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学歴と寿命、教育と健康度、困窮者と偏見

カテゴリ[科学に佇む2011年] 2011/12/27
平均すると、学歴の高さと血圧の高さに相関が出る

平均すると、学歴が高いと高血圧患者になりにくめ

教育を多く受けた人は、平均すると健康度が高め

低所得者層は進学率が低く、健康度が低めになりがち

今回は、「低所得者層の進学率と、進学の影響」についての報告のご紹介です。

● 教育を多く受けた人は、平均すると健康度が高め
● 学歴が低い人は、健康度が低めになりがち
● 学歴が低い人には、低所得者層が多め
● 教育を多く受けた人は、比較的ストレス対処が上手になる
● 学歴が低い場合、経済苦などの逆境ストレスが多い上に、ストレスの対処もうまくないというダブルパンチで健康度がそこなわれがち

について、並べます。

〓経済苦のストレスと生活習慣病〓

■ 高い教育を受けた人は、平均すると健康度が高めで寿命も長め

●今年のイギリスからの調査報告
●イギリス 2011/03 【日本語記事】UK Today (JAPAN JOURNALS)
 長生きしたいなら…高等教育がおすすめ!?
2011/02 BBC News Education reduces blood pressure
長期教育を受けた人は血圧が低め
2011/02 EurekAlert How education can save your life
 教育が、心臓病や循環器系疾患の発症率を減らす
 高い教育を受けた人のほうが、酒タバコ肥満などの悪い生活習慣も少なめである
2011/02 EurekAlert Advanced degrees add up to lower blood pressure
高学歴は低血圧:4,000人の男女を30年間にわたって追跡
 高等教育には寿命を伸ばす効果があるらしい
 低学歴は、ままならない仕事など、高ストレス生活の人生を招きやすい
 特に女性でこの傾向が強めだった:うつの発症が多いなど、片親生活や低所得の影響と思われる

●今年のアメリカからの調査報告
●アメリカ 2011/07 【日本語記事】BioToday
 教育レベルや世帯収入が低い若い成人は高血圧リスクが高い


 何にかぎらず「逆境にある状態」、つまり心理的ストレスなり、貧困なり、余裕がない状態に慢性的に置かれると、ヒトは病みます。
 この点については先日ひとしきり紹介した。

 → 『貧困ストレスで人間は細胞レベルから病んでいく』
  ┗ 逆境ストレスによって病みやすくなり、死亡率が高まり、寿命が縮む

 そのストレスで健康がやられる端的なあらわれが、血圧ですね。
 逆境ストレスで血圧がやばくなる件についても、いろいろひとまとめにして置いておきました。

 → ストレスと血圧から考える格差社会の寿命問題
  ┗ 高血圧で医療費がかさむ、認知症にもなりやすくなる

 ・進学する(高いレベルの社交経験を積む)と、ストレス対処がうまくなる
 ・ストレスに見舞われても、血圧が高まることが比較的少ない
 ・高血圧による認知症や心臓病など、病気が減る
 
〓経済苦のストレスと生活習慣病〓

■ 高い教育を受けた人は、生活習慣が良好でストレス対処も上手

 あくまで「平均した上で比較すると」という話になります。個人個人がどうのという話ではありません。
 大きな枠で見て、おおぜいをゴシャーッとまとめて平均して比較してみると、こういう傾向の差が出てくるよという話です。

 なぜこう、「個人にとってはあてにならない」調査をせねばならないかというと、個々人の生活レベルではなく、国の制度や共同体の社会を設計する上においては、おおぜいをゴシャーッとまとめた数値や調査結果を出して、大きな「傾向と対策」を練らなければならないからです。
●イギリス どうして高学歴の人は認知症になりにくいの?
2010/07 EurekAlert Why more education lowers dementia risk
2010/07 BBC News Education 'helps brain compensate for dementia changes'
 栄養とか裕福さとかは関係ない
 状況の変化に対応するスキルが高いからさ

