[ EP: 科学に佇む心と身体 ]

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日米安全保障条約を解消し、在日米軍は引き上げた

カテゴリ[科学に佇む2009年] 2009/06/25
 前に、異国の歴史についてヒドい描きようをしている映画があって、そのひどさを「日本に当てはめてみるとどうなるか」という遊びをやったことがある。

 ・幕府の人間が奴隷狩りに来たぞ!
 ・ハラキリのイケニエを集めてるんだ!
 ・源氏物語絵巻に、残虐なハラキリ儀式のシーンが加筆されているぞ!
 ・ハラキリの死体は、町人たちが八つ裂きにして楽しむんだよ!
 異国の歴史がいかにひどくねじ曲げられて描かれているのか、それは日本の場合に置き換えてみると、よくわかるよと。
 全文はこちら。→ 『 メル・ギブソンが黒船来航を撮ったなら 』
 日本の過去がこんなトンデモない描かれ方をしていたらかなわないよね。

 そして。

 それとはまた別の、「異国の悲惨な歴史について、日本に置き換えて考えてみるとこうなるよ!」という思考シミュレーションを披露なさっている書籍を拝読した。
 そのシミュレーション箇所をまるごと引用ご紹介してみる。

●右画
−− 未来某日、日本は、日米安全保障条約を解消し、在日米軍は引き上げた。

 まもなく、強い軍事力を誇る他国が日本との国境線ぎりぎりに軍隊を集結させ、日に日に圧力を強めた。日本政府は相手国と交渉、一定の領域を非武装地帯とすることで合意したが、その後、相手国は、非武装地帯でのいざこざを理由に軍を進め、国境線を侵した。

 日本政府は、国際社会へ窮状を訴えるが、国連安全保障理事会での議論が時間ばかりを要しているうち、とうとう相手国軍は日本へ進駐。日本の行政のトップには、相手国の傀儡(かいらい)の人物が据えられ、日本国民統合の象徴である天皇は亡命を余儀なくされた。

 やがて、相手国の人々が大量に移民してきた。先住民の日本人は定められた地域にしか住むことを許されない。侵略者が「正しい歴史認識にとって支障あり」と判断した文化財は破壊され、利益になると判断された寺社は、観光収入を吸い上げる道具として残された。

 為政者への批判は一切許されず、文化人や宗教者は次々と投獄、あるいは処刑された。

 日本固有の文字(かな文字など)は使用を禁止され、日本人は改名を命じられ、日本語教育、日本人が書いた歴史の教育は受けられず、家庭で神棚をまつることも禁止された −−

 よくできているよー。
 さて、これは実際にはどこの国のことだろうか。
 どこの悲惨な歴史を、日本にあてはめてみたものか。

 安全保障条約を解消し、引き上げたのはイギリス軍だ。
 亡命政府は、現在インドに実在する。
 観光収入を吸い上げる道具として残された寺社、そしてその貴重な文物は、征服側の政府によって海外に持ち出され「財宝展」の名の元に巡業している。
 そのお宝は、九州での巡業を終え、来月から北海道札幌で展覧会に供される。
 さあ、どの国の話だ。

... 以下つづき...

〓〓〓 EP 〓〓〓

 そう、これは「チベットと中国」のお話なんですね。

 イギリス軍が引き上げたあと、チベットの領土に中国が侵犯してきてなんだかんだ「中国の領土化」。そして弾圧と虐殺の日々。人々は改名を命じられ、国語教育も、自文化側視点の歴史教育も禁止され、最高位の僧侶候補は拉致られたまんま行方不明だし、寺社や文化財はめちゃめちゃ壊されてしまった!

 ・・・アキバで、オタク行為のきなみ禁止の上、アニメ偶像破壊! 麻生太郎亡命!reeling クリエーターやアルファブロガーたちは次々と投獄・処刑されー、みたいな(いやそんなレベルの話ではないんだが、つい)

 前文でまるごと引用したシミュレーション箇所は、こちらの書籍p18から引きました。↓

◆「チベット問題」を読み解く

 『「チベット問題」を読み解く』
 大井 功著
 祥伝社新書 祥伝社 (2008/6/26)
 [ Amazon ] [bk1]

 著者は「仮に、将来これに似た事態が起きたとしたら、われわれ日本人はどうするだろうか? 果たして日本人は、自国の主権を守るために戦い抜く覚悟があるだろうか。あるいは、自分たちの誇りや文化を守るために、命がけの抵抗運動を起こすことができるだろうか?」(p19)
 と問いかけた上で、後半
 『ゆめゆめ日本が「東の蔵」にならないように』(チベットの漢字表記は西蔵であることから)
と銘打って、
 日本も狙われチベットのように蹂躙される可能性
をほのめかしている。

 そのほか、全体にチベット問題入門として扱いやすいマトメになっており、新書という手頃さもオススメの一冊です。

-=-=-=-=-=-=-=-=


 来月から札幌でチベット展です。こないだまで九州で開催されていたもののようですね。
●右画
リンク 北海道立近代美術館 (札幌)
 チベット展「聖地チベット ポタラ宮と天空の至宝」
 Tibet: Treasures from the Roof of the World
 2009年7月11日(土)〜8月23日(日)

主催:
北海道立近代美術館、北海道新聞社、HBC北海道放送、中華文物交流協会、中国チベット文化保護発展協会、聖地チベット展実行委員会
後援:
文化庁、中国国家文物局、中国大使館、北海道、北海道教育委員会、札幌市、札幌市教育委員会、北海道PTA連合会、北海道小学校長会、北海道中学校長会、北海道高等学校長協会、北海道私立中学高等学校協会、社団法人北海道私立専修学校各種学校連合会
協力:日本航空、JR北海道
出品協力:中国チベット自治区文物局、中国文物交流中心
企画協力:大広

 亡命政府が協力したものではない、んだよね。
 亡命政府からしてみれば、これらのモノは中国政府が宗教的意義を蹂躙し略奪した品々ということになるのでしょうか? どういう位置の品になるわけでしょう?
 展示されている品々を拝見しに行くことは、これはチベットに対してどういう意味合いを持つ行為になるのでしょうか。

 自分の中で筋が掴めず、マニ車とチベタンベルを手にしたまま強く逡巡しております。




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→ 上掲のお話についてのコメント

1451 #- コメントアンカー 英霊 さんのコメント 【2009/07/09】

シミュレーションの内容は、戦前の日本と台湾、朝鮮半島との関係とも読めますよね。

でも、日本の場合は、「良いこともした」が許されるんでしたっけ。中国共産党も「チベット人民は発展の利益を享受している」とか喧伝してますが(笑)

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