[ EP: 科学に佇む心と身体 ]

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催事情報、みなさんお知らせありがとうございます。

怪奇!呪われた開けずの消火器(復刻版)

カテゴリ[土木見て歩記] 2009/05/21
 かつて、真夏の北海道で実際に起こった、たいへんたいへん恐ろしい話をひとつ、お聞かせしましょう。


●消火器
 トンネルの中を歩いてみると、何カ所も右図のような非常用の消火器が設置してあるのが目につきます。
 非常用なんです。
 非常時以外はこの扉は開けてはいけません。
 …非常時以外に開けると…

 恐ろしいこと が起こります。

 ●画 ●画 ●画

 さて、ここにトンネルの中を工事している現場があったと思いねぇ。
 トンネルん中は一車線つぶして工事やってっから、当然現場は 「片側交互」通行だ。
 交通誘導要員が、 ハタ 持ってトンネルの入り口で一般車両を交互に止めてるさぁね。
 で、悪いことによ、このトンネルがまた なげぇんでやんの。そんじょそこらのちゃちなトランシーバーじゃ両端まで電波が届かねぇときたもんだ。

 しょうがねっからよ、俺ぁトンネルの真ん中で3台目のトランシーバー持って、中継連絡やってたんでさぁ。

さあて、ここが俺のポジションだ、もうすぐ工事が始まんべぇ。
万が一何かあっちゃぁいけねぇぜ。まずは現場確認しとかにゃな。
お。「消火器」。こりゃ点検しとかないといけねぇやな。
開けた。
消火器があった。
満足。
閉めた。


 さて仕事が始まった。
 俺っちも忙しく無線の中継をやっていた。「はい留萌側から3台ラストナンバー58!」「はい札幌側から現在車両無し!」
 すると「札幌側から回転灯を点けた車両一台!」てな連絡が入った。
 そのとおり、トンネル内を工事パトロール用の黄色い回転灯を点けた車両がやってきて…、いきなし俺の前で停車して、降りてきたおっさんがおもむろに消火器を点検して一言。

 「あんたこれ開けたっしょ」

 うああ”〜っ!  なんでわかったのぉっ!?

 聞けば、この「消火器」、誰かが扉を開けると「北海道開発局」だかなんだかの ブザー が鳴る仕組みで、即刻パトロールが巡回しに来るんだそうな。
 たまたま巡回で来た人が顔見知りの土建の人だったんで、その場はなんとか笑ってごまかせたんだけどさ…。

  が、消火器の呪いはそれだけでは済まなかったのだ。

 翌日も工事は続いていたわけで、俺ぁまたおんなじ場所で無線中継をやっていた。
 したら、資材を運んでいる工事作業員の一人が、ひょこひょこっと「消火器」に近づいて… 俺ぁ顔蒼くなったね。

  「それ開けちゃダメ〜っ!」

と叫んだがもう遅かった。
 その作業員、開けた「消火器」の扉の前でポカンと口開けてこっち見てやんの。(そうかい、あんたも中見たかったんだね…tear_flow

 このトンネルん中にはたくさん「消火器」があるだろうに、なんでよりによって またこの「俺の真ん前」の消火器を開けんのさっ。

 案の定、さっそく昨日と同じおっさんが巡回しに来て、その目つきは 「またアンタかい」てなもんだ。
 しどろもどろで、今回開けたのは作業員で、俺は叫んだが間に合わなかった、とかイイワケしたんだけどよ。

 …笑いこっちゃねぇぞ。

 あの「消火器」ぁ絶対呪われてんにちげぇねぇって。はぁ。



 本稿は、前世紀に拙サイトで公開していた「土木見て歩記(どぼくみてあるき):1997年」からの復刻です。
 ちょっとまた今、土建熱が再燃してきているので再掲してみたよっ。osmashi

 北海道は、持つならここですね ●画    (〜 バカリズム



メタル


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北海道の精髄!関口雄揮「風の岬/風の漁村」

カテゴリ[土木見て歩記] 2009/03/13
録画していたNHK「新日曜美術館」で関口雄揮の作品を拝見してハマった。
現世を、透徹したあの世の印象にフリーズさせる。

関口雄揮


現代日本画の巨匠。
関東の出身だが、北海道の圧倒的な相貌に魅せられ、零下十数度の厳寒の吹きさらしの中、何時間も荒野のスケッチを続けていたという。

間違って「関口雄輝(かがやくの字)」と表記されていることがありますが、正しくは「関口雄揮(指揮のきの字です) せきぐちゆうき」です。

んでもって、この人の作品をもっと拝見するすべはないのかなとネットを検索したら、なんと! なんだなんだ、札幌市内におもきしこんな施設があるではないか!!

