[ EP: 科学に佇む心と身体 ]

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ニートと物語 ゲームと世界観

カテゴリ[科学に佇む2005年] 2005/11/12
 ニートについては、過去既出のさまざまな社会現象解釈ブーム同様に魑魅魍魎妄想含めてごちゃまんと各人各様諸説出しまくっているだろうので、いまさら耳目も集めないだろうし、ぬまたらぁうりたらぁな感じで少しだけ。

 うちは、エントリ分類カテゴリーの末尾に→ 「物語」 という一件を添えてある。
 これは「小説」やら「映画」作品やらがどうのというくくりではなくて、
   ヒト性質上,物事や現象・情報の関係性を構築したつながり、
   すなわち「物語(世界観・人生観)」が必須になっている

ということについての話を,まとめおくためのくくり。

右画 人間と、物語。

 物事や現象・情報の関係性を構築したつながりとしての,「物語」。
 壮大なものでなくてもいい,ごくささいなことどもでも、人間は、情報をつなげ、脚色し、意味づけして、解釈していく。
   **は〜〜すると##になる。
   **は〜〜しないと##できない。

   子どもは、勉強すると、いい点が取れる。
   牛乳は、口にふくんだまま笑うと,えらいことになる。
   先生は、おだてると、木に登る。
   トイレの花子さんには、ちゃんと呪文を唱えないと、たたられる。
   クレヨンを、チョークの代わりに置いておくと,しかられる。
   人間は、イイコになれば、幸せになれるはず。

 自分の将来について,人間は「物語」を描く。
 それが実際には正しいか否かにかかわらず、我々の内に物語は山積している。
 将来を思い描くこと自体が,すでに「物語」づくり。

 どんな「物語(世界観)」を、自分の将来として抱いているのか。
 抱いた将来像(おぼろな欲望でもいい、自分が行けたらなれたら気持ちいいだろうと描く夢)は、それは現実を反映して成り立ったものなのか。
 現実から乖離した「物語(世界観)」を抱えている場合、どこにも行く道を見いだせずに立ち止まってしまわないか。

 カギはこれ。
スーパーマンのファンは人を助けなくなる
 超人と比べてしまうとおのれが役立たずに思えてくる効果
2004/11  New Scientist Superman too super a role model
 人間は自分の中に物語(世界観)をこしらえるとき,周囲から、影響力の強い役割モデル(ロールモデル)を物語に取り込んでいく。
 それが、現実的な路線に近しいモデルなら、さほど問題は生まない、つーか、しごく望ましいわけで。
   家を継ぐ。
   家業を継ぐ。
   師匠に従う。
   公務員に憧れる。
   出世の手順を踏む。
 現実ではなく、誰かが描いた夢を元に他人がこしらえたゲームを元にどっかの作家がこしらえた物語の中の世界観、という,ヒトの欲望には親和的だが現実からは乖離した情報をもとに、自分の中の物事の見通しが形成されていたらどうなるのか。
   特別な才能が備わっているはず
   リセットが効くはず
   ジャストフィットな役割があるはず
   インスタントに行けるはず
   自分自身が前に出ずともアバターで行けるはず
 そういう世界観を抱えたら、上掲のスーパーマンファンと同様に,「なすべきことを見いだせずに現状で立ち止まってしまう」のではないかと。

...以下つづき...

〓〓〓 EP 〓〓〓

 ニートのナラティブ(自分の中に抱える物語)と、ヒッキーのナラティブ、フリーターのナラティブを、比較分析した事例研究はないだろうか。
 彼らのナラティブには、既存メディアのどんな物語が影を落としているのか。
 加えて戦前や戦後、80年代以前のニート・ヒッキー・フリーターに該当する立場の者たちのナラティブとも、比較検討できればなおベターだが。
 勇者になれる道がなければ、なれそうな道が見つかるまでリセットし続ける、そういう強烈なモラトリアム的世界観のループの中に、はまっているのかいないのか。
スーパーマンのファンは人を助けなくなる
 超人と比べてしまうとおのれが役立たずに思えてくる効果
2004/11  New Scientist Superman too super a role model


右画●思春期に刷り込まれた世界観は長く尾を引いてしまう
 → 『昼むかし、思春期と物語の刷り込み』
●メディアによる世界観の刷り込みは「県民性の刷り込み」からも類推できないか
 → 『少年の世界観、犯罪、ゲーム、県民性』

●現場にはそぐわない情報や世界観がもたらされて荒廃する事例
 → 『人心も物語も撹乱する都会』
 → 『言語消滅=思考の貧弱画一化』

 世代が違うと、想像しがたいほどに異なる「世界観」をいだいていることが少なくない。(地区が違えば異なる県民性や地域偏見に染まるがごとくに)
 表面上は「同じ世界」を見ているように見えても、ナラティブを分析すると「異世界の住人」が肉の下に潜んでいるのが見えてくる。
 中の人はどこの世界の住人なのか。

 なお、特殊例はあくまで特殊例。
●びっくりするような子どもの犯罪は実際は「多くないから」報道される
 → 『メディア・バイオレンスと犯罪』

●現実にそぐわない物語を抱えると、しんどいのは誰しも同じ。
 → 『物語というプラシーボと人生』

 生きる上で適応的な物語が、今はあまり流通できていない、のかもしれない。
 (適応的な物語、例えば端的なところではNHK教育が試みている”職業ガイダンス番組” 『あしたをつかめ 平成若者仕事図鑑』
 まぁ、生者相手に生きる上で適応的な物語を書くなどばかばかしい行為だし、ネットがなかった頃はその矛盾を指摘することさえ困難であったそのばかばかしさに筆を折ったのも事実。

ニート云々で採りたい手法はナラティブ分析、 エスノメソドロジー
もしくは異文化解釈。
相手にするべきなのは、今の世間にありふれた「ヨソの中の人」。

 つーかさ、メディア、教育方針、社会的裕福さ、不況、少子化、その他むっさぎょうさん要因は複合してるんだろうけどさ。  whoa

ステンド

 ああ、うちこないだ 「塊魂」ベスト版を買ってきたんだけど、そのきっかけが某20代アメリカ人のこんなブログエントリだった。
全然本なんか読まずにRPGとかゲームばかりで育ってきた。
日本(アニメやゲーム)に憧れて来日して一年、カルチャーショックでヒキコモリに。
ヒッキー状態でエイプエスケープ(サルゲッチュ)や「塊魂」やってるけどこれなごむんだぁ。

 …なんかいまどきの日本人っぽくてほほえましい(?)

 これ置いておくか。
  ●● 『幸福になる科学的方法』
 人間、花道に立つだけが人生じゃないと。


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