●逆境ストレスと血圧
についてまずまとめておいたほうがいいかな、ということで、以下、血圧のお話。


血圧の上がり下がりには、ストレスとか余裕のなさとかが、密接に関係することはよく知られていますよね。
「そんなにカリカリしていると血圧が上がるぞ」的な認識は、ふつうに広く共有されていると思います。
でもって、高すぎる血圧は、健康に良くないこともけっこう常識。
一応その点をダメ押しに確認しておくための、資料並べです。
■ 物理的なストレス(逆境感)
はい、まず具体的な外的ストレス要因です。
交通騒音がひどい地区だと血圧が上がるかも
2009/09 BBC News Road noise link to blood pressure
空港の騒音は就寝中の血圧を上げる
2008/02 BBC News Sleepers 'at risk' from jet noise
2008/02 ABC@オーストラリア Airport noise lifts blood pressure as you sleep
2008/02 UK Today (イギリス) 航空機の夜間の騒音は殺人的!? 高血圧症が空港周辺住民で50%アップ.
騒音。
これは地域の住民がのきなみ皆さん受けてしまうストレス要因の代表格ですね。
影響範囲がわかりやすく、調べやすいとも言える。
そんな逆境ストレスの強い場所にお住まいになるのは、概して社会階層の低い貧困層の人たちだったりしてしまうんですけども。

■ 血圧が高いとそのぶん・・・
2010/09 【日本語記事】朝日新聞
男40歳の不摂生、命もお金も損 高血圧などの影響調査
高血圧の40男は、平均余命は1.7年短く、生涯医療費は約376万円多くかかる.
ふんだりけったりです。

逆境に置かれると、よけいに逆境が忍び寄ってくる。

■ ストレスと認知症
逆境感がもたらす高血圧は、身体のみならず、心までをもむしばみます。
いわゆる「心が病む」以上に、脳の機能がやられていく。
高血圧は、高齢者が明瞭に思考することを難しくさせる可能性がある
2008/12 EurekAlert High blood pressure may make it difficult for the elderly to think clearly
ストレスで頭の回転が遅くなってしまう高齢者さんがいるかも知れない
血圧130以上の高齢者さん、テンパッて血圧が急上昇すると「帰納推理」の認知機能テストの結果が悪化した
平均血圧がふだんそんなに高くない高齢者さんでは、血圧の急上昇でもテスト結果に変化はなかったんですけどね
「帰納推理」は、なじみのない情報で柔軟に解決策を見つける能力。
血圧の上がるテンパり状態で「帰納推理」がダメになるってぇと、かなりまずい事態かもしれない
高いコレステロールと高血圧は、中年期に早くも記憶障害を引き起こす
2011/02 EurekAlert High cholesterol and blood pressure in middle age tied to early memory problems
高血圧は、脳の白質の異常を増加させて、女性の認知症リスクを高める気配
2010/01 EurekAlert Dementia linked to high blood pressure years earlier
2010/01 EurekAlert Hypertension linked to dementia in older women
高齢の女性では、高血圧と認知症の発症に相関が見られる
【追記】さらにその後の記事追記;
2011/11 EurekAlert Hypertension affects brain capacity
高血圧は脳のキャパシティに影響します。
認知症と軽度認識障害は、影響を及ぼす
高血圧は、心臓病だけでなく、脳の質にも影響を及ぼしてくる・・・
ストレスは、高血圧を招く・・・
逆境感は、ストレスになる・・・
... 以下つづき...

■ 心理的なストレス(支えがない孤立感/逆境感)
心理的な逆境感も、ばっちり血圧に悪影響を与えます。
「無縁社会」的高血圧
2010/03 EurekAlert Feeling lonely adds to rate of blood pressure increase in people 50 years old and older
慢性的に孤独を感じている50歳以上さんは血圧が高めになりますよ
孤独=高血圧 @高齢者
2006/03 EurekAlert Loneliness linked to high blood pressure in aging adults
心理的な余裕のなさ、生活の苦しさは、人的つながりをも損ないます。
もともと人的つながりが苦手な人も、逆境に陥って生活の余裕を失った人も、「人から感じる心理的な支え」感がなければ、等しく健康が削られていきます。

■ 逆境であってもストレスを軽くするすべは・・・
逆境にあっても、いろいろな意味で人間に恵まれていれば、なんぼかダメージは防ぐことができる。
良い家族は仕事のストレスを癒してくれる
2005/09 BBC News Spouse support cuts job stresses
2005/09 EurekAlert Supportive spouse may reduce effect of job strain on blood pressure
職場の高いストレスで血圧が上がってても、ご家族と仲が良いなら、家庭に帰れば血圧は下がるんです
健康状態優良な妊婦さんは強い連帯感に支えられております
2010/08 EurekAlert Healthiest pregnant women feel a strong sense of community
逆境に置かれがちな、黒人妊婦さんや低所得者層の女性、ストレスや血圧が高めです
でも、地域住人たちとのおつきあいが厚いなら、それらマイナス影響は少なめなんです.
人とのつながりがあるかないかで、心理的な逆境感も血圧も大きく違ってくる。
では、どうすればいいのか。
逆境にめげることなく逆境ストレスをなんぼか軽くできる方法などについては、次回にまとめを持ち越した
『低所得者層の進学率と、進学の影響』
の中で紹介いたしましょう。


以上、今回は「血圧」を軸にした調査報告並べでした。
ほかにも、逆境感やストレスが心や体をむしばむこれら現象については
┗ 病気になりやすく、寿命が縮み、死亡率が悪化する
┗ 子どもの脳の発達が損なわれ、頭が悪くなる
にも並べてあります。
次回『低所得者層の進学率と、進学の影響』は、
● 知能程度にかかわらず、教育を多く受けた人は、比較的ストレス対処が上手で、平均すると健康度が高め
● 低所得者層は進学率が低め
● 低所得者層は、ストレス過多生活&ストレス対処下手で、健康度もまずいときたもんだ
について、並べますよ。



【その後の関連記事 追記】2012/02 EurekAlert New research shows childhood adversity causes changes in genetics
逆境が幼年期に遺伝的変化を引き起こす
幼年期の心理的困難の後生的な影響

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