[科学に佇む心と身体]

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心、幸福、自閉症を読み解く(今年の落穂拾い三冊)

カテゴリ[科学に佇む2011年] 2011/12/09
◆性格のパワー 世界最先端の心理学研究でここまで解明された
 『性格のパワー 世界最先端の心理学研究でここまで解明された』

 村上宣寛 日経BP社 (2011/6/16).

damedaroo 懐疑論好き用の小理屈だらけ。
 性格のパワーの話は終章に分析的においてあるだけ。
 基本的に読んでて楽しい内容の本じゃない。もとより楽しい内容の本を書く人じゃないし。
 どう記述すれば読者の心をつかめるかを、心理学者が把握しているわけではない(心理学者の心理知らず)という好例。
 本書を元に、誰かライターさんが書きなおしてみるのもいいかもしれない。

しかし、なんでこの本は人気があったんだろうか。読者層の性格を調べてみたくなるよ。

書評&読書感想文

◆しあわせ仮説 古代の知恵と現代科学の知恵
 『しあわせ仮説 古代の知恵と現代科学の知恵』

 ジョナサン・ハイト著
 新曜社(2011/7/6).

dowen なんか中途半端にフワーとした記述が多い上に進化生物学の解釈がおかしかったり・・・
 原書が古いのか。 『The Happiness Hypothesis: Finding Modern Truth in Ancient Wisdom』 、2005年の本だったらしい。

 幸福感についての科学的知見を見たいなら、ネトルの『目からウロコの幸福学』や、ダニエル・ギルバートの『幸せはいつもちょっと先にある 期待と妄想の心理学』から入るほうがずっと建設的じゃないかな。
 → 『 進化心理学的相対主義者が語る「目からウロコの幸福学」 』
 → 『 幸せはいつも妄想のちょっと隣の心理学 』
 → 『 幸福になる科学的方法 』

書評&読書感想文

◆自閉症スペクトラム入門 脳・心理から教育・治療までの最新知識
 『自閉症スペクトラム入門 脳・心理から教育・治療までの最新知識』

 サイモン・バロン=コーエン著
 中央法規出版 (2011/08).

 原書は2008年の 『Autism and Asperger Syndrome (The Facts)』

 「The Facts」と銘打たれているだけに、きれいにできている。goo
 要は、入門者向けの「理論書」。
 長年自閉症研究のフロントを走り続けてきた専門家として「義務的に出したのか」と受けとりたくなるほど、一種事務的な内容。エンタメ要素や懐柔要素は期待しないように。
 (入門者用に事務的な理論書って・・・? アスペ思考の読者を想定してるのかな)wink

 → 『 男脳、女脳、自閉症:共感脳システム脳とバロン=コーエン 』

自閉症スペクトラム


この箇所へのリンク【追記】

 この『自閉症スペクトラム入門 脳・心理から教育・治療までの最新知識』(原書2008年)に関しては、当時、欧米で自閉症関係のムーブメントが盛り上がっており、その一環として、バロン=コーエンが必要十分な資料・材料をまとめ巷間に提供した、という流れのものではないかというご指摘(慧眼!)をいただきました。

リンク @east_j_higashi
 ┗ 当時は「Autism Act2009」成立に向けて、自閉症関係者の動きが活発だった時期

リンク 東島仁 「指摘された差異と,その波紋 - 自閉症スペクトラム障害概念の変遷を辿る」 (2011)

リンク @inotti_ele
 ┣  イギリス+イタリア自閉症サミット2008
 ┗  国際自閉症サミット第一回(2008)


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