

『性別が、ない! 両性具有の物語』 ぶんか社コミックス 新井祥 (著) ぶんか社 (2005/09/30)
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『性別が、ない! (2) 両性具有の物語』 ぶんか社コミックス 新井祥 (著) ぶんか社 (2006/05/31)
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●元の掲載誌は「本当にあった笑える話」。
中身は笑える4コマ大量収録。
●で、抜きでは語れない「両性具有/半陰陽/インターセックス」の、あらましや導入など初心者にもわかりやすい顛末は、1ではなく「2」のほうに載っている。
「2」から読むのがオススメ。
「1」からでは、ちょっと話がイキナリすぎ&濃すぎ(「あちら基準」デフォルトに話が進む)なわけで、妙に残念感が残る仕様。
前置き・導入に持ってくるべき初期作品群が、当時の絵柄が作者的に収録しかねるレベルであるという理由で大幅描きなおしを経て「2」のほうに押し込められているのであって。
作者のナルシスム(美意識)が、内容より見てくれ(絵柄)を優先させちまったのか

●しかしまぁ、どうしてこう人間は「性」にかまけまくるんでしょうか。
性がアノマリーだと、話がもう大半「性」に集中してしまうような体裁になりがちってのは。
いやアノマリーに限らず頭ん中「性」だらけな人間も多いわけではありますが。
「女」や「男」にアイデンティティきっちり置いている人間も、「女として」「男として」性に大半かまけているんだろうけども。しかし。
androgynous 画像集
intersex 画像集 18禁●性アノマリーが、いきおい「性」の文脈でしか顕現せず、いきおい、
性アノマリー=性行為、エロエロ
みたいな印象偏向が生まれがちであるという指摘もあるけれど。
いかんせん欲=消費である現状では、欲(のうち大半性欲)みたいな需要基準、当然まずは性がウリ、で普通に流れていくんだろうけども。
性行為なしで性を描いてくれると、なんぼか恥ずかしがりさんには助かるんだがぁ。

●「あちら基準(性アノマリー当然なありよう)」といえば。
この漫画で描かれているのは、どっちかというとあっち的セレブ世界。
高学歴、知能職、都会、アーティスト系。
娯楽ものではあれど、つい、アーティスト系ではない市井生活で、都会ではない田舎世界で、高学歴ではないデキの悪い親の元で、両性具有は笑っていられるのかと。あっち的セレブ世界ではない、地べたのところで笑って暮らせている例という、そういうロールモデルは出てこないのかな、見せて欲しい、と思っても ・ まだ時代的に無理な注文なんだろうか? 層の厚さが足りない?
いや、個人に”代表”をさせるのはいろいろな意味であくどい要求なので、要求はのまれなくてもいいんだけど。

【アイデンティティというマスク】
●アイデンティティの話に戻るけれど、
自分を「**だ」と規定してしまうと、
何かと「同一化」「同じとみなす」をやると、
世界をのきなみ ソレ基準 で色分けして見始めてしまうことがある。
何を見聞きしても、ソレ基準で解釈して分類して評価してしまったり。
例えば「一般的な話」をしているのに「男女差別の話だ」としか読めない人。
「自分個人の話」をしているのに「世間の**たちのこと」と見做していちゃもんを送りつける人。(例えば「そのような言説は”仲間”に迷惑だ」と黒人が黒人に攻撃される、女性が女性に攻撃されるなど)
仲間。
自分側かあちら側か、しか眼中になく、それこそアノマリーを無視しているのか見えてないのか。
例えばクィアの話なのに、ゲイ基準でしか物事を云々できない人。
文化人類学の話なのに、日本基準でしか物事を云々できない人。
FtMとか国籍なんとか、既存の類型の範囲でのみ他者を規定しようとする人…。
自分を所属させたアイデンティティとその類型に目がくらむのか、アイデンティティに視野をマスクされるのか。
... 以下つづき...


かといって、そのズレをとがめあばくのも、「その人はそうすることによって自分自身のありようを救おうとしている、個人の中の物語であり世界観構造であり、なけなしの自助努力なのかも」と思うと、こちらの勝手な意向で構造(個人の物語)を壊しちゃうのも無粋でイケズのような気がして、つい放置とんずらしてしまったりする。
めんどくさいこともあるし、逆に自分側の物語を壊されるリスクを回避したいというのもあるし。
●半陰陽者主題では、しょうじようこ(生徒諸君)だっけ? の作品も話題らしいが、それよりずっと『性別が、ない! (2)』のほうが読みやすい。
どうもしょうじ氏の絵は、昔から個人的に受け付けない(すまないが、キモい)んで。
●『性別が、ない! (2)』でずっこけたのが、冒頭で「はぎおもと」を引っぱり出す親。 爆。
32の親だから50代? でハギオ?なのか? おいおい。(そんなとこツッコんでどうする)
●ふと思うんだが、インターセックスでは 自閉症 の発症率は …誰かデータ出してないのかな。
インターセックス的には第二次性徴以降の話であって、アスペ類とはまたなんぼか違う話になる、とかあるのかな。

●半陰陽の人生を紹介する。
自閉症の家族を紹介する。
マイノリティを紹介する。 ロールモデルを提示する。
本人が語るのでない限り、それは「こう見るべき」「このような話がある」という第三者の指示であって、個人の語りではないんじゃないか、「他者が指図する他人のありよう」でしかないのでは、と思ったりする。
極端なことを言うと、本人以外が「自閉症」や「両性具有」を描く場合、それは「イルカの気持ち」「胎児の意見」「脳死者からの要求」を描くのとどう違うのか、とか。
「こう見るべき」「このような話がある」、当人ではない人間からのご都合投影だらけのような…。
いや、「自閉症裁判」が喉に刺さったまんまなので…ねぇ。 つい。
●ああ、それと。
人間というものは、つくづく「他者からどう見られたいのか」にかまける存在なのだなぁと。
まあ、そこにかまける者が、かまけない者よりも交信の場にのさばりがちである、というしごくありていな部分もあるのだろうけれど。
●人は人生において何と同じに見られたがっているのか。
何として見られて生きていきたいか。
『性別が、ない! 』は両性具有のご本人が描いた。
男を演ってみたり女を演ってみたり、そしてそのはざまと、いろいろなありようを愉しもうとなさる。
検査&発覚前から趣味で「劇団」に所属していたというのが、なんとなく乙。
2冊合わせてこれだけ手軽に「あちら」が楽しめて1500円ちょい。
「2」だけならその半額。
かなりコストパフォーマンス高めです。 おすすめ。
個人的にはあっこにピアスと脱毛をほどこしたいと企んでいる今日このごろ。
2006/12 追記:3巻目でました

★人気: 『性別が、ない! 3』
新井祥 (著)
ぶんか社 (2006/12/20)

男でも女でもないご本人執筆の、なまなましさピチピチ4コマギャグ集第3弾。
今回は「男脳」と「女脳」の両方をおりおり体験してきた作者の貴重な実体験も披露されておりまして、認知機能の性差にかかわる学徒にはこれマストアイテム(?)。
へぇボタン:へぇ〜
と押してみるもよし●情報庫: ジェンダー、セクシュアリティ、同性愛

![[ EP: 科学に佇む心と身体 ]](http://homepage1.nifty.com/NewSphere/transparent.gif)







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