●今月の調査報告
●アメリカ 学歴からみた死亡率の違い
2011/12 EurekAlert Study takes aim at education-based death rate disparities
 高学歴の中年成人より、低学歴の中年成人のほうが、死亡率がはるかに高い。そのわけは
 学歴が高卒以下の中年成人は、大卒の2倍死にそうである
 新しい危険要因が出てきたとき、学歴の低い者はなかなか生活様式を変えようとしない傾向がある
 生活習慣改善のための周囲のサポートとか、生活様式を充分に変えられるほどの経済的余裕とか、自己改善の心の余裕とか、健康についての知識とか、いろいろ恵まれていないことが多いため

 学歴が高くない人は、「あなた糖尿病になりますよ」「ここままでは体を壊しますよ」という情報がもたらされても、生活習慣を改善方向に持っていくことが少ないらしい。テレビで紹介されても、知人に心配されても、状況の変化に柔軟に対応できる割合が少ない
 なぜか。

... 以下つづき...


 学歴が低い人は「おおざっぱに平均して比較すると」学歴が高い人に比べて、健康に良い生活の方向へうまく動くことができていない。

 ちょっと微妙すぎる&最近疲れが酷いので、うまくまとめられないままずるずるしていたのだけれど、

●おしなべて比較すると、学歴が低いほうが寿命が短い
 ┣ 人間関係は、知識的にも経済的にも高い学歴で良質だろう
 ┣ 逆境にあると学歴も低めになりがち(本人の頭の良さに関わらず)
 ┗ 逆境が学歴を低め、低い学歴が逆境を呼ぶ・・・

 これ以外にもいろいろな要因と関係が考えられるわけで、
 もちろん、健康にハンデがある人が進学できない、というケースも有ると思う。
 知能にハンデがある人も、進学しづらく、健康管理もまずくなりがちだろう。

 しかし、同じくらい頭が良く生まれても、逆境によって頭が悪くなるとしたら?
 同じくらい健康に生まれついても、逆境によって寿命が縮むのだとしたら?
●たくさんの修道女たちについての長期調査より

「学歴が高いシスターほど、どの年齢でも死亡率が低い。修道女のライフスタイルはみんな同じなのにだ。教育には生命を守ってくれる効果があり、それは一生続く。」

~ スノウドン著 『100歳の美しい脳 アルツハイマー病解明に手をさしのべた修道女たち』

 単に「頭が悪いと健康も悪い」という話ではなく、身体や頭の良し悪し以上に、環境影響が大きいのではないか。
 幼いときの貧富によって進学できたかどうかの差がついた、のだとしたら、幼いときの逆境が多かった者の方が、進学できず加えてストレスによる健康度が損なわれている割合も高いだろう。

 → 『 逆境ストレスによって、寿命が縮む 』

 健康についての知識がとぼしいとか、人間的サポートが不十分とか、いろいろ余裕がないとか、あるだろう。
 それ以上に「生育過程における生き方の刷り込み」も大きいのではないか。
 という話に、以下持っていくわけですが。

 何はともあれ、こうしておりおりアップしている一連の「貧困や格差という逆境の影響」シリーズは、行動遺伝をめぐる環境影響の資料として挙げておりますので。

→ 『 自分の将来に刷り込まれる社会観の妙 』
 ┗ 「自分が社会(人間の群)の中で、どの程度有効性を発揮できるのかの直感的・感情的な枠組み」が、幼いときに経験した立場によって刷り込まれる

 「生育過程における生き方の刷り込み」。
 育つ過程で長子だったか一人っ子だったか末っ子だったかで、かくも「物の考え方」が違ってきてしまう。将来の選択の仕方が違ってきてしまう。