リンク 『 関口雄揮記念美術館 』
   ┗ 展示作品紹介
●所在地 〒005-0853
 札幌市南区常盤3条1丁目【バス停「芸術の森入り口」の北側】

●休館:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は、月曜日開館で翌火曜日休館になります)
●開館時間:冬期間11月〜3月は 午前10時〜午後4時
 冬以外は午前10時〜午後5時 (入場は午後4時30分まで)

『 関口雄揮記念美術館 』 サイト内に「インターネット特別割引券」のページがある。プリントアウトして持参すると、100円割引サービスになるんだ。osmashi

リンク 関口雄揮記念美術館案内
  ┗関口雄揮記念美術館さんが作ったオリジナルコマーシャル。
  これに「市内から30分」と書いてあってワロタ。
 「関口雄揮記念美術館」は札幌「市内」だぞ。南区を市内八分したらあかん。


 うわー、見に行きてー!!と騒いでいたら、確定申告仲間のSっちとGちゃんが申告ついでにいっしょに行こうと言ってくれたので、行ってきたぜい!!

UUUUUUU

●行き方●
 札幌の地下鉄南北線の南端、「真駒内駅」の「2番バス乗り場」のバスは、すべてバス停「芸術の森入り口」を経由する。ので「2番バス乗り場」に行けばオッケー。簡単。



●展示作品●
 「展示替は年4回」
 ええっ。じゃあ、たくさん拝見したければ、何回も見に行かなきゃなんないのか。
 今現在の展示はこれ。
所蔵作品展 「風の岬」
会期 2009年2月28日(土) 〜 2009年6月28日(日)

関口雄揮


 凍てつき、暗く白い北海道の漁村の風景を含んだ作品群が、一堂に集められている。
 激しくけぶる吹雪の海が、遠い空が、みごとに昇華して、固まった画面から静かな叫びを上げている。永遠に。
 構成はストレートに巧み。
 モノクロームに吹き削られる波しぶき。
 色を失った画面のすみで、かすかにハレーションを跳ばす原色。 最高。

 屏風「風の漁村」の、迫力。 無音さ。
 理想のあの世。
 北海道日本海側の厳冬期に、海岸で吹きさらしの仕事をし、その風景に魅入られた者の一人として、この描写は最高。理想。
 北海道厳冬期の光景は、マジに美しい。
 死んだら、毎日永遠に、こんな風景をまのあたりにしながら凍りついていたい。死んだら、音も寒さも気にせずずっとこの光景だけが見えている、そんな気がしている。理想だ。

 でもねー、これは内地の人間の感覚なんだろうな。ase
 ドサンコに言わせれば「こんな風景なまらしばれそうでダメだ」マジでおびえてやんの。悪夢なんだろうな。w

 素晴らしい作品なんだけどなー。

 『 関口雄揮記念美術館 』 の今の展示『所蔵作品展「風の岬」』シリーズは、厳冬の漁村が圧倒的な迫力だけれど、隣室には「春の風景」を集めた柔らかに暖かいシリーズや、若かりし頃の小品を集めた部屋もある。
 関口雄揮氏の作品には時代によって「フランス留学時代、抽象の時代、モノクロームの時代」と三期にわかれるのだそうだ。

UUUUUUU

 関口雄揮氏の作品は、ネット上ではあまり拝見できない。
 でも、少し拾える作品の片鱗を並べてみるならば・・・

... 以下つづき...
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命がけの崖:ロックネットアクロバット

カテゴリ[土木見て歩記] 2008/06/15
昨日の「平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震」で、法面(のりめん:斜面のこと)崩落対策の工事に従事していた作業員が被災なされました。

10年前に記した旧稿を改稿してご紹介しておきます。

●Ю ●Ю ●Ю

1998年7月の「北海道土木見て歩記」より復刻。


アンカー【ロックネットアクロバット】


 1996年、北海道の積丹で起きた 豊浜トンネルの巨大岩盤崩落事故。その際の新聞記事見出し、
  「落石防護のネット役に立たず」
には、まいりました。

●ロックネット
 あのネット(ロックネット:落石防護網)って、小さな石ころが落ちてバウンドして道路に出るのを防ぐ程度の、崖の規模から言ったら「オブラート」程度の強度のものなんですよね。
 あれで岩盤崩落を防げたりしたら、そりゃもう世界七不思議どころじゃない、物理の法則崩壊だ。

 結局あそこ(豊浜トンネル)は、「落石」対策はしてはあれども、「岩盤崩落」の対策は何もなされてはいなかった、それだけのこと…。


 小石の落下しか防げないものとはいえ、ロックネット張りの作業は命がけです。
 岩を覆う、落石防止の金網「ロックネット」。
リンク ロックネット 落石防護網の各種画像集
 これ、機械かなんかでバーッと張っていくと思っている人、あなたそれ間違い。

 登山の経験も、ロッククライミングの装備経験も、ろくすっぽない、ふつーの作業員さんたちが、わしわしわしと崖登っていって(まるで忍ペンまん丸の「はいずりこぞう」)、よっこいせよっこいせと、手作業で金網を広げてかぶせていく。
 生命保険なんか、けんもほろろなレベルのデンジャラスなガテン世界。

 作業員さんに「施工は崖が垂直なほど大変なんでしょう」と尋ねたところ、

「垂直に近かったら、ネットをだらんと垂れ下げるだけで済むのでかえって楽だ。斜面のほうが手間かかって危ない」

という話でした。


... さらにデンジャラスな作業が...
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自然界にフツーに外来種を植えまくる工事

