[ EP: 科学に佇む心と身体 ]

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「誰でもいい」大量殺人犯の王道10項目

カテゴリ[科学に佇む2008年] 2008/08/08
「犯罪捜査に関わる研究をしている心理学」は、この数年だけでかなりの進歩と成果をものしたらしい。
 最新の犯罪者心理研究がここに!git

◆左表紙

 『犯罪捜査の心理学 プロファイリングで犯人に迫る』
 DOJIN選書
 越智 啓太著
 化学同人 (2008/05)

 [ Amazon ] [bk1]

目次
第1章 FBIによるプロファイリングプロジェクト
 (被害者-加害者関係のない事件 FBIのプロファイリング研究 ほか)
第2章 プロファイリングの新たな展開 リヴァプール方式
 (犯罪行動の客観的な分析 連続殺人犯人の行動パターンをとらえる ほか)
第3章 犯人の居住地を推定する
 (犯人の居住地の推定 地理的ターゲッティング ほか)
第4章 犯人の危険性を推定する
 (ストーカーの四類型 ストーカーの危険性を推定する ロジスティック回帰分析 ほか)
第5章 犯人の動機を推定する
 (大量殺人事件に見られる共通点 大量殺人事件への対策 ほか)


 連続殺人犯のありがちなパターン、犯罪パターンの割り出し方、犯人の住処の推定方法、などなど最新のおおっと思うような知見がたくさん記されている。
 『応用心理学の中でも現在進行形で最もエキサイティングに発展している分野である』〜あとがきより
 同じ著者が編んだ、専門家や学徒向けの ●本 越智 啓太編『朝倉心理学講座 18 犯罪心理学』朝倉書店 (2005/10)も拝読するべく注文中だけど、本書はそれより一般向けに、コンパクトに、より最新の研究成果が記されていると思われ、使い勝手がナイス。

p.26 大意:『血液を飲むタイプの連続殺人犯は、重度の妄想型精神疾患に罹っている場合が多く、その場合はほかの食物をとらないので痩せていることが多い。』

へええ!tamage

p.15 大意:『連続殺人事件では、特定の特徴を持った被害者が選択的に狙われる傾向がある。それは犯人の殺人せずにはいられないという衝動が、本人の性欲と密接に関係しているからであり、被害者は犯人の「好みのタイプ」ばかりになるのだ。』

ひええ!ohyo

〓〓〓 EP 〓〓〓

この箇所へのリンク【通り魔的大量殺人】


ではさっそく。

これが、ありがちな突発的大量殺人コース 10項目だ!(p.160)
■1・大きな絶望にorzしている。
■2・なんらかのカテゴリーに属する人々や、社会が、自分の不幸の原因だとみなす。
■3・襲撃計画を事前に表明している。
■4・犯行前に遺書や手記を書く。
■5・愛するものを殺害してから犯行に及ぶことがある。
■6・自殺、銃撃戦で死亡、もしくは死刑を望む。反省はしない。
■7・殺傷力が強い武器を過剰に携帯する。
■8・凶器が入手できる環境を好む。凶器のコレクションが趣味だったりもする。
■9・できるだけたくさん殺そうとする。標的カテゴリーに属する人間であれば「誰でも良い」。
■10・犯人は基本的に逃げない。

 なんか思いっきりデジャブに襲われますね。なんだあれって「ありがちなコース」だったのか!!

... 以下つづき...

〓〓〓 EP 〓〓〓

以下は雨崎の加筆と、当該書の記述がゴッチャです。m(__)m

【大量殺人犯に多く共通する特徴】


●右画
1・大きな絶望にorzしている
 絶望だけなら、人間は大量殺人には走ることはない。ほかの要素も必要。
 でも、大量殺人に走る者の心には、この「希望がもうない!」感が、がっちり窒息死しそうなほどに膨れ上がっている。

2・なんらかのカテゴリーに属する人々や、社会が、自分の不幸の原因なのだとみなす
 自分が不幸なのは自分のせいだ、とみなすのであれば、一人で自殺したりするであろうところを、「理解してくれないあいつらが」「俺がこんななのに、なぜおまえらはのうのうと」という方向に解釈が行ってしまうと、要するに「復讐」に打って出ることになる。

3・襲撃計画を表明している
 いきなり黙って大量殺人の凶行に走る例は、レアらしいんだよね。
 たいがいは、犯行を実行してしまう前に、知人に漏らしたりネットでほのめかしたりしていなさる。(たぶん「あいつら」にたいして「俺を救え」と脅迫しているんだね)
 それで状況が好転もしくは打開されなければ、「復讐」が実行されることになる。