 では、高学歴と低学歴の違いの場合、これは刷り込みのなにが違うのか。

〓経済苦のストレスと生活習慣病〓

■ すさんだ行動規範

 健康度や寿命をのばす方向には働かない生活態度・生活習慣。
 これをあられもなく一言で表現すると、「すさんだ生活」ってなことになるようで。
リチャード・ウィルキンソン●本 『格差社会の衝撃 不健康な格差社会を健康にする法』

p205
 あるサーベイによれば、年収1万ポンド以下の家族では、年収2万ポンド以上の家族よりも日々の口論は2倍も多い。
 夫婦間の争いや、家庭内暴力(DV)、母親の鬱、問題行動のある子供、子供のコルチゾール値は、貧しい家庭の方がストレスが大きいことを示している。

 家庭内暴力や母親のうつに晒された子供たちは、大人になってから暴力的になる確率が高くなる(もちろん、この種の研究の多くは男の子に関するものである)。
 所得格差が拡大し、相対的貧困が増大すると、より多くの子供たちがストレスの高い家庭で育つことになるだろう。

●アメリカ 暴力的な家庭で育った子は暴力的になりがち
2011/03 EurekAlert  Seeing and experiencing violence makes aggression 'normal' for children
暴力を見たり、経験したりした子は、攻撃行動を「あたりまえなもの」とみなすようになる。
 暴力は正常な行動なのだと思う子ほど、他者に対して攻撃的に振る舞いがち

 穏やかな環境や、温かい人間関係のもとで、集中力や学習力が強まる。
 ストレスに晒されている子は、心が平穏で安心感をもっている子よりも学習に苦労する。

  ~●本『オキシトシン 私たちのからだがつくる安らぎの物質』

 親が逆境ストレスを食らっていると子どもがどうなるか、前にも紹介しましたよね。
 → 『 余裕のない家庭は子どもが萎縮する:格差ストレス 』

 もひとつ。
 家庭だけではない。
 人は往々にして、学歴が同じくらいの人と長く付き合うハメになることが多い。
 学校しかり、社会然り。

■ エリアの影響

 → 余裕のなさは「世間」からもやってくる
  ┗ お宅の経済状態にかかわらず、近隣の経済状況が心理的影響を及ぼしてくる

 エリアと言うか、地域と言うか、近所と言うか、もしくは通っている学校のレベルと言うか。
 ヒトの言動は、周囲に影響されやすい。
 周囲の人々からの影響はかなり大きい。
●アメリカ 低所得者層エリアでは、子供が高校を卒業する可能性がかなり小さくなる
2011/10 EurekAlert Study: growing up in bad neighborhoods has a devastating impact
 子供がそのエリアに長く住めば住むほど、影響は深刻
2011/10 Growing up in bad neighborhoods has a 'devastating' impact
地域の質は、ヒトの生育上に「破壊的な」影響力を及ぼします

 多数派は、自分たちのありようや自分たちの将来展望を、正当化するような理屈を共有して編み出していく。
 「おまえ、そんなに勉強していい点取ろうってのかよ。いけすかねぇなぁ!」
 「なんでそんな上品ぶるのよ、気っ持ち悪い!」
 「どうせ出世なんかデキやしないんだから。」
●アメリカ 良い点を取ると被る社会的なコストを黒人社会に見た!
2010/11 EurekAlert Social costs of school success are highest for blacks, U-M study shows
 成績が良いアフリカ系アメリカ人とインディアンの子は、白人、アジア系、スペイン系の若者より「ガリ勉オタク」よばわりされがちだ

 デキが悪いありようを仲間どうしの勲章としてひけらかしたり、成績のよい仲間の足を引っ張って同じレベルにとどまるように仕向けたり・・・

 これ「成績」で見ると抵抗感が強いかもしれませんが、「健康」でも同じ機序が働きます。
 肥満体の友人が増えた子は、肥満する傾向があります。
 喫煙や飲酒も、「非行」の代名詞みたいなもんですね。

