過去記事庫(今世紀以降)から、関連記事を拾って並べてみると・・・
今世紀のはじめは、まだまだ黎明期。
東京都議会:平成12年第1回定例会3月1日 (西暦2000年)
> クローン牛につきましては、昨年より表示を付して試験的販売が開始され、現在、農林水産省が表示のあり方を検討していると聞いております。
2000/04 毎日新聞 クローン牛、流通・販売での通称は二通り 農水省
「通称は二通り」の記事は、もはや↑ウェブ上には見出ししか残ってない。
どんな通称に決まったんだ?
やたっ。見つけた。
2000年 トピックス:受精卵クローン牛の表示は任意 〜畜産情報ネットワーク
・受精卵クローン牛の通称は、「受精卵クローン牛」又は「Cビーフ」。
・受精卵クローン牛由来生産物の流通及び販売に当たっての表示は任意。
・試験研究機関が出荷する場合は、売り先に受精卵クローン牛だと明示。
・厚生省の調査結果を踏まえて改めて通知するまでの間、出荷は自粛。
「Cビーフ」。

ウシ限定の愛称ですね。
じゃあ、ブタクローンは「Cポーク」、ニワトリのクローンは・・・ あ。
シーチキン?!

みんなで”同じ”鶏肉を食べましょう
クローンニワトリを大量生産しちゃいます
2001/08 EurekAlert! Clone farm
2001/08 New Scientist Cloned chickens on the menu

いや、ブタやニワトリのクローン呼称については、まだ決まってはおりませんのよ。
日本の2000年の判断で「表示は任意」とされたということは、研究所からの卸の段階ではクローンだと示さなければならないが、消費者に渡すときには表示しなくてもかまわない、とされたわけね。
えーと、「受精卵クローン」のクローン牛の肉は、普通に売られています。すでに、前世紀から皆さんの食卓にのぼっております。おそらく、知らずにお食べになられている方は少なくない。
でも、「Cビーフ」という名前は耳にしないよね。けっきょく「Cビーフ」という名前は全然使われずじまいになったのかな。「これはクローン牛の肉です」と表示したら敬遠されるんだろうね。「クローン牛の肉」だとは表示しないで売っている。
屠殺され、普通に小売りされてお食べになられているのは「受精卵クローン」のクローン牛の肉です。
まだ一般に小売りされていない種類のクローンもあります。それは「体細胞クローン」と言います。
「双子や三つ子と同じで、異常はないのだ」という科学的判断の元に普通に流通できている「受精卵クローン」とは違って、「体細胞クローン」のほうは、延々「安全かどうか、いやまだ出荷するな」などともめ続けています。
「受精卵クローン」と「体細胞クローン」。
同じクローンという呼称がついているけれど、中身はそーとー違う。
「受精卵クローン」は、成長が始まった受精卵(胚=細胞の塊)をパカッと2個の塊、3個の塊に分けること。細胞には傷がつかず、けっこう展開がすなおで異常も少ない。
「体細胞クローン」は、卵子や精子のものではない細胞核(遺伝子)を、受精卵細胞にブスッとツッコむ職人技。細胞そのものの大改造。原因不明の異常をきたすクローンが少なくない。
... 以下つづき...