4・犯行前に遺書や手記を書く
 劇場型というか、主人公になっている感から、こう、自分で自分の成果を残しておこうとするのかな。どうなんだろう。自己主張を残せるほどに自己心酔できない性格であれば、犯行に走らずに潰えてしまうのかな。

5・愛するものを殺害してから犯行に及ぶことがある
 「あいつら」に対して「自分の世界」が復讐に打って出る。自分は破滅的な行為をこれから行うのだ! でも、自分が行う復讐によって「自分の世界」側の者が、あとに残ってつらい目苦しい目に遭うというのは忍びないらしい。母さんやペットを殺してから、犯行に出向くケースが少なくない。

6・自殺、銃撃戦で死亡、もしくは死刑を望む。反省はしない
 敵側の価値観が、自分を追い込んだわけだから、敵の価値観に服従なんかできないわけで。和解も何も拒否する。そもそも、大量殺人犯は「自殺をするために」犯行を行っていることが多いのだ。
 こうすれば死刑にしてもらえる。早く死刑にしてくれ。これだけ殺せば死刑にしてもらえるかな。
 当然、「死刑」は大量殺人犯に対しては全然抑止力にならないわけで。 彼らは、死刑にしてもらえるから喜んで大量殺人を冒しに行く。自分一人で自殺するより晴れ晴れしい死に方ができるんだ。死刑がいい呼び水になっている。
 死刑が禁止されているアメリカの州では、わざと警官の群と無謀な撃ち合いをして殺してもらう「警官を利用した自殺」が横行していたりする。p.163

7・殺傷力が強い武器を過剰に携帯する。
 絶対殺せると思える武器をそろえる。中途半端な武器しかない状態では実行しない。
 犯人は、死ぬ気で、殺傷力の強い武器を持って向かってくる。素人は素直に逃げたほうがいい。

8・凶器が入手できる環境を好む。凶器のコレクションが趣味だったりもする。
 あー。銃社会のアメリカでは、凶器は銃に集中しがちというか、「銃が一番!銃でなきゃ!」という心理になるんだろうけれど、日本で「一番!」と言える武器は・・・
 ネットで普通に武器が買えたり、100円ショップで凶器が買えたり、台所に包丁があったりするんで、そのレベルの武器は入手しほうだい・・・

9・できるだけたくさん殺そうとする。標的カテゴリーに属する人間であれば「誰でも良い」。
 「誰でも良かった」というセリフの意味はここにあるんですね。
 敵側に属する人間であれば、「誰でもいい」。
 とはいえ、犯人がどの範囲を「敵側」とみなすのか、それは犯人一人の都合になるので被害者側的には事前に自衛するすべはない。

10・犯人は基本的に逃げない。
 犯行現場に普通に残っていたりする。
 そもそも犯人は死ぬ気だし、そこですべて「終わる」つもりなんだから、犯行後にしぶとく生き延びるつもりはさらさらない。逃げる気も隠す気もないんだから、あとで状況を確認するくらいしか使い道のない防犯カメラは、大量殺人犯に対しては「抑止」の効果はないと言っていい。(犯行後に事件を報道するマスコミにとっては、おいしいアイテムかもしれないが)

(追記:「俺はもうどうなってもいいんだ」という覚悟の犯行には「防犯カメラ」は無意味なんですが、「まだまだうまく生き延びたい」と考える多くの窃盗犯・痴漢・ケンカ類には「防犯カメラ」の抑止効果は有効です。)

●画
 細かい論は、実際に本書に当たって詳しく検討して欲しい。学校に侵入する犯人を防ぐには、とか、さまざまな研究成果が濃くまとめられている。

 なお、大量殺人には「一家心中」「家族全部を殺したかった」という殺意の実行も、同じコースのものとして含まれることに留意。
 日本って国は、なんか社会的に内向的なんだかなんかしらんけど、「一家心中」と呼ばれる「大量殺人事件」が多い国なんだそうな。eeee


〓〓〓 EP 〓〓〓

 当該書は、「大量殺人犯」にはどんなタイプがあり何をするか、という分析の結果が記されていますが、当事者の実際の心理には触れられていません。
 実際に「大量殺人」を実行したり、実行に遭遇したりしたときに、ヒトに何が起きるかというリアル事例の話は、
 ●● 『戦争の心理学で「殺人当事者力」を鍛えましょう』
のほうで詳しく読めます。ご参照を。

〓〓〓 EP 〓〓〓

以上は●本 『犯罪捜査の心理学 プロファイリングで犯人に迫る』に関するエントリの前半です。
この本に関しては、もう一発行きます。後半どうぞ。
 → 後編:『 ストーカー種類別の危険度はこれだ! 』

〓〓〓 EP 〓〓〓

この箇所へのリンク【追記】

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