〓経済苦のストレスと生活習慣病〓


この箇所へのリンク
 頭が良く生まれついても、逆境で育つと脳の発達がそこなわれるおそれがあります。
 良い学校に行けないと、階層の上に登ることを阻むような規範にとらわれかねない。
 所得の低いエリアでは、恵まれた暮らしにつながるようなロールモデルに出会えない。
 自分は何ができそうか、どこまで能力を発揮できそうか、の自己有効感が損なわれる。

■ 長期的には逆効果となるストレス解消方法を続けてしまう

 どうにもならない逆境に陥った。
 自由にならない、思い通りにならない、うまくいかない!
 ストレスを受けてまいってしまったときに、どのような行動を取るか。
  ・酒でも飲まねばやってられない
  ・タバコの本数が増える
  ・周囲に当たり散らす
  ・独り黙って引きこもる
 社会階層が下のほうになると、わりとこの手の行動が「カッコいい行動」として共有されてたりします。
 これ、残念ながら、全部健康に悪い行動です。
 心にも身体にも悪い。
 なのに、ストレスを受けてやってしまうことが、この手の行動。

 これは長年に渡る社会的蓄積の賜物というか、「目先のストレス発散に走り、長期的には逆効果となるようなストレス対処規範」をやった人が、社会階層の下に落ちてくる結果でもあります。
 堕ちてきた人の規範が共有されることによって、堕ちてきても仕方がない目に遭う人を再生産していく。

 まずい行動→まずい結果→まずいエリア→まずい規範の共有→まずい行動・・・

●カナダ 貧困家庭の[恵まれない]子供たち
 幼年期の攻撃性、社会的落ちこぼれ、および劣悪な社会経済状態が、成人期の幸福度に影響を与えうるかどうかを調査
2010/11 EurekAlert Disadvantaged youth more likely to be high-school dropouts, young parents and poor adults
 貧しい子は、高校を中退しやすく、早く子どもを持ち、貧しい大人になる率が高い

●イギリス ろくな職に就けないなら子どもでも産むか
2006/07 BBC News Teenagers 'choosing motherhood'
Many teenage girls see having a baby as a better option than a low-paid "dead-end" job

 「生育過程における生き方の刷り込み」。
 自分に何ができそうか、その自己有効感が、周りの人間のありようによって強く影響を受ける。自分の将来の姿を、周囲に重ねてみてしまう。

→ 『 自分の将来に刷り込まれる社会観の妙 』
 ┗ 「自分が社会(人間の群)の中で、どの程度有効性を発揮できるのかの直感的・感情的な枠組み」が、幼いときに経験した立場によって刷り込まれる

●アメリカ 2011/02 【日本語記事】ワイアードビジョン
 幼児教育が人生に与える影響:研究結果

 低所得層のアフリカ系米国人を対象に、幼児教育の影響を40年間にわたって調べた研究等を紹介。
 就学前教育を受けた子どもたちは、最初のうちは一般知能の向上を示したが、この傾向は小学2年生までに消失した。
 代わりに就学前教育は、さまざまな「非認知的」能力、例えば自制心や粘り強さ、気概などの特性を伸ばすのに効果があったとみられる

 信頼できる人間性こそ雇用者が最も評価する特性であり、「粘り強さや信頼性、首尾一貫性は、学校の成績を予測する上で最も重要な因子」だ

 就学前教育のみならず、高等教育は、生活習慣を改善するモチベーションの礎となる知識や、適切なストレス解消法を身につけさせてくれる。

〓経済苦のストレスと生活習慣病〓

■ ストレス解消法の階層差

 社会階層の下、もしくは相対的に下と感じられる立場では、逆境要因がなくても逆境感とストレスが強くなる。
 でもって、社会階層の下のほうでは、ストレスが強い割には、ストレスの解消の仕方が概して下手だったりするらしい。

