[ EP: 科学に佇む心と身体 ]

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自殺を許す国、自殺者を貶す国

カテゴリ[科学に佇む2006年] 2006/06/22
 いま手一杯であまり長く書く気力がないんだけど、
●社会実情データ図録 Honkawa Data Tribune
 自殺許容度の国際比較(58カ国) 2000年調べ

 これ、日本では社会的責任関係の図式に自殺が組み込まれているから、みたいな見解に持って行かれているが、腑に落ちない。
 社会的責任関係の図式(ハラキリの延長)だけでアジアの自殺を読み解こうとすると、飽きず懲りずピンぼけの再生産になってしまうんじゃないか。
   → 『日本の自殺を語る異国の人々 』
 そも日本人の自殺者で「社会的責任で死んだ」比率は他国と比してどうなのか。
 「社会的責任で死ぬ」ばかりが自殺の要因じゃあないし。
 「サラリーマン」や「行政」のようなポジションに常日頃拘泥している人には、物事がついつい軒並みそれっぽく見えてしまうのかもしれないけれど。

●右画
 アジアと欧米、という安直なくくり対比に終始するのもなんだけれど
  此方・死者の死後のありようを慮りまくる(死後が日常の延長)、家族の内扱い
  彼方・死後は神(超常)に依託する、家族の外(他者扱い)
  此方・社会的関係性の延長で己のありようが存否まで左右される
  彼方・主体的自己の個であって関係は二の次、運命は他者の物ではない
とかまあいろいろ…   → 『東洋と西洋の心の違い』

... 以下つづき...

〓〓〓 EP 〓〓〓

 → 『真昼の悪魔』 によれば、
 ギリシャでは自殺者の死後はボロクソに扱われる。
 そしてギリシャではむっちゃ自殺が少ない。

 で、
 ●ネット 社会実情データ図録  自殺許容度の国際比較(58カ国)
を見ると、
 ギリシャと日本の自殺許容度はそんなに変わらない。
 でも、ギリシャの自殺発生はやたら少ない。

 同じ許容度で、自殺率が違う。
 ということは、「死んで本人がトクするか否か」が違うのではと。
 自殺に対する許容度が同じくらいであっても、「死後観」がいいか悪いかで、自殺率はむっちゃ変わる。と今の私には見える。

●右画
 日本でも、かつてはギリシャのように自殺者を貶しエンガチョし、それが、自殺の歯止めとして機能していたことがある。
民俗資料の中には、自殺者に対しては遺族がその遺体を口汚くののしりながら箒で叩くことが儀礼としておこなわれ、葬式の中に組み込まれていたという事例が見出される。
   → 『日本人の死の形』(自殺は感染する)


 そも、「救済の意味を帯びていなければ、自殺は選択されない」。
 「己が抱える物語の中で、救済の気配を帯びているものが、のきなみ選択肢として扱われる。それが自殺であろうと整形手術であろうと殺人であろうと、かまわない」てなもんなのであって。
 自殺を忌避すべきものだと考えるのであれば、「死者が幸せに暮らしている」という救いの語りをするな。
 自殺した者は、延々この世の煉獄をさまよっているのだ。
 さもなければ、安心して自殺をする者が続く。

 自殺者を言祝ぐ生者の言説が、人を死にいざなってしまう。
  → 『美容整形と自殺の共通点』


●人間は、幸福につながりそうな気配を帯びて見えるものは何でも試す動物。
 自殺も含め。

 自殺した者を甘やかしたらあかん。
 自殺者が安らかにしていると想像することは、生者を死にいざなう結果に終わる。
 自殺者は、延々煉獄で苦しみ続けるのだ。
 遺族は自殺者を苦しませるべきだ。

 そうすれば、自殺は減る。

「■」


 いまどきの日本は、「死者」がいまどうしているか、どうされたがっているか、やたら勝手に自己投影だの思いやりだの、一方的に共感幻想しまくりで。
 死者のことを生者的に都合よく想像しすぎ。
 おかげさまで、自殺企図者はそのぶんなんぼか安心して死ねたりしている。

 死後についての妄念に依存しすぎるのもあれだし、いや、ヒマだったら思いきりつっこんで書いてみたいのだけれど、そういう共感幻想や集団幻想と、その外にいる自閉存在とのそりの合わなさとか、書ききる余力がなくてずっと後回し中のままだ…。

 で、あまり長くも書いていられないので、今気になるのは「ギリシャの死後観を詳しく調べ述べた資料はどこかにございませんか」なのだけれど。


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