あと10年で絶滅してしまうかもしれない!
オランウータン激減中 あと10年で絶滅してしまうかもしれない
2001/02 EurekAlert Organgutan numbers plummeting worldwide; species may vanish in ten years, study says
2001/02 毎日新聞「オランウータン、10年以内に絶滅の恐れ 不法伐採や密猟が横行 米団体が警告」
・・・と騒いでいたのが7年前の2001年。
2003年には「絶滅まであと20年だ!」という説も流れた。
2003/10 cnn.co.jp オランウータン、20年以内に絶滅の恐れ
2003/10 共同通信 オランウータン20年で絶滅 違法伐採で米学者ら警告
オランウータンの絶滅まであと20年
2004/01 BBC News Orang-utans 'may die out by 2025'
あれ? じゃあ、絶滅するのはいつなの?
そうやって、危機感を煽って注目を集めて、だんだん保護が手厚くなっていき、危ない期日がやがて順々に伸びていき・・・、いつしか「もう絶滅の危機は去ったね」となればいいのだけれど、中には絶滅予定日が延びていくことに対して「科学者はいいかげんだ」と罵る者もいたりする。

オランウータンはマジ危ない状態に置かれている。一族がこの世から抹殺されてしまいそうなんだ。
それを救えるなら、科学者の予測がはずれてくれるなら、それは喜ぶべきことであるはずだね。
遺伝子プールに刻まれた悲劇
ヒトによる森林破壊と同時に発生したオランウータンの激減
2006/01 BBC News Genes record orangutans' decline
2006/01 EurekAlert Genetic evidence shows colonialists pushed orang-utans to brink of extinction
栄養に恵まれないオランウータン、脳が縮む フロレス原人みたいだね
2007/01 Journal of Human Evolution Volume 52, Issue 1
doi:10.1016/j.jhevol.2006.07.010 Variation in brain size and ecology in Pongo
2007/02 BBC News Orangutans 'face greater threat'
オランウータン、違法伐採で『より大きい脅威に直面』
懸念されたよりはるかに急速な東南アジアの森林破壊
2007/02 Discovery Orangutans Threatened by Corporate Logging
企業の伐採によって危機にさらされているオランウータン
2008/07 cnn.co.jp オランウータン生息数が激減、緊急対策なければ絶滅もと
2008/07 EurekAlert Great Ape Trust's Wich lead author of Oryx paper on continuing orangutan population declines
... 以下つづき...

しかし、オランウータンは、メディア的にはチンパンジーやゴリラよりもマイナーな扱われ方をしている印象が強いのだけれど、これはなんでだろう。
個体数が少ないから? 見た目がイマイチだから? 扱いが難しいから? それともマジ絶滅危惧度が高いからテレビ映りのいい番組さえ作れない?
野生のオランウータンたちは、それぞれの森で独自の文化を育んで暮らしている。でも、森が切り開かれ、野火に追われ、ハンターや商人に狩られて、文化の伝承どころか、家族の形成さえおぼつかない状態に陥ってしまった。
2003/01 時事通信 オランウータンにも文化
道具使用、1400万年前から 国際研究グループ
2003/01 朝日新聞 舌出し「ブー」は「お休み」
オランウータンにも文化 棲む地域ごとに
2003/01 New Scientist Orangutans swinging culture revealed
2003/01 CNN Study reveals complex orangutan culture
2003/01 New York Times Orangutans Said to Exhibit Hallmarks of Culture
2003/01 BBC News Ape culture hints at earlier evolution
2003/01 EurekAlert! Evidence for orangutan culture
2003/01 New York Times Scientists Say Orangutans Can Exhibit 'Culture'
2003/01 National Geographic Orangutans Show Signs of Culture, Study Says
動物の知性 オランウータンの文化 発明と社会的学習の共進化
2006/03 Scientific American Why Are Some Animals So Smart?
文化の伝承、言語の萌芽、道具を作り替えるオランウータン、お人形さん遊びをする「パンパンジー」
2006/09 Science News Mental Leap
類人猿は、道具を用いるという計画を作りさえする。
実際、計画技能の発祥は1400万年前の類人猿・人類の祖先にまでさかのぼりうるのだと調査は示唆する
イソップの寓話を地で行くオランウータン
深い容器の中のナッツは、容器に水を吐き入れれば手が届くようになりますね
2007/07 PhysOrg Clever orangutans confirm Aesop's fable
賢い類人猿はつばを吐く
2007/07 news@nature.com Smart apes spit
ピーナッツのパズルを解決するために水を用いるオランウータン
『ジェスチャーゲーム』で話すオランウータン
2007/08 BBC News Orangutans use 'charades' to talk
メッセージを伝えようと、意図的に身ぶりを繰り返したり部分修正したりしてみます
2007/08 National Geographic Orangutans "Play Charades" to Communicate With People
人々とコミュニケートするために「ジェスチャーゲームをする」オランウータン
2007/07 news@nature.com Orang-utans are cunning communicators
新記事追加:
野性のオランウータンは、自然界の抗炎症薬によって痛みを治療する
2008/07 New Scientist Wild orangutans treat pain with natural anti-inflammatory
4頭のオランウータンが手足にバルサムをこすりつけるさまを観察
霊長類がこのような薬の使い方をすることが確認されたのは初めて
なお、同じ薬草は地元の人々も鎮痛に用いている