 極端なところ、非行少年(もしくは非行おっさん)がやりそうなストレス解消パターンと、非行少年がやらなさそうな(ええとこの子がやりそうな)ストレス解消法を考えてみるといいかもしれない。
家庭内菜園や園芸趣味は、精神的にしんどい大人達のストレスを緩和してくれます
2011/12 EurekAlert Planting improves heart rate, stress levels of mentally challenged adults
 押し花づくり、生花、植木の剪定・・・ 自律神経系の調子も良くなったみたいです

2009/06 PhysOrg Music may have a future role in heart and stroke patient rehab
音楽は、心臓病や脳卒中患者のリハビリで未来役割を持つ可能性がある
 音楽は、血圧コントロールやリハビリテーションに有効なツールっぽい

2011/03 【日本語記事】BioToday
 笑いを促す介入や音楽を楽しむ介入の血圧低下効果が示された

超越瞑想は血圧を下げるのに効果的
2007/12 EurekAlert  Transcendental meditation effective in reducing high blood pressure, study shows

TM瞑想は、高血圧の治療に効果的である
2008/03 EurekAlert Meditation impacts blood pressure, study shows
 瞑想なら、血圧降下剤の副作用を心配する必要とかないよ

2007年6月【日本語記事】読売新聞 代替医療は効くのか
 瞑想で血圧が下がる

ペット一つで医者要らず
2009/09 EurekAlert A pet in your life keeps the doctor away
 ペットを飼うだけで、こんなに効果
 血圧を下げる、運動を奨励する、心理的な健康状態を改善する

 お花、ハイソな音楽鑑賞、瞑想、談笑、ペットかわいがり・・・どれも非行少年(もしくは非行おっさん)にさせるってぇと、ふつうに「笑いの種」にされる。さほどに「不似合い」とされるほどに、彼らはストレス解消行動が違っている。
 酒、タバコ、ギャンブル、暴力で、ストレス発散・・・

ハイソな趣味を嫌う ←ハイソではない行動で体を壊す ←体をこわすような趣味を正当化するような規範を作る

 そんな彼らをターゲットにしたメディアでも、破滅方向への規範をカッコよく描いてたりするわけで・・・

 ストレスの解消の仕方がまずいだけじゃない。
 危険な行為によって仲間どうしの秩序を確認したがる傾向もあるわけで、いきおい負傷率も高まります。
 男性の若者は、自分が早死にする率が著しく高いということを叔父や叔母、隣人、知人を見て学んでおり、それについての現実的な価値判断を下し、それにあわせて将来を割り引いて見ているのである。

 ~p120 『ステータス症候群 社会格差という病』

 格差感が強くなると、格差の下のほうでは現状維持より、危険をおかしてチャンスに賭けるリスクテイキングが有利・・・というか、一縷の望みになりうる。富裕層にしてみれば、そんなのは無謀でバカな行為でしかないのだけれど、実際問題、格差拡大の下のほうでは、そんな無謀な行為が希望に繋がるような世界に生きていたりする。

 将来の希望が細く脆いぶん、「どうせ」感が、太く短く的な規範を醸成していく。

 今は悪い子とされていても、余裕がある中で育っていれば、悪循環が解消されて人生は好転していたかもしれない人々。

〓経済苦のストレスと生活習慣病〓


 「貧窮者は自分たちとは種類が違う人間だ」と考える人は、貧窮者を助ける方向に動くことは少ない。

→ 『 平等主義者が偏見を持っていると悲惨 』
 ┗ 困窮者に対して最も冷たい態度をとったのは、「本人が怠けているからだ」とみなす平等主義者たちだった。

 しかし、実際問題、同じ国で同じ国民として同じ経済社会を共有してしまっているからには、その社会の成員に逆境ストレスで能力が発揮されない状態の者が増えることは、すなわち社会全体のマイナスになる。だからこそ、国は福祉に力を入れる。
 政治家の票稼ぎじゃないんだよ、基本、国民(さらには社会全体)の底上げのために、教育なり福祉なりは必要なんだ。同じボートに乗ってしまってるんだ。

