹介されているビル化石の写真を見ていくに、どうもこれとこれは同じ産地じゃないのか、けっこう石材の流通ルートも業者も限られているんじゃないかと思えてきて。
※ チェーン店などだと、各地の各店舗で同じ石材が使われていて化石が探しやすかったりすることもあるらしい。例えば東横イン。化石好き御用達のホテルだったりして?

 ネットショップで大理石建材を検索してみたけれど、なんかサンプル画像がちまっこい店が多くてよく視認できない。
 見るとすれば、大手業界用の印刷カタログや実物カタログ(石材の実物がファイリングされていてめっさ重い! たまにビル建築の現場事務所や設計事務所で見かける)あたり見たほうがいいんだろうなぁ。

●●●小玉7●●●

 いかんせん、ビルの化石は水ものな部分があります。
 例えば外壁、階段の壁材、内装の床材。
 古くなったとき、デザインを変えるとき、適宜工事されて新しい材料に差し替えられたりします。

 デパートなど複数のテナント(お店)が入っているビルであれば、テナントの撤退・入居の際に内装工事が入ってがらりと様子が変わったりもします。
 日々、「どこに化石があるか」の情報も更新が必要。

 こないだまで札幌大通パルコに見事なアンモナイト化石があったのに、内装工事でごっそりそれがなくなってしまった!(内装工事をやったおじさんたちが「あのお宝はオレんだぞ」と大事に持って帰っちゃいました)
 本に載ってないけど、こないだの札幌大通三越の工事で、一階の床がたくさん化石を含んだ見事な石で埋め尽くされて見ごたえがあるんだよ、とか。
挿画

三越に新しく登場したネリネアの化石。

一階の床そこらじゅうに化石が敷いてあってびっくり。


 巻末に著者連絡先も載っているので、「あそこの新築のビルにこんな化石が登場したよ!」と報告もできちゃいます。
 この本は、のちに情報をアップデートして新たな版を出す可能性もありますので、うまくすれば次の版で読者報告による新情報がたくさん収録されるかも。

 夏休み・冬休みの研究レポートにも手軽でたいへんおいしい一冊です。
 お子さんでも活用できるよう、フリガナもばっちりふってあります。

 なお、この本、現場の写真に化石のある箇所を図示してくれているんですが、なんぼか間違ったマーキングをしている場合もあるので、それなりに自分で探さなければならなかったりします。
 まあ、それもまた楽し。





メタル


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