[ EP: 科学に佇む心と身体 ]

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男で快感が強いゲーム話とメロドラマ

カテゴリ[科学に佇む2008年] 2008/02/11
2008/02 【日本語記事】ワイアードビジョン 男性の方が「ゲームによる快感」が強い:fMRIで脳を分析
男のほうが快感が強い
2008/02 EurekAlert Video games activate reward regions of brain in men more than women, Stanford study finds
 テレビゲームで脳の報酬回路がよく反応するのは女より男
男のゲームはまりは脳から
2008/02 CBC Male video game addiction is neural, study suggests


 まあ、単純に解釈すれば、「陣取り合戦は男のロマンだ!」狩猟本能が、だのという話にされてしまうのだろうけれど。
 性別だけで見ずに、各人のテストステロン値まで同時に調べてくれれば良かったのに。

 → 『 くぉの高テストステロン野郎! 』
 → 『 脳の性差、心の男女差』

 この研究者さん Allan L. Reiss は、2005年に「ユーモアの脳内処理は男女で違う」てぇ論文も出しなさったお方。

ユーモア感知の男女差
 脳イメージングは、特定のマンガで活性化する脳部分が性別で異なることを明かす
2005/11 ScienCentral Humor and the Sexes
2005/11 New Scientist Women get a bigger buzz from cartoons
2005/11 PNAS 2005;102 16496-16501 Sex differences in brain activation elicited by humor
2005/11 PNAS 2005;102 16502-16506  Personality predicts activity in reward and emotional regions associated with humor

 はなから脳で観察される男と女の違いを見つけに行きますよ、という路線らしい。
 性別をよっこしたテストステロンの違いとかは眼中にはないか。

●右画
 さて、この研究結果を「ゲームだから」と見るか、「ゲームはゲームでも、陣取り合戦だからだよ」と見るか。

・ゲームの種類によっては女のほうがハマるものもありうるのではないか
・ゲーム開発者には男が多いから、男ウケするゲームが多いのではないか
・研究者はもともと脳の男女差に小躍りする路線で走っている人だ。男ウケするゲームで男ウケする結果が出たから発表したのであって、男女差がなかった場合は発表しなかったのではないか。

 などいろいろ妄想はわいてくるけれど、ここでこの話題を取りあげた記事を書く気になったのは、そういうツッコミを並べるのが目的じゃない。


 去年の暮れから、それとはまた別の、落としどころが見えないナゾが一個発生している。
 別の研究者によるこの論文だ。

男が好きな話は絵空事 女が好きな話は実話
 〜Rui Zhu and Darren W. Dahl
2007/11 EurekAlert How to get a man to enjoy a chick flick
2007/11 PhysOrg Sad story OK for guys, as long as it's fiction
 感情移入度を調べました
 お涙頂戴ストーリー、「完全なフィクションである」と言われたほうが、男は話にのめりこめるのです
 女はフィクションだといわれた話には、イマイチのめりこめない

実話より? 男ははっきりフィクションだよと提示される『お涙頂戴メロドラマ』を好む
2008/01 EurekAlert True story? Men prefer 'chick flicks' when they are explicitly fictionalized


 これはなんだ?
 これからすると、男は狩猟や攻撃が好きだからと言う以前に、「ゲームがフィクション」だからこそのめり込むのだ、という見方ができてしまうのではないか?

... 以下つづき...

〓〓〓 EP 〓〓〓

 研究者は、「泣ける映画」をフィクションとして見せるか、実話として見せるか、でリアクションの違いを調べた。消費者リサーチの一貫としての心理調査であり、脳スキャンなどはしていない。

 で、男では「泣ける話はフィクションに限る!」という調査結果が妥当なものだとして、問題は、「それはなぜなんだろう???」だ。

 「泣ける話」以外ではどうなんだろう? 調べてないのか?
 ・・・「泣ける話」以外のコメディやスリラーなどでは「フィクションか否か」の設定がしづらいからかな。実話のコメディ、実話のスリラー、どうだろう。

 陣取り合戦の場合にしても、男は実話の陣取り合戦(リアル世界で自分の陣地を賭ける)よりフィクションの陣取り合戦のほうがシビれるのだろうか? 冒頭のゲーム脳スキャンみたいに?
 ポルノストーリーでも、フィクションのほうがそそられるだろうか? 萌え対象はフィクションに限る? 実話のポルノでは**にくいだろうか? なんだこの実話のポルノって・・・実録強姦ものとかか

