[ EP: 科学に佇む心と身体 ]

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レヴィアンの謎:マコトちゃんハウスを超える錯視

カテゴリ[科学に佇む2008年] 2008/09/30
はい、この画像をご覧下さい。
 (もしかしたら、てんかん気質の人にはヤバイ効果があるかもしれない:注意)

円にチロチロ焼きが走る「画像1」
レヴィアンのエニグマ Isia Leviant's Enigma
   ※【ここに画像が表示されない場合は】


 何も動きがないはずの静止画なのに、見るだに円がウリウリチラチラキロキロと・・・動きだして見える!
 上のは、うちの中の人がこさえた画像ですが、ちょっと小さすぎるかもしれない。
 元の大きな画像を見たほうが、チロチロ効果は顕著だと思う。
 リンク レヴィアンの『謎』 ほかの類似画像を表示 Isia Leviant's 'Enigma'

 これは1981年に、フランスの Isia Leviant レヴィアンという人が描いた現代芸術作品なんですね。異様な錯覚効果で、レヴィアンの『エニグマ(謎)/エニグマ錯視』は一躍有名になった。

 ヨソの画像をひっぱってきたら著作権的にまずいかなと、うちで絵を起こしてみたのですが、やってみてわかったこと。
 円のコントラストを弱くしないと、うまく錯覚が発生してくれない!

チロチロ動きが発生しない「画像2」
レヴィアン錯視エニグマ


 このたび、なぜこのレヴィアンのエニグマ錯視が発生するのか、研究結果を報告なさった研究者さんがいらっしゃいまして、その内容と「画像1」と「画像2」を合わせて見ると面白い。

... 以下つづき...

〓〓〓 EP 〓〓〓

有名な光学的錯視が生じるわけ:常時発生する微細な眼球動が引き起こす
●NEWS2008/09 New Scientist Shifty eye movements behind famous optical illusion
 ヒトの目玉は、物を見ているときに、常時非自発的なブルブル動きを起こしている。
 これまでは、脳内の視覚情報処理がこの錯視を起こしているのだと考えられていた。


 ナマ目玉の動きが、この錯視を引き起こしますよ、と。
 しかしおいおい。この錯視はそんなに「研究されていなかった」のかい?
 フツーに眼球微動による「残像効果」が原因だと思えなかったのかい?what

 残像効果が、ありえないちらつきを見せてしまう。
 その経緯は「画像1」と「画像2」の違いを見ても明らか。
 微妙な残像が知覚されなければ発生しないので、色相・彩度の違いがでかい「画像2」では、ハデさに負けてちらつきは抑えられてしまう。色相・彩度が近しい微妙な差の円「画像1」であれば、残像効果はかき消されることなく、ばしばし知覚されてしまう。
 そして、その残像効果は「円」であることによってより明確になる。だって眼球が_どの方向にどの角度にぶれても_円なら確実にどっかこっかブレ幅が最大になる角度のフチを持っている。

 レヴィアンの『謎』については、前に『脳は美をいかに感じるか』でひとしきり興味をそそられていたので、今回のNew Scientist の報は「あらなつかしや」でした。

◆脳は美をいかに感じるか ピカソやモネが見た世界
 セミール・ゼキ著
 『脳は美をいかに感じるか ピカソやモネが見た世界』
 日本経済新聞社 2002/02 (原書 1999/Inner Vision)

p.315
 レヴィアンの『謎:エニグマ錯視』は、見る人全員ではないとしても多くの人が、輪に囲まれた速い動きを知覚する。
 ここでの動きは無秩序でもなく予測不可能でもないが、速度が速く、輪によって方向が異なっており、さらに長時間眺めているとその方向が変化する。
 この場合の動きは、レヴィアンが実験によって到達した特殊な物理的刺激配置によって生み出されるもので、たとえばスポークを輪を横切るかたちにするなど絵を変更すると、動きが減少するかあるいはまったく消失してしまう。
 動きが知覚されるために必要な刺激配置の詳細がなんであれ、確かなことは、動きが作品の客観的な一部なのではなく、そこには真の動きがまったく存在していない点である。この場合の動きは、脳の創作によって生じたものなのである。
 輪の中に動きが見えた人に『謎』を見てもらいながら脳の活動を測定すると(局所脳血流の変化を検出する検査)、変化の多くがV5に限定されていることが明らかになる。
 同じ被験者が客観的な動きを見ているときには、V5とV1の両方の活動が捉えられる。


 はい、『脳は美をいかに感じるか』のゼキさんは、この現象が「脳の創作によって生じたものなのである」という見解を取っておりました。今回の New Scientist の報では「脳じゃないよ」と述べているわけで。

 脳ではなく目玉の動きが錯視を引き起こしているのだとしても、「残像の発生」を出してしまう神経系は錯視の発生に関与していると思う。
 あれ、えーと、残像処理は「網膜」で発生するンだっけ? 神経系無関係に。

 それとそれと、ゼキが記したような「スポークを輪を横切るかたちにする」などの「錯視が発生しない」バリエーションでは、すなわち「残像の発生が抑えられる」ような図像になっている、とみなしていいんだろうか?
 作ってみた。

上半分が、動きが発生しないっぽい「画像3」
レビアンのエニグマ


 「スポークを輪を横切るかたち」にした上半分では、チロチロが出ない。(少なくとも自分が見る限りでは)効果はあからさまだね。不思議だ。放射線ねぇ・・・。
 で、彩度は関係ないみたいだ。彩度を消した右半分でも、放射線の下半分で、チロチロが出ている。コントラストが弱い同心円が、コントラストの強い放射線と組み合わさった場合に発生するのか。
 作者のレヴィアンさんは、さまざまな実験と試行錯誤の末に、この図像にたどりついたという話だし。
 なんかこう、いろんなタイプのレヴィアンの『謎』バリエーションをこさえて検証している既存のサイトってないのかな。

 「こう変えるとどうなりますか」とか、見てみたいバリエーションのアイデアがあれば、教えてくれればこさえてここに並べてみますが。

どんどん趣味が悪くなる「画像4」
レヴィアンの錯覚


 なんかアイデアある?

EP 〓〓〓

この箇所へのリンク【追記】
追記:ワイアドの翻訳記事が出ました。
 2008/12 【日本語記事】ワイアードビジョン 静止画が動いて見える「エニグマ錯視」の原因は



メタル


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