オランウータンの状況に関して詳しい身分ではないのだけれど、とりあえず手元にはご紹介のような記事が溜まっているわけで。
ゴリラも殺されまくっている。チンパンジーも若いもんが繁殖できてない。
2004/01 共同通信 類人猿保護で政府間組織 アフリカで閣僚級会合へ
対象は越国境分布するゴリラ、オランウータン、チンパンジー、ボノボの4種類
2007/12 【日本語ブログ】NHK解説委員室ブログ「アジアの霊長類に迫る危機」
オランウータンを含むアジアに生息する11種が危機的な状況
「たくさん見る動物はたくさんいるに違いない」
チンパンジーはあまり絶滅危惧種だとは思われていない 〜ジェーン・グドール
こんなによくテレビに出ている動物が、個体数激減しているとは思えないから
2008/03 New Scientist Chimps in hats are endangered too
2008/05 【日本語ブログ】NHK解説委員室ブログ
視点・論点 「気候変動:チンパンジーからのメッセージ」
京都大学霊長類研究所所長 アイとアユムの松沢哲郎氏



『Thinkers of the Jungle』 by Gerd Schuster, Willie Smits, Jay Ullal (Authors) Publisher: h.f. ullmann (April 7, 2008)
『オランウータンの不思議社会』 (岩波ジュニア新書) 鈴木 晃 (著) 岩波書店 (2003/9/20)
『オランウータンの森』 鈴木 南水子, 鈴木 晃 国土社 (2004/03)
あれれ・・・チンパンジーやゴリラに比べて、出版物でもオランウータンは影が薄いみたいだぞ。主役の本が少ないや。


努力して、保護に成功すれば、予測された「絶滅してしまう日」は、ハズレることになる。ハズレにするべき日程なんだ。
もしかして、地球温暖化の問題にしても、さんざ努力して危機を回避できた場合、「地球は温暖化していない、人間のせいじゃない」と論ずる人たちに「ほら、やっぱり地球温暖化と人間は関係なかったじゃないか!」と言われてしまったりするんだろうか。
自然保護は、成功すると、ウソツキ呼ばわりされちゃうんだろうか。
自然保護が思考停止のカルト化してしまうのもキモいんだけど、自然保護に反対する「環境ニート」がうまい汁吸いっぱなしという図になるのも、腑に落ちなくて、だちかんねなのでした。

追記:
オランウータン研究者の久世さんのブログも合わせてご参照下さい。
追記:同月の新刊の表紙がオランウータンだ。
『絶滅危機動物図鑑 消えゆく野生動物たち』 ジョージ・マクガヴァン著 ランダムハウス講談社 (2008/7/17)
![[ EP: 科学に佇む心と身体 ]](http://homepage1.nifty.com/NewSphere/transparent.gif)







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