カテゴリ[土木見て歩記] 2008/02/07
こんな催事の案内が流れていました。

■2008年02月17日【神戸】農業環境技術研究所 第9回公開セミナー
リンク 「外来植物の「リスク」を調べて蔓延を防止する ― 北海道地域での問題点 および緑化植物の利用とリスクについて」

 北海道の話を神戸でやるのか、北海道ではやってくれないのか???
 と、えらい気になりついでに、北海道で緑化に使われる外来植物の話、昔ウェブに置いていたページを復刻させてみようかなと。

●Ю ●Ю ●Ю


1997年の「北海道土木見て歩記」より復刻。(つまり10年前の記述ですね)


アンカー【緑は緑でも、ホントにそれでいいの?】

 工事をします。
 したあとに緑を植えます。
 それはいいことですよね。
 公園の緑、道路わきの緑、建築敷地内の緑。緑がいっぱいあると気持ちいい。

 でも、このごろ気になるんだけど、それってもとあった緑じゃない

 植木屋さんが持ってきた緑。
 芝の業者が持ってきた芝マット。
 いろんな雑草の種を仕込んだ既製品の植生土嚢 (しょくせいどのう:土の入った袋)

 特に気になるのは、路端の法面(のりめん:斜面のこと)保護のために植えられる草類。

 「自然保護区域」を通る道路を造るときにも、クローバーやアカツメ草、芝生や雑多なイネ科植物をぽぽぽんっと植えておしまいにしてないか?
 それらは、その地区にとっては「外来種」ですよね。地元の植物にとって、少なからない脅威。
 いや、「自然保護区域」と限らずとも、北海道から九州まで、似たような草がほいほい植わってしまっているのはちと不満。

 現状のアホな人間のアホな取り組みでは、これでしょうがないのかもしれない。
 でも、将来的には、施工する植生は「地元の植物で」という技術方向に向かっていって欲しいものです。


 以上。
 えー。そうか、土木に縁のない人にはもっと始めから書かないとダメか。

 工事をやったあと、ほっておけば自然に草が生えてきている、というわけではありません。
 たいていは、業者が芝を植えたり、土や草の種を仕込んで、わざわざ生えさせているのです。
 草を生やすこと(緑化)も含めて、工事をしています。

法枠

植生土嚢(しょくせいどのう)を詰め込んだ法枠(のりわく)。

数種類の草の種を織り込んである緑のフクロ「植生土嚢」に、現場で土を入れて斜面に並べます。


法枠

やがて草が生えてくるとこんななる。(法面緑化:のりめんりょくか)

ここは実際はハイドロシーダー(種子吹付)だったかな。


●Ю ●Ю ●Ю


 北海道の山奥の工事でも、自然保護区の工事でも、資材置き場に山盛りになっていた植生用の資材(盛り土や道ばたの法面(のりめん)に草を生やさせるための製品)は、普通に「一般の工事用」だったりしていた。
 一般の工事用。すなわち、雑草のタネが仕込まれた土やシート。
 地元の植物ではない、繁殖力の強い外来植物を植え付けて仕上げてたんだよ。 国定公園内でも。ma

... 以下つづき...
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白銀の滝、雄冬タンパケの発破現場

カテゴリ[土木見て歩記] 2007/05/09

美しい発破(はっぱ:岩盤爆破)現場の画像です。
1998年8月撮影。
雄冬タンパケ発破

 ここに見える階段(単管たんかん:金属パイプで仮設されている)は、下から続いているのではなく、崖の上から中腹までの、降りる形で設置されています。
 仮設階段や足場は、登山素人の仮設作業員さんが、すっぴんの崖に命がけで取り付けてくれたもの。発破は発破屋さんの担当、仮設足場は仮設担当の業者さんがこしらえます。
 ぽつぽつ見える赤い人影が、真っ赤なツナギを着た発破作業員。

 登り口は、はるか山の反対側。(おそらく→ 『雄冬(おふゆ)』の町の上からではなかったかと)
 作業をするには、毎朝はるばる山をひとつ登り越え、この崖の中腹まで降りて(降りてと言ってもまだ下から40m以上もの高さがある場所)、ダイナマイトを仕掛ける穴をダダダダダと掘り、ダイナマイトを結線(けっせん:導火線をつなぐ)して、山の上に退避して、爆破する。

 命がけ。職人の現場です。
 素人入山禁止の聖域ここにあり。


●Ю ●Ю ●Ю


 上は、かつてウェブに置いていた『北海道見て歩記』シリーズからの復刻+α。

 写真に見える赤いつなぎの発破作業チームは、
  「1996年2月10日、犠牲者20名を出した
   豊浜トンネル岩盤崩落事故(積丹半島・国道229号線)」
の際に、命を賭して巨大岩盤の爆破作業に当たったあの会社の作業員。(のはず)
 豊浜トンネルの、とほうもなく大きな崩落岩盤に、けしつぶのようにとりついて、独り発破を仕込む穴を開けていた、あの前代未聞の全国生中継映像は、いまだに畏怖と恐怖を伴って目の奥に突き刺さっている。

... 以下つづき...
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筆者:雨崎良未
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