遺伝子自体には異変はないんだけど、”遺伝子の働き方”に影響を与えるナニカが、子孫の健康に影響を与えるよと。
遺伝子が働くか働かないか。
遺伝子がタンパク質作りに使われるか否か。
その違い、なにやら遺伝子に、使用基準になるような化学的なマークがくっついている、刷り込まれている。
「遺伝子刷り込み」、ゲノム・インプリンティング。
で、先週や今週、そのゲノムインプリンティングがらみの記事がいくつか流れていたので、

「X染色体 男と女を決めるもの」
デイヴィッド・ベインブリッジ著; 青土社 2004/10
原書2003年:The X in Sex
性染色体の謎と不思議をとても興趣深く開陳して下さる好著。
この本にも、ひとしきり「遺伝子刷り込み」の話が出てきます。
子どもに母からの遺伝子が出るか、父からの遺伝子が出るか、それはゲノムインプリンティングしだいで変わりうる。
ゲノムインプリンティングがらみで、
ターナー症候群 が登場します。・X染色体上に「社交性」に関係する遺伝子群がある。
・染色体が特別な取り合わせになっている病気がターナー症候群。
・ターナー症候群はX染色体が2つあるはずの女性が一個だけという異常。
・患者は、X染色体を父親から受け継ぐと、社交的な性格に。
・X染色体を母親からもらった患者は、人づきあいが不器用に。
・染色体が正常な場合は、女性はX染色体が2つ。
その2つのうち、ふつうは父親からのX染色体が作動する。
ゆえに女性は人あたりのよい性格が多め…
父さんと母さんからもらった遺伝子のうち、X染色体の「とある部分」が父さんからのが働くか母さんからのが働くかで、人間の性格が変わりますよと。
…女性の自閉症スペクトラムの場合、母さんからのがでしゃばってしまっているという例はあったりする?

「バイテク・センチュリー:遺伝子が人類、そして世界を改造する」
ジェレミー・リフキン
集英社
1999年 (1998/The Biotech Century)
p.207にもターナー症候群について記載あり。
で、どうして優先して遺伝子を働かせたり止めたりできるのか、「どれが父からでどれが母からか」何が目印になっているのか、
...以下つづき...

2005/12 ScienceWeek DEVELOPMENTAL BIOLOGY: ON INACTIVATION OF THE X CHROMOSOME
遺伝子にくっつく化学的マークって何。 何がプリントされている。
よく見聞きするのは「DNAメチル化」とやら。
追記2006/05:こんな本が出た
『ゲノムワイドに展開するエピジェネティクス医科学―DNAメチル化・タンパク質修飾の制御システムから疾患解明と創薬をめざした解析技術まで』 中尾光善 羊土社 (2006/05)
で、先週の記事。
劣性遺伝子押さえ込む メンデルの法則仕組み解明
2006/01 【日本語記事】 ヤフージャパン(共同通信)
劣性遺伝子のスイッチ「オフ」=植物のメチル化現象発見−奈良先端科学技術大など
2006/01 【日本語記事】 ヤフージャパン(時事通信)
遺伝子の働きを制御する部分に、炭化水素の一種が取り付いて「メチル化」するんだそうな。
メチル化すると、遺伝子スイッチが「オフ」になるんだそうな。
これは植物の「優性・劣性」の話だけれど、優性・劣性も、遺伝子にくっついたマークしだいですよと。
関連ブログさん
後天的な性質も遺伝する? :自然と人間を行動分析学で科学する(島宗氏)「ミジンコにおける獲得形質の遺伝」みたいなお話が紹介されております。
で、ここでもいちど、遺伝子だけじゃなく、遺伝子スイッチの入り具合までもが、遺伝してしまうんじゃないかというお話を挙げておいて。

こんな記事も流れておりました。
クローン幹細胞は、培養幹細胞と変わらない DNAで見る限りはねこちらは英語のポッドキャスト。
2006/01 EurekAlert Cloned stem cells prove identical to fertilized stem cells
2006/01 New Scientist Stem cells from cloned embryos keep genetic integrity
〜Science Friday Podcast
クローン動物でこんなに障害は頻発しているのに
クローン細胞に違いがない どこでオカシクなっているのか
やっぱゲノムインプリンティングなんだろうな
論文筆頭著者インタビュー
クローン動物が「遺伝子に異常はない」のに「障害出まくり」なのは、このゲノムインプリンティングがまずっているからじゃないかというのは、前々から言われておりまして。
クローンとゲノムインプリンティングに関しては、こちらのページがとてもお手頃。
ゲノムインプリンティング−世代に刻みこまれる時〜石野史敏 :生命誌ジャーナル 2003年秋号

この「たたり」を、獲得形質の遺伝だとみなしてしまえる可能性はどうなのか。
「ゲノムインプリンティング 獲得形質」でぐぐってみた。 けど。
これくらいかな。
「DNAメチル化とラマルク遺伝」 〜ワークショップ「エピジェネティクスとゲノムの進化」 日本進化学会2003年福岡大会
全然ヒット数少ないし。
うちのページが上位に来ちゃってるし。

まあいいや。
日本の進化学や進化心理学に対して言いたい放題の偏屈池田清彦殿。
現代思想2006年2月号 青土社 特集「ポストゲノムの進化論」
池田清彦+津田一郎 討議「新しい進化の可能性」
構造変化にゲノムインプリンティングは使えますか?
起きるべくして起こる変化。 群全体に、環境がゲノムインプリンティングを及ぼす可能性。
なんちゃってね。

![[ EP: 科学に佇む心と身体 ]](http://homepage1.nifty.com/NewSphere/transparent.gif)







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