

「中つ国(なかつくに)を愛した男:中国史のミステリーを繙いた風変わりな科学者の素晴らしい物語」
「爆弾、書物、コンパス:ジョーゼフ・ニーダムと中国の偉大な神秘」
その著者を招き、1970年代に収録された故ジョセフ・ニーダムご本人の語りもまじえて、分厚い中国サイエンス・ポッドキャストが流されています。ボリュームたっぷり一本一時間で3本セット。
2009-01-03 ABC@オーストラリア Science Show
いまどきは、中国人が数百年前に偉大な発明を連発したことはもう常識なのだが、この常識はほんの数十年前にジョセフ・ニーダムがもたらした画期的な見解であったことは、けっこう忘れられてしまっている。肝心の中国の人々でさえ、自国の業績を失念してしまっていたんだ。
中国文化は印刷を始め、接ぎ木の技術、火薬の発明、コンパス、あぶみ、溶鉱炉、吊り橋、鎖・・・そして香りつきトイレットペーパーさえも彼らによって最初に作られた作品だ。
まずは中国の哲学と文化をご覧じろ。道教、陰陽、五行、循環史観。
この音声ファイルは内容をテキストで読むことができます。
The astonishing Dr Joseph Needham - Part 1 of 3: Transcript「読みながら聞く」ことができて、英語のヒアリング練習に持ってこいです。
2009-01-10 ABC@オーストラリア Science Show
この音声ファイルは内容をテキストで読むことができます。
The astonishing Dr Joseph Needham - Part 2 of 3: Transcript「読みながら聞く」ことができて、英語のヒアリング練習に持ってこいです。
2009-01-17 ABC@オーストラリア Science Show
ジョセフ・ニーダムは1995年にこの世を去った。
中国の歴史と革新の理解力に対する彼の貢献は、20世紀に人類が残した偉大な業績の一つである。今般の中国のめざましい躍進は、ニーダムのおかげに負うところがあるのかもしれない。
この回は、たぶん来週あたりテキストが公開されると思います。
音声はもう公開されているのに、なぜか日付が今週末の17日付なんだ。
... 以下つづき...

かつてはこんな記述もされている。ポッドキャストにもまさにこんなくだりが含まれる。
『ヒトはなぜヒトを食べたか 生態人類学から見た文化の起源』 マーヴィン・ハリス 鈴木洋一訳 早川書房 1990(原書1977年)
p.265
ぜんまいをきつく巻いても早く戻らないようにする部品は、中国人が開発したものである。ヨーロッパ人は東洋を征服する際に火薬を使用したが、皮肉なことにこれを発明したのも中国人であった。政府の管理するダム、運河、灌漑システムに投資したおかげで、水力製粉技術は中国のほうがヨーロッパよりもすぐれていた。中国科学技術史の権威ジョゼフ・ニーダムは、中国における水力を利用した冶金用高圧送風機を、蒸気機関を生み出す直接の原型であったとみなしている。ニーダムはさらに、最初の計算機、運河の閘門/こうもん/、鉄鎖の吊り橋、最初の正確な機械用クランク、船尾舵、人間を乗せる凧を発明したのも中国人であると考えている。西暦1313年に早くも中国人は水力で動く紡績機の実験をしており、これがヨーロッパにおけるジェニー紡績機の直接の原型となったのである。
これらの偉大な実験が行なわれていたとはいえ、ヨーロッパの場合にみられたような脅威や刺激がなかった中国でも産業的生産様式は発展したであろうという考えを疑ってかかるのは当然である。中国では、競争相手より技術がすぐれていても、それが、利潤を上げ資本を蓄積する中心要因になることはけっしてなかった。中国の商業生活を解く鍵となる変数は、農業経営的官僚制、すなわちマルクスのいう「国内略奪省」による支持であった。皇族とのしかるべき関係がなければ、利潤は腐敗した役人に使い込みをされてしまいかねなかった。交易の許可は恣意的に停止される可能性もあり、儲かりすぎる事業は政府に吸収される危険に絶えずさらされていた。言い換えれば、中国における民間の交易や製造業の発達は、農業経営的国家の発達があって初めて生じたのであり、中央集権的な政治経済の、重要ではあるが従属的な側面に依然としてとどまっていた。
ニーダムの著述は、昔この本で少し拝読したっきりだ。
柴谷篤弘・法橋登・斎藤嘉文編 吉岡書店 1991年
この本、メンツすごかったんだよね。

