
『性格のパワー 世界最先端の心理学研究でここまで解明された』
村上宣寛 日経BP社 (2011/6/16).
懐疑論好き用の小理屈だらけ。性格のパワーの話は終章に分析的においてあるだけ。
基本的に読んでて楽しい内容の本じゃない。もとより楽しい内容の本を書く人じゃないし。
どう記述すれば読者の心をつかめるかを、心理学者が把握しているわけではない(心理学者の心理知らず)という好例。
本書を元に、誰かライターさんが書きなおしてみるのもいいかもしれない。
しかし、なんでこの本は人気があったんだろうか。読者層の性格を調べてみたくなるよ。


『しあわせ仮説 古代の知恵と現代科学の知恵』
ジョナサン・ハイト著
新曜社(2011/7/6).
なんか中途半端にフワーとした記述が多い上に進化生物学の解釈がおかしかったり・・・原書が古いのか。 『The Happiness Hypothesis: Finding Modern Truth in Ancient Wisdom』 、2005年の本だったらしい。
幸福感についての科学的知見を見たいなら、ネトルの『目からウロコの幸福学』や、ダニエル・ギルバートの『幸せはいつもちょっと先にある 期待と妄想の心理学』から入るほうがずっと建設的じゃないかな。


『自閉症スペクトラム入門 脳・心理から教育・治療までの最新知識』
サイモン・バロン=コーエン著
中央法規出版 (2011/08).
原書は2008年の 『Autism and Asperger Syndrome (The Facts)』
「The Facts」と銘打たれているだけに、きれいにできている。

要は、入門者向けの「理論書」。
長年自閉症研究のフロントを走り続けてきた専門家として「義務的に出したのか」と受けとりたくなるほど、一種事務的な内容。エンタメ要素や懐柔要素は期待しないように。
(入門者用に事務的な理論書って・・・? アスペ思考の読者を想定してるのかな)


【追記】この『自閉症スペクトラム入門 脳・心理から教育・治療までの最新知識』(原書2008年)に関しては、当時、欧米で自閉症関係のムーブメントが盛り上がっており、その一環として、バロン=コーエンが必要十分な資料・材料をまとめ巷間に提供した、という流れのものではないかというご指摘(慧眼!)をいただきました。
@east_j_higashi
┗ 当時は「Autism Act2009」成立に向けて、自閉症関係者の動きが活発だった時期東島仁 「指摘された差異と,その波紋 - 自閉症スペクトラム障害概念の変遷を辿る」 (2011)
@inotti_ele
┣ イギリス+イタリア自閉症サミット2008
┗ 国際自閉症サミット第一回(2008)


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