●右画
 そして、これは「男と女の違い」なのか? 社会的ジェンダーがもたらした差ではないのか、もしくは男女差ではなく、共感脳とシステム脳の差が生んでいるのではないか?
 なぜ、フィクションで乗れる個体と、フィクションでは乗れない個体に、分けてしまえる差が生じているのか。
 いろいろ疑問がわいてくる。わきすぎて尽きない。

 メロドラマへの感情移入度調査をやった研究者は、
「男はフィクションであるほうが悲話を楽しめる、その理由についての我々の仮説は、男性が社会的に感情表出を抑えるよう枠にはめられている関係で、物語がフィクションであるとわかれば、現実逃避でリラックスできるからではないかというものだ」
みたいなことをおっしゃっている。脳などの生理的な男女差からではなく、社会的圧力(立場/ジェンダー)から読み解こうとなさっている。

 かといって、それだけだろうかいなと。
 いや、冒頭の「ゲーム脳性差」研究者のように「男と女の脳は違うから」と単純化させたいわけじゃない。
 冒頭の「ゲーム脳性差」研究にしたって、「脳が違う」のではなく「男には社会的圧力があるからこそ、ゲームで脳がこんな反応をするハメになる」という見方ができてしまうだろうし。

 共感脳とシステム脳の差から、フィクションに対する感度が違うのではないか、という見方はどうだろうか。
 → 『 システム脳・共感脳 』
・共感脳の人間は「事実に基づく」ストーリーを好む(真に受けて共感していいんだ!:実際の状況にそぐわない価値観に自分をゆだねたらヤバイ)
・システム脳の人間は「フィクションである」と先に伝えられていれば、そのストーリーを楽しむ(突っ走っても無問題、かまわないんだ!:妄想相手だからこそ、自分が何をやっても自分は安全)
 こういう違いは、想定しうるだろうか。

 なんだろう、この「フィクションならイイ」という性差結果は。

 さらに、少年マンガ、ジャンプなどで顕著だろうか、「全然現実世界で役に立ちそうもない設定」に血道をあげる男性読者層をターゲットにした作品群。少女マンガでの「全然現実世界で役に立ちそうもない設定」率と比較するとどうなんだろうか。少年マンガで繰り広げられる「おもきしフィクション」の設定に於いても、上述の研究者がみなす「男性が社会的に感情表出を抑えるよう枠にはめられている関係で、物語がフィクションであるとわかれば、現実逃避でリラックスできるから」をあてはめてしまえるのか???
 いや、「現実世界で役に立ちそうもない設定」と「フィクションであるメロドラマ」は、同列扱いするには不適切な枠組みかもしれない。

 もいっちょ、浅薄なトップダウン思考(机上論というか、おのれ自身を知らないというか、末端を見ていないというか)をひけらかす作品をものするのも、男に多いような印象を受けている(女では論理そっちのけの印象先走り作品、だろうか)。この、男につきまといがちなトップダウン思考というのは、これはテストステロンのせいなのか、システム思考のせいか、はたまたジェンダー学習による刷り込みか。・・・女にありがちな印象先走り思考は、ちょっと論理や訓練では治せそうもないような根深さの感触があるので、ジェンダー学習による刷り込みではないような気が。いや、そも異文化では異なる反応がありえるのではないか、などとぐだぐだうろうろ・・・

 陣取り合戦ゲームにハマる男と、実話でないとハマりづらい女・・・ つながるのか、全然関係ない異次元の問題なのか、なにかつながりそうでいて掴めない、でも何かヒントがありそうな、なんだもう妙にこう、ひっかかったまんまなのだが。
 誰かこう、うまいこと落としどころを考案してくれているケースはありませんでしょうかね。
 この二つの研究をつきあわせている人はちょっといないかな・・・

 性差がらみの主題で中途半端な記述を出すとウザイ勘違いコメントがつくことがある。本来なら楽屋のほうに書き捨てるべきエントリだと思う。でも、陣取りゲームへの反応と、フィクション設定への反応、この2つのおさめどころにどないしたろかとギブアップ状態なので、試しにこちらに置いてみるしだい。
 ややこしい展開になりそうなら、この記事は楽屋のほうに移動させるかもしれない。




メタル


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