ウィキにはこんな記述が。
ジョゼフ・ニーダム 〜ウィキ
ジョゼフ・テレンス・モンゴメリー・ニーダム(Joseph Terence Montgomery Needham, 1900年12月9日 - 1995年3月24日)はイギリスの生化学者であり、科学史家。中国科学史の権威。王立協会とブリティッシュ・アカデミー双方のフェローに選ばれる。1983年11月29日、中国社会科学院より名誉博士号が授与される。中国では李約瑟という中国名で知られる。
ライフワークであった大著『中国の科学と文明』は中国文明のみならず非ヨーロッパ文明に対する知識人の見方を一変させるほどの衝撃を西洋世界にもたらした。
『中国の科学と文明』。
未完であるらしいのだが、それでもものすごいボリューム。日本版も出ている。
第1回福岡アジア文化賞 創設特別賞/ジョゼフ・ニーダム Joseph Needham
【イギリス/中国科学史研究者】
中国科学史の世界的権威。ライフ・ワークであるその著『中国の化学と文明』は、戦後最大の知的業績であり、中国文明のみならず、非ヨーロッパ文明に対する世界の知識人の見方を一変させた。ユネスコ創設にも貢献。20世紀の巨人と評されている。
上の中で書名が「化学」となっているのは元ページの誤植のままです。
知の巨人。中国再発見の立役者。
ウィキには、進化論がらみの項目でも、ニーダムに関する言及が拝見できます。
進化論の歴史 〜ウィキ
■中世以前の進化思想
中国では荘子が進化思想を持っていた。ジョセフ・ニーダムに依れば、道教ははっきりと種の不変性を否定し、道教の哲学者は生物が異なる環境に応じた異なる特徴を持っていると推測した。彼らは自然に対して、当時の西洋の静的な視点とは対照的に「恒常的な変化」を見いだした。
諸行無常ですな。
ここでは(自然に対する視点は)西洋は静的で中国は動的、とされている。
┗こちらは、サイモン・ウィンチェスターが著したニーダムの伝記について紹介しているキャッシュ。
女好きで、ヌーディストで、左翼で、政府に目をつけられて・・・・



サイモン・ウィンチェスター(著) 「中つ国(なかつくに)を愛した男:中国史のミステリーを繙いた風変わりな科学者の素晴らしい物語」
『The Man Who Loved China』
サイモン・ウィンチェスター(著) 「爆弾、書物、コンパス:ジョーゼフ・ニーダムと中国の偉大な神秘」
『Bomb, Book and Compass』
サイモン・ウィンチェスター氏は科学史家なのかな。ずいぶん濃い本をいくつもものしていらっしゃる。



『太平洋の悪夢 日本に再び原爆が投下される日』 サイモン・ウィンチェスター (1992/7)
『クラカトアの大噴火』 サイモン・ウィンチェスター (2004/1/26)
『世界を変えた地図 ウィリアム・スミスと地質学の誕生』 サイモン・ウィンチェスター (2004/7/21)
『世界の果てが砕け散る サンフランシスコ大地震と地質学の大発展』 サイモン ウィンチェスター (2006/12)
『博士と狂人 世界最高の辞書OEDの誕生秘話』(ハヤカワ文庫NF) サイモン ウィンチェスター (2006/3)
以上、30年前の音声にちょっと感動して集めたお勉強メモでした。

![[ EP: 科学に佇む心と身体 ]](http://homepage1.nifty.com/NewSphere/transparent.gif)







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