2001/03 毎日新聞
ドナーは乳量全国1、双子の体細胞クローン牛
東京都の試験場で誕生 牛乳たくさん作ります
>乳量ランキング全国トップ乳牛の体細胞クローンが都畜産試験場で誕生。
>体細胞クローン牛による乳製品や食肉の出荷は認められていないが、この双子を育成し、乳成分の安全性や乳量についてデータを集めていく。
2001/03 毎日新聞
体細胞クローン牛「肉質異常なし」 鹿児島県畜産試験場が発表
当時は、アメリカも「体細胞クローンは、食うにはまだ時期尚早だ」と判断している。
クローン家畜は食肉として流通させるべきではない
少なくとも現段階では 〜アメリカ食品医薬品局
2001/06 MSNBC FDA issues cloned livestock warning
2001/06 読売新聞 クローン動物の食肉利用規制へ 米FDA
「流通」はダメだけれど、「売買」は始まっている。
世界初、クローン牛売ります
2002/01 Ananova Cloned bulls on sale to farmers for first time
2002/01 The Age Debate over cloned bulls
オーストラリアのバイオ企業が、クローン雄牛を農家に売る。
将来的には中国〜アジアの市場を狙ってます。
クローンでとれるものは、肉だけじゃない。
クローンミルクはいかが? クローン牛がミルクを出していますよ
2001/07 ABCNEWS.com Got Cloned Milk? Company Ready to Sell Milk of Cloned Cows
全然普通のミルクなんですけどね。
でもまだFDAが販売を認可していません。
2002年に、日本とアメリカで「安全でしょう」判断が出されている。
しかし、どちらもその後何年も、クローン肉の解禁は保留のままになる。
2002/09 【日本語記事】朝日新聞 クローン食品、来年にも米市場に
>米食品医薬品局(FDA)がこれら年内にも安全宣言を出す見通しとなった。
>牛乳、肉などが来年以降、米国市場に出回ることになりそうだ。
>ホワイトハウスがFDAの判断を支持すれば、来年には牛乳と子牛の肉が、04〜05年ごろに子豚の肉が出荷される見込み。
>クローン食品は現在、FDAの非公式要請によって、米国内の畜産農家や関係企業が出荷を見合わせている。
2002/09 Washington Post Cloned Food Products Near Reality
Items Could Reach Shelves by 2003
2002/08 BBC News Cloned animals 'safe to eat'
2002/08 【日本語記事】朝日新聞 未完の技術、残る不安 農水省「体細胞クローン牛は安全」
>農林水産省が「一般牛との差は認められない」と発表。
>最終判断は厚生労働省に委ねられるものの、体細胞クローンには流産や死産が多く、確立した技術とは言えない。「安全」の根拠は何か。
2002/08 【日本語記事】朝日新聞 体細胞クローン牛の安全性確認と発表 農水省
2002/08 【日本語記事】毎日新聞 体細胞クローン牛を食肉実験 ラット、マウスに異常見られず‐‐農水省
2002/08 【日本語記事】読売新聞 体細胞クローン牛、農水省「安全宣言」 食用近く解禁も
で、なんか知らんけど、この「クローン肉は食えるか」話題は、コンスタントには流れてこない。
たまーに何かあったときにボコボコッと沸いて出て、それが終わればなんも話題にならない時期がしばらーく続く、そんな気まぐれな扱いでずっと来ている。
上の2002年夏の次は、2003年の春だったり。
2003/04 【日本語記事】読売新聞 体細胞クローン牛「食品の安全性損なわれない」 農水省に続き厚労省研究班が報告書
2003/04 中央日報(韓国) 「日本、クローン牛食品で安全」 クローン牛肉の市場流通に可否注目
2003/04 毎日新聞 <クローン牛>「安全」報告でも、「即安全」とはいえない
2003/04 共同通信 クローン牛流通認めないで 「安全性疑問」と市民団体
2003/05 【日本語サイト】クローズアップ現代 NHK どうする“クローン牛”の食品化
>日本有数のブランド牛松阪牛を持つ三重県では、生産効率があがると期待する農家がいる一方、これまで培ってきたブランドイメージや市場の秩序が乱れると不安視する農家が出てきた。消費者の理解をどのように得るのか
これは、行政が何か話を出してこない限り、消費者市民の側からはクローン肉には需要がないので話題にもならない、ということなのかな。
ただでさえ、「体細胞」ではない「受精卵クローン」が名前を伏せて売られているようなありさまで、その上「体細胞クローン」は「受精卵クローン」より難しくて高価くつく。
2003/10 【日本語記事】ワイアード クローン動物の肉は食べても安全か FDAがまもなく結論
2003/10 Boston.com FDA report due on cloning
Questions center on consumption of meat and milk
米医薬品局(FDA)が報告書「クローン家畜の肉やミルクは安全」
2003/10 BBC News US 'will rule cloned food safe'
動物クローンは、一般的な食糧生産に使うには、まだあまりに高価だが、最高品質の動物を増やす手法としてはクローンは使える
2003/10 New Scientist US says food from cloned animals is safe
2003/11 New York Times Animals Cloned for Food No Longer Draw Collective Yawn
FDAは、クローン肉の安全性に関するもっと多くのデータを要求する
2003/11 Guardian FDA Wants More Data on Cloned Meat Safety
2003/11 New York Times Panel Doubts Finding on Cloned-Food Safety
2003/11 USA TODAY FDA panel: Data not in on safety of clones' meat
安全宣言が出されても、流通してこない。
まだまだ確実に確実に確実にデータを集めてからでないとダメなのだと。
2004年になっても、日米ともにこの状態。
2004/08 【日本語記事】ワイアード 米国科学アカデミー「クローン肉に危険なし、ただしさらなる調査を」
2004/12 共同通信 クローン牛解禁07年以降に 農水省、出荷自粛を継続
2005年。
このころになると、発表があっても報道が薄くなってくる。
その前の年の2004年に、すさまじいヒトクローン騒ぎがあったんだよね。
もしかしたら、その関係で、2005年あたりは「もうクローンのイメージ悪すぎ&飽きた」になっていたのかもしれない。
クローン牛の肉やミルクは安全だということになりました〜日本&米国
2005/04 news@nature.com Beef and milk from cloned cows declared safe
2005/04 【日本語記事】共同通信 クローン牛肉や牛乳は安全 日米が研究、品質もOK
2005/04 BBC NEWS Produce from cloned cattle 'safe'
2005/04 ScienCentral Cloned Beef
2005/04 【日本語記事】ワイアード クローン牛と一般牛:肉と牛乳の質を比較
2005/07 【日本語記事】ワイアード 「クローン動物由来の食品」販売をめぐる議論
その次が、2006年の暮れだ。
いや、省いているわけではなくて、マジ報道から報道までの間がこんなに空いている。
2006/12 【日本語記事】読売新聞 世界初、クローン動物食品認可へ…米が安全報告書案
2006/12 【日本語記事】毎日新聞 体細胞クローン家畜:肉と乳、米FDAが「安全」 来年にも市場流通か
2006/12 BBC News US body backs sale of cloned food
2006/12 ScienCentral Cloned Beef Safety
2006/12 Discovery Cloned Meat O.K. to Eat, Says Government2006/12 news@nature.com Cloned animals deemed safe to eat
US regulators prepare to OK food made from cloned animals.
2007/01 National Geographic Cloned Meat Ruling Sparks Optimism, Outcry in U.S
EU/ヨーロッパ方面は、日本やアメリカほど乗り気ではない。
2007/03 BBC News EU to look at cloned meat safety
EU ― クローン肉の安全性は?
そしてようやく、こないだの2008年初頭、「クローン安全宣言」が出された段に行き着くのだけれど、
2008/01 【日本語記事】毎日新聞 クローン家畜:安全宣言受け、流通開始も視野に 米農務省
>アメリカは、当面の間はクローン食品の販売自粛(01年6月導入)を継続する。
>自粛継続の要請は、安全上の懸念からではなく、クローン家畜の追跡システム構築など体制整備の期間確保などが目的。
(2007/12 ロイター Cloning companies set database to track animals
>クローン動物の追跡システムを作ります
>新しいデータベースは食品企業が農場から屠殺場までクローン動物を特定する一助になるだろう)
2008/01 【日本語記事】読売新聞 体細胞クローンの牛・豚・ヤギに安全宣言…アメリカ食品医薬品局
>「肉、乳製品とも従来の家畜と変わりがない」「クローン食品であることの表示は不要」
>日本の農務省は今後、クローン食品が市場に円滑に受け入れられるための体制を整備する方針。
>その間の措置として、業界が2001年から続けているクローン食品の出荷自粛は当面、続けられる。
>かりに安全性が確認されても、従来に比べてクローン牛は生産コストがかさむ。
>日本では消費者が受け入れるかどうかもわからない。
2008/01 BBC News Animal clones to be food in US US approves animal clone food
米国は、動物のクローン食品を承認
2008/01 朝日新聞 クローン動物の安全性「普通の家畜と同じ」 米FDA
・・・そんなには、騒いでない。と思う、アメリカでは。
アメリカは、科学・医学の専門家や行政が判断したことについては、なんかけっこう素直に従う傾向がある。
脳死といわれれば、はいさいですか。
遺伝子組み換えが安全だと判断されれば、よござんした。
では日本はどうなのか。
まあ、ここでは記事置きだけにしておきます。

