
読了:
「セックス依存症 その理解と回復・援助」
パトリック・カーンズ著
中央法規出版 2004/04
[ Amazon ] [bk1]
(原書:2001/Out of the Shadows)
自分や誰かの淫猥さに困惑したことがある人は、この本にある視点をちょっとチェックしておくと吉かも。
不安に襲われる頻度が高く、不安から逃れる手段として、自信回復の手段として、過度に刷り込まれてしまった手法が、セックス。不安から逃れるには、それしかないとしがみついてしまうケース。
... 以下つづき...


さても。
まぁ、困っている人がいるのはわかるけれども、過去悠久の歴史上続いてきた「そういうことをやる人が結局繁殖してしまいがちだった」という「善悪」無関係なあさましくも単純なしがらみは、どっかこっか人類史上、あるわけで。
特に、性欲は、理性や論理の脳機能を吹っ飛ばしてしまいやすくなるよう、できている。
感情・欲望が理性や論理を踏みしだく、そういう人間が、繁殖適応度という無機質な基準から見ればけっこうエリートだったりしてしまう現実。
幸福と繁殖適応度は比例しない。
現世の幸福を考えるのであれば、繁殖適応度で人間の価値を云々することの浅はかさをまずわきまえるべし。
・子どもがある人は、良い人だとは限らない
・子どもがない人は、劣っている人だとは限らない
・子供を作れる人が、優れているとは限らない
・子孫がない人が、不幸な人だとは限らない
幸せは、股間から来るんじゃない。
幸せな人間になる方法は、子作りや子育てなんかにはないのだ。


それはそれとして、ややヒンシュクかなと思ったのは、冒頭やあとがきで、原書が最初「セックス依存症」という直球タイトルだったら全然売れず、一計を案じて「あばかれる病」みたいな遠回しのタイトルに変更してみたら、すごくよく売れた!! という顛末を語っているのに、なんで日本語版の題名がコレなんだかな。
書名が「セックス依存症」では、たとい需要があっても、その需要に見合う読者数は得られないでしょうに。
よほど剛胆でなければ、書店や図書館では手を出せないよね。(ネット通販なら気軽に買えるのかな)
で、この本、実例・症状や問題についての紹介はいいとして、治療・救済の部分に関しては、日本ではこのままじゃ使いにくいと思う。提示する解決手法がキリスト教文化圏の影響丸出しなんですよね。日本なりの解決方法を別途調達する必要があるかと。

【追記】
セックス依存症に関しての本としては、こちらの内容のほうが、日本人にはお勧めかもしれない。
『性依存 その理解と回復』
吉岡 隆 (編集), 高畠 克子 (編集)
中央法規出版 (2001/12)
その後の「セックス依存症」関連記事 追記:
2008/08 【日本語記事】スポーツニッポン
モルダー捜査官がセックス依存症で施設入り 「Xファイル」で主演を務める俳優デビッド・ドゥカブニー
リアル世界のセックス中毒は笑いこっちゃねぇぞ
2008/12 PhysOrg Real-life sex addiction not so funny
※ このお話は 「科学に佇む心と体 Pt.1: セックス依存症」 を転記したものです。

![[ EP: 科学に佇む心と身体 ]](http://homepage1.nifty.com/NewSphere/transparent.gif)







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