
「図説 馬と人の文化史」
J. クラットン=ブロック 清水雄次郎訳
東洋書林 1997
[bk1]

この中に、ウマの性能をアップさせるために
「鼻孔を切り開く」
慣習が紹介されている。
切り開く!
開いた傷はそのまんま。
本書には右の落書きよりずっとリアルな被害馬の図像がいろいろ。
紀元前一三五〇年頃の古代エジプトですでに施術の記録があり、延々現代でもエジプト含め「呼吸を楽にするため」にウマやロバに対して鼻孔切開は行われている地方があるとのこと。
さて。
これについて記しているサイトはあるだろうかと検索してみたらなかなか見つからない。
日本じゃ情報を拾うのは無理なのかな。 検索、「鼻孔切開」ではだめ。
「horse nostril cut」ダメだ、「cutting nostril」ダメ…
「horse nostril slit」 あ、やっと見つけた!
馬好きコミュニティ Newrider.Com の掲示板ですね
...以下つづき...

そうか、「Nostril Slitting」か。Identifying Grasses
【2002年1月のViv氏の書き込み】
鼻孔切開は大昔からの慣習で、中世まで行われていた。
当時のハミが、鼻孔を押さえつけて呼吸をしづらくする仕様であったため、鼻孔を切り開いて呼吸をしやすくする目的だった。
ふむ、ご存じの人にはすでになじみの風習らしい。
↓こちらは動物病院の動物愛護サイト。
痛々しい写真!!Voiceless Victims Of Superstition 【迷信の犠牲になる動物たち】
「鼻孔切開」麻酔もなしに刃物で動物の鼻孔を切り広げる飼い主さんたちがいますが、呼吸を楽にさせるどころか、苦痛と感染症で動物を痛めつけることになってしまいます。Mutilations 鼻孔を切り開かれたロバ
Appeal to end horse mutilations - Horse & Hound Online
馬やロバの鼻孔を切開する悪習は今もパキスタンやインド、エジプトなどで行われている。
施術直後の馬。

でも、「nostril slitting」でウェブを検索してひっかかってくるのはこの特定の”動物病院”がらみの記事ばかり。
欧米においても「馬を鼻孔切開する慣習」は全然知られていないのか。
それとも「nostril slitting」ではないもっと別の呼称で沙汰されているのかな。

さらに興をそそるのが、本書のこの記述。
「図説 馬と人の文化史」 p.107【17世紀の旅行記からの引用】
> 私たちがアラビアを発ってまだ短い道のりをこなしたばかりのとき、ショーターの雌馬は、突然死んだように倒れてしまった。彼はただちにその鼻孔を切り、何かどんぐりのようなものを、目に通じる涙管から切り取った。ついで彼は、その目と鼻孔に粉にした塩を投げ入れた。この後、馬は回復し、再び旅を続けることができた。
これはどうなんだろう。
上の”動物病院”が言う「迷信」以上の有効性が、なにやら見て取れるんだが。
現代の飼い主が行う施術と、当時の民族医が駆使する知恵は軽々に混同しちゃいけませんし。
今昔を混同してのきなみ「迷信」としてしまったら、昔の知恵に光を当てるチャンスを逃してしまうかもしれない。
え〜と、どっちにしろ現代ではやんないほうがいい風習ではあるんでしょうけど。
でもくだんの”動物病院”の主張にはどうも

「図説 馬と人の文化史」 は図版も豊富、話題も豊富、いろいろなウマのお話、由来来歴が紹介されています。
兵馬俑のウマの話や、漢の時代の名馬
汗血馬と寄生虫の関係 なども折り込み済み。ウマ好きさん動物好きさんはぜひチェキどうぞ。

![[ EP: 科学に佇む心と身体 ]](http://homepage1.nifty.com/NewSphere/transparent.gif)







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