あ、ついでに。
これも食用クローンだね。
命を左右せずにすむ食肉用クローンはいかが?〜オランダ
家畜じゃなく、肉そのものをクローンしたほうがいいんじゃない?
2001/09 Ananova Scientist says he can create meat without killing animals
2007/07 【日本語記事】ワイアードビジョン 「培養肉」を食卓に(1)
ブタの幹細胞から食肉を工業規模で作り出す研究
2007/08 【日本語記事】ワイアードビジョン 「培養肉」を食卓に(2)
前世紀に一時流行った「畑の肉」をほうふつとさせてくれる。(ジャングル大帝のレオもお食べになったというアレだ)
これこそ、「Cビーフ」みたいなトンだ呼称が良くお似合いな一品だよね。
肉そのものをクローン。
「意識」基準の欧米では、これはけっこうきれいな選択肢に見えるのかもしれない。
しかし、「いのち」概念が幅を効かせている日本ではどうだろう。
これは一種、ヒルコ(水蛭子)の肉に見えないか。
その後の記事 追記:
2008/09 【日本語記事】朝日新聞 遺伝子組み換え家畜を食用に 米当局が検討、意見募る
http://www.asahi.com/science/update/0919/TKY200809190066.html
遺伝子組み換え(GE)家畜
GE食品としてはトウモロコシや大豆が実用化されている
FDA ― 遺伝子工学による動物を制御するために
薬物機関は、遺伝子組み替え動物に対する市場承認への扉を開ける。
2008/09 news@nature.com FDA to regulate genetically engineered animals
Drug agency opens door to market approval for transgenic animals.
2008/09 New Scientist Food companies reject clones over consumer fears
食品業者は消費者の恐怖を理由にクローンを拒絶する
2009/01 【日本語記事】読売新聞 クローン牛・豚、食肉解禁認める方向…食品安全委・部会
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20090106-OYT1T00364.htm
2009/01 【日本語記事】朝日新聞 飛騨牛・元祖のクローン牛誕生 死後13年の冷凍細胞で
http://www.asahi.com/science/update/0108/NGY200901080011.html
2009/01 Discovery Luxury Beef Bull Cloned
伝説的な贅沢牛肉の雄牛をクローン 日本科学者
2009/01 PhysOrg Japan scientists clone legendary bull





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