〓経済苦のストレスと生活習慣病〓




以前に紹介したお話のおさらい。

● 逆境ストレスによって、「人間」は病気になりやすくなる
● 逆境ストレスによって、「人間」の脳機能はハンデをこうむる
● 逆境ストレスによって、「人間」の社会的行動が悪化する
● 逆境ストレスによって、「人間」の死亡率が悪化する、寿命が縮む

● 逆境下にある人たちが構築&共有する社会環境や将来観も、さらにマイナスに作用する
● 逆境ストレスは、「自分は救われていない」「将来が暗い」などの逆境感によっても発生する
  格差のみならず「国がヤバい」「環境がヤバい」などの社会的不安によっても発生する
● 格差や逆境感が強まると「ヤツらに自分らは搾取されている」的な敵対思考が増える
  政治不信、生活保護受給者は税金を搾取している言説、近隣他国に対する噴き上がり・・・
● 「将来の希望を失う」逆境感が強すぎると、無力感によって何もできなくなることがある。
  結果、引きこもりとか。
  逆に逆境感が強すぎると、攻撃行動に出る場合もある。
  結果、犯罪とか。

 一連のシリーズは、行動遺伝(遺伝と素質の研究)の資料(環境影響)です
 出来が悪いのは素質のせいだと「ゆとり」されることに対する牽制です。

● 逆境感は、誰かが支えてくれている/わかってくれている感があると、かなり軽減する。

 → 『幸福になる科学的方法』
 ┗ 幸福になる2大秘訣。
    その1:良い人間関係にあること
    その2:お役に立てた感があること

 社会成員たちは互いに「この社会を共有している」。
 この観点、お持ちですか?

 異なる階層・立場の人のことを「ヤツら」と切り離して見ていると、自分の社会全体が悪化の一途をたどる現状を看過することになりかねない。
 
〓経済苦のストレスと生活習慣病〓


今回のお話。

● 教育を多く受けた人は、平均すると健康度が高め
● 学歴が低い人は、健康度が低めになりがち
● 学歴が低い人には、低所得者層が多め
● 教育を多く受けた人は、比較的ストレス対処が上手になる
● 学歴が低い場合、経済苦などの逆境ストレスが多い上に、ストレスの対処もうまくないというダブルパンチで健康度がそこなわれがち
● 環境影響は看過できない

この箇所へのリンク【関連報道:追記】

学校に通う期間が長いほうが知能指数が高くなるっぽい
2011/12 BBC News More time at school 'boosts IQ'
 義務教育期間を2年伸ばしたところ、元の知能や家庭の状況などにかかわらず、卒業数年後の知能指数が高めになった
 一年長ければIQが3.7ポイント高まる
2012/05 【日本語記事】BioToday より長く教育を受けた人の方がより長生きするようだ
 1949-1962年に義務教育期間が8年から9年に1年間延長されたスウェーデンの120万人超のデータ
2012/05 news@nature.com Sweden's enormous education experiment improved longevity

格差感が、じわじわと心身の健康を悪化させていく
2012/05 Income inequality leads to more US deaths, study finds
 所得の不均衡が強まると、健康度が低下し、死者が増える
 アメリカ合衆国の所得の不均衡の高まりが長年にわたって実際に国の、より多くの死につながるというこれまで最も良い証拠


家庭内教育と貧富

◆頭のでき 決めるのは遺伝か、環境か◆格差社会の衝撃 不健康な格差社会を健康にする法◆ステータス症候群 社会格差という病

 このシリーズ、ゆるゆる長々と続けてきたけれど、あと少し、落穂拾い的な項目が手元に残ってます。

●経済教育で金銭感覚を向上させると救われうる
●低所得者層の教育環境ハンデ解消
●生活保護
●課税設計

書けるかどうかは、今はわかりません。

家庭内教育と貧富

  2011年12月27日  RSSフィード RSSで次回の記事もお楽しみに


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