[ EP: 科学に佇む心と身体 ]

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インテリア医学 医療現場のインテリアデザイン

カテゴリ[科学に佇む2009年] 2009/03/30
◆インテリア医学 理想的な病院のインテリア空間を提案

 『インテリア医学 理想的な病院のインテリア空間を提案 この病院を選んでよかった…そんな患者さんの声を聞くために』
 乾 真理子著 山野井 昇監修 鶴書院 (2008/02)

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 はい、はっきり言って、この本は「インテリア医学」ではありません。
 「医療現場のインテリアデザイン」の本です。「インテリア医学」ではありません。
 「インテリア医学」ってなんじゃいなと気になって取り寄せてみたら、「インテリアを医学している」わけじゃ全然なかったんだもん。この本は「インテリア医学」ではありません。ase2
 インテリアコーディネーターのお姉さんが、病院や医院の内装はこうするといいんじゃないかなとアドバイスしている本です。

 コストパフォーマンス良く、簡単に「居心地の良い、感じの良い医療現場」へ改善するアイデアがいろいろ紹介されています。施工業者への発注のコツまで開陳されている。この本を読むと、「あー、あっこの医院、検査室雰囲気めっさ怖いもんな」「あの病院の照明はあかんよなー」インテリアをほったらかしにしているお医者さんたちにいろいろ進言したくなってくる。

 残念なことに、この本は造本がまずい。実例は紹介しないわ、後半いらん記述で水増ししているわ、図版は白黒の簡単なイラストのみだわ、これは本来なら、カラー図版や写真をたくさん掲載した大判のムック本で出すべき内容ではないか。
 特に後半の”科学的”なうんちくをごたごた並べた部分は不要。科学的検証には耐えないボロボロな記述なんで、そんなのはすっぱり「参考書籍を紹介します」で済ませてくれ。そのほうがずっとまっとうな本になる。
 スマートに前半メインでカラー満載・施工例実績紹介ふんだんに編むべきだ。ムックで出し直してくれ。

 ということで、実際に施工したらどんななるのかなーと想像しながらカラーの図を作ってみたりしたんだけれど。どう?

●画
●画

 こんなしたら、施術には邪魔だろうか?
 どっちかというと、カラフルなお部屋のほうが、「生きている」感じはするよね。不安も減るっぽい。


... 以下つづき...

〓〓〓 EP 〓〓〓

 こういう、内装に風景を描いてしまう方策は、「ヘルスケア・アートシステム」と言うんだそうな。
p54
ヘルスケア・アート・システム
 CTやMRIなどの検査を行う部屋は、狭い上に見慣れない大きな機械類に囲まれ圧迫感があります。
 緊張している患者さんを少しでも暖かく迎え、落ち着いて頂くために「ヘルスケア・アートシステム」というものがあります。
 壁面や天上に直接、風景画などの穏やかな絵を描くのです。
 患者さんだけでなく、そこで働くスタッフもストレスが軽減され、心落ち着く良い環境を作ることができるでしょう。


 近所の脳神経外科の病院や内科の医院も、レントゲン室やCTスキャンなどの検査室は、シロモノハイテク機器がごちゃっと置かれた殺風景な白い部屋なんだよね。あれはビミョーに怖い。

●画
●画

 ase なんかちょっと銭湯っぽくなっちゃったけども。
 昔、借家の部屋の造作があまりに居心地が悪かったので、自然風景を大きくプリントしたふすま大の巨大ポスターを発注して「風景画のふすま部屋」にしちゃったことがある。風景画はいいぞ。開放感バンザイだ。

 基本的に、ややこしいことをしなくても「壁に絵を描くだけ」なんだよね。これは「ポスターを買って張る」だけでもいいわけで、心身の健康に良い上に、患者さんへの印象も良くなるし、コストパフォーマンスもたいへん良い。


「ヘルスケア・アートシステム」の施工例いろいろ
 リンク くろがね工作所 医療・福祉施設 HDI
  ┗かっこいいね!

 しかし、そんなすごそうに紹介されている「ヘルスケア・アートシステム」なんだけれども、この「ヘルスケア・アートシステム」という語では、ほとんどそれらしい検索結果は出てこない。healthcare art system でもヒットしない。
 これは「普及していない」ということなのか、それとも「ふつうは別の語で言い表されている」のか。
 …もしかして、著者周辺のみの造語??

EP 〓〓〓

 本書『インテリア医学』には、お絵描き以外にも、いろいろな「改善の余地」ポイントが紹介されている。

●画
■エントランスはバリアフリーになっていますか?
■エントランスにガーデニングスペースを置いてみるのはいかが

■間接照明を活用して、リラクゼーション効果のある空間演出を
■観葉植物、絵画、水槽などの配置も効果的

■外来の診察予定表は、名前だけでなく担当医の顔写真つきで掲示するのも乙
■待ち時間表示をしたり、順番を明示したりして、待ちの焦燥感を軽減しましょう

■ロゴマークで病院イメージの統一をはかりましょう
■病室のカーテンは、洗滌と季節感の演出に、年に数回くらいお取り替えしましょう ほか

カーテンではなく、障子タイプの遮光サッシを使うのも手だよと紹介されているね。
●右画
p44
「病院に障子……というのは想像しにくいですが、障子といっても純和風のものではなく桟の両面に和紙調のシートを張ってあるのです。遮光はもちろん、カーテンに比べて掃除もしやすく汚れ防止にもなります。」


●画
 工夫の余地はいろいろあるんだよな、と参考になりつつも、なんとなく、「あの病院の検査室なら、塗ってみたいな」とそそられてしまう自分だった。

 診察を受けに来る患者さんの中には、普通にプロのイラストレーターや絵描きさんがいらっしゃるだろうし、「描いてみませんか」掲示とか院内に出しておけば、格安で「医療現場のインテリアデザイン」をやってもらえるかもしれない。

 カナメは、「センスの良い人に頼むこと」。
 院長さんが悪趣味で、ドエライことになっている病院もあったりするもんね。
 ご近所に「改善の余地のある」医療機関はありませんか?







メタル


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